INTERVIEW
CAVALERA CONSPIRACY
2011.03.10UPDATE
Member:Max Cavalera(Vo&Gt)
Interviewer:米沢 彰 Interpreter:ジンジャー国田
-CAVALERA CONSPIRACYとしての2ndアルバム『Blunt Force Trauma』のリリースおめでとうございます。完成した今の率直な感想を教えて下さい。
とても興奮しているしほっとしている。このアルバムの制作を始めてからすごく時間が経っているように思えて仕方ない。やっと終わって、やっとこれでツアーに出るんだけど、ツアーに出ることが一番エキサイティングなのかもしれないな。アルバムの出来も良くて、力強くて、1stアルバム『Inflicted』から一歩進んだ作品になったと思うので、今ほど楽観的になったことはないし、期待でいっぱいだよ。
-前作『Inflicted』のリリース時にはまさかのCavalera兄弟の再結成ということで、非常に話題になりました。私自身も非常に驚かされ、そして、とても高いレベルの作品だったことにも驚かされました。あなた自身、前作リリース時に2ndアルバムを出すことになると予想できていましたか?
いや、続けたいという気持ちしかなかったから、“いつかセカンドに取りかかる”としか考えてなかったよ。小規模のCAVALERA CONSPIRACYのワールドツアーでヨーロッパやアメリカをTHE DILLINGER ESCAPE PLANと回った時に、そろそろ新しいアルバムを作るためのタイミングに丁度良いと思い、Igor(Dr)とまた音楽を作り、CAVALERA CONSPIRACY はただのプロジェクトではなく、本当にバンドとして機能しているし、息の長いバンドだと見せたかったんだ。
-最初、トラックリストを見た時、Track.3「Lynch Mob」という曲名が目に付きました。この曲にはどういった意味や狙いがあるのでしょうか?あの“LYNCH MOB”ですよね?
そうなんだ。これはAGNOSTIC FRONTのRoger(Vo)とコラボレーションした曲なんだ。ストーリーとしては、女の子がレイプされたんだけど、警察は犯人を釈放してしまった。そこで、その地域の住人たちがストリートで正義のために戦い、レイプの犯人を見つけて、その女の子の復讐のために殺すという内容なんだ。とてもハードコアな状況だし、このタイトルも強いメッセージを持っている。RogerがAGNOSTIC FRONTで取り上げる内容で歌詞の書き方は彼のスタイルがメインなんだ。これは俺のお気に入りの曲でとても誇りに思っているよ。
-ニュー・アルバム、『Blunt Force Trauma』を拝聴しました。前作『Inflicted』では勢いを重視していたようにも感じられましたが、今作ではより緻密な構築を目指しているように感じました。制作に当たって、その点は意識していましたか?
多分バンドがライヴの経験が豊富になって、タイトになったのと、メンバー同士のコミュニケーションが良くなったから自然にこうなったんだと思う。お互いのことをよく知って、音楽を作ることが自然で、よりテクニカルで内容の濃いものになった。ただアグレッシヴで激しいものではなく、構成面でも進歩し、CAVALERA CONSPIRACYには実験的な一面もあるということが人にわかってもらえる内容になったと思う。
-今作ではMaxのヴォーカルは更に力を増し、咆哮と形容したほうが適切だと思えるほどにパワフルなものになりましたね。ご自身では変化を感じられていますか?また、ヴォーカル・ワークに関してどのようなことを意識されましたか?
ああ、変化を感じているし、意識しているよ。ハイトーンのスクリームは前と変わっているんだ。エンジニアのローガンがかなり勧めてくれたんだ。それから「Killing Inside」ではウィスパーする部分があって、それも新しい試みだった。こういう新しいものを作り出し、自分の声をこういう風に使えるんだって認識できたことはエキサイティングだったよ。
-今作ではギター・ソロを始め、ドラムもベースもテクニカルな様相が強まったように感じましたが、ご自身では如何ですか?制作に際して、各メンバーとそういった意識合わせをしたりしましたか?
うん、さっきも話したけれど、ツアーの経験や一緒にいる時間が長くなった分、気持ちが通じ合うようになって、より良いケミストリーが生まれたから、今回はすごくいい環境、いい状況で曲作りやレコーディングができ、曲もテクニカルになり、レベルアップしていると思うんだ。
-あなたは昨年、SOULFLY名義で『Omen』をリリースされたばかりですが、これだけ過密な日程の中でそれぞれがハイレベルな作品を生み出せるのには何か秘密があるのですか?SOULFLYでもCAVALERA CONSPIRACYでもあなたがほとんど曲作りを担っていますよね?
俺は常に曲を書いている。常に音楽を作って録音しているので、今使わなくても、後で使うことができる。ちょっとした“アイディア集”どころか、リフのファイルとか、パートのファイルとかがあり、まるで図書館に行くようにいつもそこに行って曲の大枠を作るのがやり方なんだ。1年ごとに“お気に入りのリフ”をファイルしているので、このアルバムはこの一年間で録音したリフのアイディアを使ったものがほとんどなんだ。これをさらにざっと曲にして、ブラジルにいるIgorに送って、彼がそれを聞いて、その次にスタジオでそれらをジャムって曲を完成させる。SOULFLYとCAVALERA CONSPIRACYのツアーの合間に思いついたものとか考えていたものを必ずファイルするから、時間を有効的に使うことが可能なんだ。暇な時間は全く無いよ。いつも頭の中は音楽でいっぱいなんだ。