DISC REVIEW
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酸いも甘いも知っているメンバー4人が一堂に会して音を鳴らす。そこには派手とは言わないけれど、あの"レッチリ"が確実に呼吸している。「By The Way」みたいなアップテンポの曲調を求めるなら、過去作を聴けばいい。John Frusciante(Gt)が復帰し、6年ぶりに出るアルバムは彼らの歩幅で前へ進んでいるのだ。頭で捻ったフレーズではなく、水が高いところから低いところに流れるように、自然体のアンサンブルを響かせている。それが何よりも心地よく、作品トータルにおいても淀みない流れを生み、無限ループで作品世界に浸れる1枚だ。日本盤ボーナス・トラック「Nerve Flip」はオルタナティヴなエッジを効かせた曲調で、これも面白い。 荒金 良介