LIVE REPORT
LOUD PARK 09|SLAYER
2009.10.18 @幕張メッセ -BIG ROCK STAGE-
Writer ムラオカ
Dave Lombardoのドラムセットを真ん中に挟んでマーシャルのアンプの山が聳え立っているのを見ると、それだけでSLAYERのライヴが始まるのだという実感が自然と沸いてくる。
Tom Araya(Vo&Ba)の喉頭炎のためオーストラリア・ツアーをキャンセルしたとか、無事にライヴを行えたとか、ここ日本ではいろいろなうわさが飛び交っており、そのためインターネットを中心にLOUD PARK09をキャンセルするんじゃないかと心配の声が飛び交っていたが、こうやって無事彼らのライヴを見ることが出来てSLAYERのファンは皆心底ほっとしているのではないだろうか。
ライヴの1曲目はいきなりまだリリースされていない最新作『World Painted Blood』から同タイトルである「World Painted Blood」をプレイ。"ライヴの一曲目にほとんどのファンが聴いたことのない新曲をやったのは俺たちにとってある意味賭けだった"とインタビューにて Kerry King(Gt)語っているが、そのメンバーの賭けは100%成功し、会場には早くもいくつものモッシュピットが出来上がっており、後方に控える往年のファンも体でしっかりと反応していた。そしてそのまま『Seasons In The Abyss』1曲目に収録されている名曲「War Ensemble」で会場は火に油を注がれたかのようにさらに激しいリアクションでステージ上のメンバーに応えている。それを見てTom Arayaは本当に嬉しそうにニコニコと笑顔を浮かべている。
会場のサウンド・バランスも良好で、そしてなにより演奏が素晴らしい。心配していたTom Arayaの喉頭炎の影響は全く感じられなく、絶好調のヴォーカルを聴かせてくれる。
そして『Christ Illusion』収録の一風変わった雰囲気を持つ「Jihad」を挟み、再びニュー・アルバム『World Painted Blood』から「Psychopathy Red」を演奏。『Reign In Blood』に入っていてもおかしくないスピード重視のハイ・クオリティな楽曲に30年近い活動をしている中、失速することなくまだまだレベルアップを続けるSLAYERに畏敬の念を感じざるを得ない。
その後、『South Of Heaven』、『Seasons In The Abyss』からの楽曲をそれぞれ2曲ずつと「Chemical Warfare」を挟み、本日3曲目の新曲となる「Hate Worldwide」を演奏。素晴らしい曲ばかりの『World Painted Blood』の中でもこの曲は一段飛びぬけた完成度なのではないだろうか。恐らくこれからもずっと彼らのセットリストに入り続けていくような気がする。3 分以内のコンパクトな曲だが一音たりとも全く無駄なものがなく、特にギターリフのかっこよさったら言葉に言い表せない程で、個人的にも無数のSLAYER ソングの中でもTOP5に入るほどに気に入っている。
そしてその後は「Hell Awaits」や「Angel Of Death」、「South Of Heaven」、「Raining Blood」とメタル好きならば知らないものはいない世界最強スラッシュ・メタル・アルバム『Reign In Blood』からの曲を中心に、これでもかとばかりの超名曲を立て続けに演奏。まさにLOUDPARK09のトリに相応しいライヴをやってくれた。
- 1