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LIVE REPORT

FUZZY CONTROL

2013.10.06 @Zepp Tokyo

Writer 山口 智男

今年6月21日に活動10周年を迎え、9月4日、6作目のアルバム『ROCKS』をリリースした3人組、FUZZY CONTROL。その彼らが"10th Anniversary Party ~ROCKS~"と銘打ち、全国4ヶ所を回るツアーをスタートさせた。その初日となるZepp Tokyo公演。バンドの10周年を祝おうと集まった満員の観客が見守る中、ライヴは『ROCKS』のオープニングを飾る「ROCKS」で始まった。JUON(Vo/Gt)が大空に舞い上がるようなギター・ソロを気持ち良さそうに奏でる壮大なインスト・ナンバー。

前回、見たFUZZY CONTROLのライヴは代官山UNITだった。アルバム・リリース前に敢えて新曲の数々を観客にぶつけたその時のライヴも目の前のステージからバンドの気合がビンビンに伝わってきてよかったけれど、「ROCKS」のような曲はやはり大きなステージが似合う。3人の演奏が作り出す、ゆったりとしたグルーヴが心地いい。
そしてそこから一転、"C'mon! Are you ready to rock?!"というJUONの掛け声を合図に『ROCKS』からパンキッシュなんて言ってもいいアップ・テンポのロック・ナンバー「The way you decide」と「"wise"」をたたみかけ、演奏は急加速。そんな3人に必死についていこうと1階フロアの前半分ではファンが大暴れを始めた。
JUONがリフをかき鳴らせば、JOE(Ba)がチョッパーをキメ、SATOKO(Dr)がダイナミックなフィルを差し込む。そして1つに重なる3人のハーモニー。

"楽しんでいるかい?" 
客席に声をかけながら"あちーな。シャツなんてありえない"とジャケットを脱いだJUONはすでに汗だくだ。
"感謝の気持ちを込めて、みんなでロックしてとばしていくんでついてこいよ! 行けるか?!"

パンキッシュとも言える前のめりの勢いでたたみかけた序盤。『ROCKS』からの新曲のみならず、新旧の楽曲も交え、ロック・ファン以外のリスナーにもアピールできるポップな魅力を印象づけた中盤。そして、60年代あるいは70年代にまで遡ることができるロックのトラディションを感じさせつつ、再びロッキンにぶっとばした終盤――。
歌心と熱度満点のバンド・アンサンブル、そして熱意。その三拍子が揃った熱演を繰り広げたこの日、JUONは多くの人に支えられてきたからこそ10周年を迎えることができた感謝の気持ちと、ロックするために集まった3人ということを改めて意識したという『ROCKS』からの曲をファンの前で演奏できるヨロコビを度々、言葉にした。
中でも"『ROCKS』は9月4日にリリースされたけど、この日までは未完成。みんなの声を重ねたとき、はじめて完成したと言える"という意味の言葉が印象的だった。

今回のツアーは11月24日まで続くので、セットリストの詳細を記述することは遠慮させていただくが、これまでの10年を振り返ると言うよりは、過去のレパートリーも交えながら、『ROCKS』で打ち出した現在進行形のFUZZY CONTROLの姿を、改めてライヴという形でアピールするものだったように思う。
"今日が始まりです!"ともJUONは言った。

アンコールで、メンバー3人が軽口を叩きあうまで、やや空気が張りつめていたようなところはあったものの、この日のステージには最高にロックな『ROCKS』というアルバムと、それを作り上げたことに対する並々ならぬ自信があふれていた。

アンコールを含め全20曲を披露した2時間があっという間に感じられた。ツアーを終え、戻ってきたとき、ツアーを通してさらに磨き上げた『ROCKS』の曲の数々を、ぜひまた聴かせてほしいと思う。

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