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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

激ロック読者にはいまさら説明不要であろう。国内外問わず、多くのスクリーモ/メタルコア系の人気バンド、期待の若手注目株を集めて、シーンを大いに盛り上げているライヴ・イベント"SCREAM OUT FEST"が開催される。今年で通算7回目、新木場STUDIO COASTに場所を移してからは3回目の開催となるが、すでに新進気鋭のイベントというよりは、この手のジャンルの愛好家にとってはすっかり定着したフェスであり、もしかしたら夏の巨大ロック・フェスよりも毎年楽しみにしている、といったファンも多くいるかもしれない。
今年は海外のアクトが4組と例年より多く参加、国内のバンドも常連から初出演まで多種多様なバンドの参戦が決定しているので、ごく簡単にではあるが、本稿にて紹介していきたいと思う。

まずはイベントの常連にして、今やシーンの中核を担う存在となった、BLESSTHEFALL。最新作『To Those Left Behind』(2015年リリースの5thアルバム)は全米チャート23位にランクイン、人気実力ともに文句なしの彼ら、新作リリース後初となる日本でのライヴは、おそらく新曲も多数披露してくれることだろう。続いては、去年から2年連続の参戦となるATTILA。いわゆるデスコアをベースとした激烈なサウンドにラップを絡ませ、西海岸ミクスチャー的感覚を導入した独自のスタイルで、今年も大いにオーディエンスを盛り上げてくれるに違いない。初来日となるのが、MYKA RELOCATEとGET SCARED。前者は最も注目されている若手バンドのひとつであり、現代的なセンスとひと際輝くメロディの良さはライヴでこそ、その真価が発揮できるものであろう。後者はポスト・ハードコアを基調としながらも、ダークな世界観を盛り込み、独特の存在感で知名度を上げているユタ州出身の5人組。両者ともに、ようやく日本で観ることができる、と期待しているファンも多くいることだろう。
国内のバンドでは、昨年メジャー・デビューも果たしたHER NAME IN BLOODがほぼ皆勤。そして彼らとの2マン・ライヴも記憶に新しい、NOCTURNAL BLOODLUSTの初参加が決定。エクストリーム・ミュージック界の異端児によるパフォーマンスに注目したい。
去年に引き続き参加となるa crowd of rebellionは、今年の6月22日(水)にリリース予定の1stアルバム『Xanthium』からの新曲が披露されることにも期待できそうだ。若手では名門ZESTONE RECORDSと契約したことでも話題のSurvive Said The Prophet、海外でのライヴ活動も積極的に行っているAnother Storyが本フェス初出演。そしてフェスを主催するTRIPLE VISIONのスタッフが数年前からオファーを検討していたという、冠徹弥 率いるTHE冠がまさかの出演決定!! 強烈なキャラクターと確かな実力でもって、異色のヘヴィ・メタル魂をオーディエンスに見せつけてくれるはずだ。

以上が今回出演する10組のアクトだが、先述したように、ひとくちにスクリーモ、メタルコアと言っても多種多様なラインナップが揃っており、その自由度は回を重ねるごとに高まっているように思う。そもそも、"スクリーモ"というジャンル自体、90年代のアンダーグラウンドなハードコア・シーンを土壌としつつも、00年代以降はメタルやポップ・パンク、メインストリームのR&BにEDMなどのクラブ・ミュージックに至るまで、あらゆるジャンルを飲み込んで拡大してきた経緯を鑑みるに、今回の参加ラインナップはむしろ必然と見るべきだろう。もちろん、そう堅苦しく考えずとも、今まで知らなかったバンドに出会えること自体が、フェスならではの醍醐味である。今年も出演バンドたちとオーディエンスが一体となって、最低限のルールとモラルをしっかりと守りつつ、大いに歌い叫んで盛り上げていこうではないか。 井上 光一