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FEATURE

CAVALERA CONSPIRACY

2011.03.09UPDATE

2011年03月号掲載

Cavalera兄弟による衝撃の再タッグ結成から3年、 衝撃の第二幕が幕を上げる!!

Writer 米沢 彰

ヘヴィ・ミュージック・シーンのカリスマ Max Cavalera(Vo)、Maxの実弟であり超重量級のグルーヴを叩き出すIgor Cavalera(Dr)。83年に二人を中心にSEPULTURAを結成。以来、徐々に活動を広げ、遂にはROADRUNNER RECORDSと契約、全世界に向けてリリースするまでになったが、97年、MaxがSEPULTURAを脱退し、当時SEPULTURAのドラマーを務めていたIgorと別離。実の兄弟でありながら、一時は会話すらないとまで噂され、二人が力を合わせることは無いだろうと思われていたが、08年、CAVALERA CONSPIRACYとして二人は再びタッグを組み、『Inflikted』をリリース。更にその3年後の11年、彼らは更なる衝撃作『Blunt Force Trauma』を世に放つこととなった。

前作のリリース時には、“SEPULTURAとしての活動で世界を騒然とさせた二人のカリスマが再びタッグを組んだ”こと自体が大きな注目を浴び、シーンに大きな衝撃を与えた側面があることは否定できない。その後のSUMMER SONIC 09での来日時の熱狂振りを見ても、正に待望のリユニオンだったのだと確信できるものであったし、二人らしい音楽性と、そのカリスマ性溢れる風貌とパフォーマンスがファンに熱烈に歓迎されているのが良く現れてはいたが、一方で“噂のCavalera兄弟を一度は見ておこう”的なスタンスのオーディエンスが散見されたのも事実だった。

その流れの中で、今回のリリースは“第二幕の幕開け”という非常に重要な役割を担っているように思われる。リユニオンという話題性を持って世に出てきた前作と異なり、今回は“二人が何を見せてくれるのか”に注目が集まるということだ。

Igorらしいタムの使い方が印象的なTrack1.「Warlord」から始まる今作『Blunt Force Trauma』は、前作『Inflikted』から引き続き、Cavalera兄弟らしさを存分に発揮した、重く鋭いサウンドに仕上がっており、これまでのCavalera兄弟を知るものにとっては、最高の出来と言っていいだろう。やや勢いに任せているようなパートも見られた前作と比べると、より細かいところまで作り込まれている印象だ。よりギター・ワークは緻密になり、テクニカルなフレーズが増えている一方、Maxの咆哮は更にパワフルに進化した。同時にIgorのドラムさばきは、繊細で緻密な側面とパワフルなパートが混在する更に高い次元へと歩みを進めている。

アーティストというよりも、軍人と形容したほうが似合いそうな風貌とは裏腹に、緻密に組み立てられた楽曲が並ぶ本作は前作『Inflikted』を上回る完成度と言っても過言ではない。Maxは昨年、SOULFLY名義でも作品をリリースしていることを考えると、過密な中でこのレベルの作品を生み出し続けるMaxの才能には本当に驚かされる。Cavalera兄弟の奇跡はまだ始まったばかりなのかもしれない。この様子だと、まだまだ素晴らしい作品を生み出し続けてくれそうだ。ヘヴィ・ミュージック・ファンを自負する者はこの第二幕の幕開けを見逃すな!!

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