LIVE REPORT
RED HOT CHILI PEPPERS|SUMMER SONIC 2011
2011.08.14 @QVCマリンフィールド&幕張メッセ
Writer KAORU
X JAPANのライヴが終了し、いよいよ大トリ、レッチリの登場だ。09年にJohn Fruscianteが脱退し、07年の"Stadiam Arcadium TOUR"の合間からサポート・ミュージシャンとして参加していたJosh Klinghofferが正式なギタリストとなって、初めての来日公演である。情報を見る限りでは、Joshを含めたメンバー全員、とてもポジティブに新作に取り組んだ模様だし、83年の結成から28年を経て"新生"したレッチリの姿を、特と堪能しようではないか。
見渡すところ、マリン・スタジアムは3Fスタンド席の通路までもが満杯のようだ。大喝采の中メンバーが登場し、「By The Way」からスタートする。SUMMER SONICの中では一番と言っていいほどバランスの取れたいい音響で、Fleaのうねりまくるベースや、中盤のギターのワウの音もとても映えて聴こえてくる。2曲目の「Charlie」から、『By The Way』のキラー・チューン「Can't Stop」へ。沸きまくりの会場に応えるように、メンバー全員が満面の笑顔で返してくれる。そして、ミドルテンポのナンバー「Scar Tissue」でゆったりとした夏らしい雰囲気に包まれる。そして、新曲の「Factory Of Faith」だ。Joshとしては正式なメンバーとなって初の新曲お披露目ということで多少の緊張もあっただろうが、これまでの選曲の流れの中に綺麗に溶け込んでいて違和感がなく、新生レッチリにも十分に期待が持てるのだということを確信した。「Dani California」では、途中Fleaがベースを放り出して、子供のような笑顔でステージ上をぴょんぴょんと飛び跳ねる。「I Like Dirt」では、音源よりも益々と熟練されたファンクネスで魅了し、継続こそ力なりということを見せ付けてくれた。これこそが大御所の風格というものなのだ。新作からのリード・シングル「The Adventures Of Rain Dance Maggie」が披露された後、Fleaのベース・ソロが挟まれる。これはスラップしながらもアコースティック・ギターのように弾くという壮絶なもので、そこから「Throw Away Your Television」への流れにはゾクゾクとさせられた。VJの演出もなかなかに凝っていて面白い。そして更に、新作からの「Ethiopia」。これまでの演奏の中で、新作『I'm With You』から3曲が披露されたわけだが、より深味のある感情表現を手に入れたAnthonyの哀愁漂うヴォーカルと、ミドル・テンポが基調で、より熟練されたグルーヴ感を醸し出していることが一貫されている。
しっとりとした曲と、ファンキーでノリのいい曲を織り交ぜている今日のセットリストの中、「Right On Time」もファンにとっては嬉しい選曲だっただろう。そして、レッチリの「Californication」では会場全体が大合唱し、「Higher Ground」ではモッシュの嵐。そして、友を失った悲しみがテーマとなった「Under The Bridge」で、感動と涙を誘う哀愁に包まれながら本編が終了。ほどなくしてメンバーが再登場し、まさかの「Sir Psycho Sexy」「They're Red Hot」から、「Give It Away」という大団円のアンコールで締めくくられ、新生レッチリを祝し、SUMMER SONICの成功を祝し、大きな花火が何発も打ち上げられたのだった。
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