DISC REVIEW
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"テックコア"なるジャンルを標榜し、過去には来日も経験済み。ここ日本における評価も高い、ドイツ出身の5人組による約4年ぶり、3枚目のアルバム。その間、大幅なメンバー・チェンジがあったようだが、エレクトロ要素が若干減退した前作『Mistaken For Trophies』(2012年)と比べて、クラブ・ミュージック成分が増しているのが印象的。Track.2「FTW」のイントロにはヒップ・ホップ的サウンドを取り入れているし、Track.5「Flatliner」は全編エレクトロ・サウンドで構成された楽曲である。シンセ音にせよビートにせよ、非常に硬質な音というのが、お国柄を感じさせて面白い。ブルータルなパートも健在だが、Track.7「The Virus」あたりの叙情的な美しいメロディにこそ、ハッとさせられる。ぽっと出の新人には出せない、自信に裏打ちされた堂々たる完成度の高さはさすが。 井上 光一