DISC REVIEW
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2010年の結成以来、精力的に活動を続けてきた仙台出身のロック・バンド、FAKE FACE。年を追うごとに勢いを増してきたその活動はメンバーの脱退という危機に直面してもペースダウンするどころか、さらに加速したようだ。今年5月、フリー・ダウンロードおよびフリー・サンプラーという形で新曲2曲を発表した彼らが畳み掛けるようにTOWER RECORDS限定でシングルをリリース。海外のパンク/エモ/メタルの影響も窺えるが、バラードも含むそれぞれに魅力の違う4曲からは日本語の歌詞を始め、自分たちは日本のロック・シーンで勝負するんだという覚悟が感じられる。絶望に対するニヒリズムや愛の終わりを歌いながら、それでも自由になりたいという本作に込めた想いは、新たな所信表明なのかもしれない。 山口 智男