DISC REVIEW
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前作から約2年ぶり、ポスト・ハードコア・バンドの2nd EP。レコーディング・エンジニアをギターのSatoji自らが手掛け、GOODBYE TO THE HEROのリアルと見据えるヴィジョンを封じ込めた、渾身の作だ。重いビートをマシンガンのように連射し、メタリックなギター・リフとともに加速。ブレイクダウンから一気にサウンドが爆発し、興奮の坩堝と化すライヴが見える迫力のアンサンブルが肝となっている。その高いテンションをシャウトで強調しつつも、「From HELL」などクリーン・トーンのヴォーカルでメロディアスにも響かせる。シンフォニックなシンセなども配されて、怒濤の如く、且つドラマチックに、音で聴き手を呑み込む楽曲が並ぶ。また「California」では西海岸的な、陽性のムードもあり。枠に留まらない姿勢も見える。 吉羽 さおり