LIVE REPORT
NEMOPHILA
2021.10.17 @ストリーミング・ライヴ
Writer 杉江 由紀 Photo by Pix●Shigeyuki Ushizawa
かわいらしい見た目に反して、かなり貪欲な"success everywhere=どこでも成功"という花言葉を持つネモフィラ。さすがその名を冠しているバンドだけあって、ガールズ・ロック・バンドとしてこのところ急激に台頭してきているNEMOPHILAもまた、実に貪欲なスタンスでここからのサクセスロードを大爆走していくことになりそうだ。
"みなさん、こんにちは! そして、初めまして。NEMOPHILAです! 今日は観てくださってありがとうございます。久しぶりのライヴですが、今日はここでいきなりデカいことを言わせてもらおうと思いますね。12月15日、NEMOPHILAは1stアルバム『REVIVE』をリリースします! (中略)そして、もう1個爆弾級の告知もさせていただこうと思います。......最近はコロナの影響で今日のような配信ライヴだけだったんですけど、このメンバーで初めて2022年1月9日に! なんとLINE CUBE SHIBUYAで有観客ワンマンをやることになりました!"(mayu/Vo)
このたび行われた配信スタイルでの"NEMOPHILA 2nd Anniversary Live 離れていてもミライは1つ!"にて、7弦ギターを操る葉月(Gt)とMary's Bloodでも活躍する百戦錬磨のSAKI(Gt)による、リレーソロ&ツインハモりが、惜しげもなく1曲目から炸裂した「MONSTERS」や、メンバー全員がコーラスをとることで、バンドとしての一体感をより強く醸し出すこととなった「雷霆 -RAITEI-」の2曲が終わったところで、ヴォーカリスト mayuが突如として発表したのが前述の2大トピックスであったわけだが。やはり、ここまでの約1年半ずっとWEB上での活動を積極的に行ってきたNEMOPHILAは、虎視眈々と時を見計らっていたことになるのだろう。"このメンバーでの"初有観客ワンマン・ライヴを、いきなり大箱のホールで開催しようとはなかなか大胆不敵ではないか。
もっとも、NEMOPHILAの持つポテンシャル自体は相当に高いのも事実で、演奏力の面はもちろんのこと、ステージ・パフォーマンスや、各人の持つ際立ったキャラクター性も含めて、いわゆる"ホール映え"についてはまったく心配するところはない。そればかりか、公式YouTubeチャンネルの登録会員数がすでに10万を超えていることや、IRON MAIDENの「The Trooper」をカバーした動画が200万回再生を突破していることなどを考えても、彼女たちが現体制初有観客ワンマン・ライヴを"あの渋公(渋谷公会堂/現LINE CUBE SHIBUYA)"で行うことは、無茶な挑戦ではなく、きっちりとした勝算があっての勇敢なる賭けに出たと解釈するべきなのかもしれない。
なお、今回の配信ライヴでは、発売予定の1stアルバムのリード・チューンにして表題曲である「REVIVE」が演奏されたほか、「Breaking Out」では、1児の母とは思えないほど気っ風のいいドラミングを見せるむらたたむがmayuとのツイン・ヴォーカルを聴かせるひと幕があったほか、「Blooming」では、5弦ベースで攻めまくるハラグチサンもmayuとのツイン・ヴォーカルを披露。はたまた、エキゾチックにしてカオスな雰囲気が濃厚に漂う音像の中で、mayuが妖艶なダンスと圧倒的なヴォーカリゼイションを展開した「HYPNOSIS」では、単なるメタル系ギャルバンという括りの中にはとどまらない、NEMOPHILAというバンドの器の深さと大きさも存分に感じ取ることができた。
初のアルバムと初のホール・ライヴ。2021年末から2022年にかけてNEMOPHILAが派手に迎え撃っていくことになるここからの未来は、それこそあのネモフィラの花言葉の通りになっていくことだろう。彼女たちの明日に成功あれ!
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