DISC REVIEW
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高度なテクニックを持った演奏隊、紅一点のヴォーカリストによる変化自在のヴォイス・パフォーマンスを武器に、発狂寸前のカオティックなサウンドで世の変態音楽好きにアピールし続けるアメリカはルイジアナ州の5人組による、通算4枚目となる最新作。レーベルも移籍し、心機一転といった趣きもある本作だが、サウンド面においてもかなりの変化を見せている。バンドにとっては最初期からの持ち味であった悪趣味なユーモア、ふざけた態度といった要素はほぼ払拭され、ダークなアルバム・ジャケットそのままの、シリアスな空気漂うエクストリームなメタルコアへと変貌を遂げているのだ。前知識がなければ楽しめる質の高さではあるが、何が飛び出すかわからない、カテゴライズ不能の個性は今作では鳴りを潜めている。 井上 光一