MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

ザアザア

2026.03.02UPDATE

2026年03月号掲載

ザアザア

Member:一葵(Vo) 春芽(Gt) 零夜(Ba) 亞ん(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

毒を食らわば皿まで。2014年に始動したときから"ザアザアの世界には中毒性がございます。用法・用量を守り、正しくお付き合いください"というコピーを一貫して掲げてきたザアザアが、ついに激ロックへと初見参。まさに幾多の"中毒者"を生み出してきている彼等が、最新デジタル・シングル「下下の行進」で提示するのは、悩み惑う人々へのエールでありアジテーションだ。ライヴ・バンドとしての定評も高い彼等の実力は、ワンマン・ツアー"下の下の下"でも発揮されること請け合い!

-このたび激ロック初登場にして表紙を飾ることになられたザアザアは、2014年12月の始動当時から"ザアザアの世界には中毒性がございます。用法・用量を守り、正しくお付き合いください"というコピーを一貫して掲げてきていらっしゃいます。実際に作品やライヴにおいて発していらっしゃる中毒性はキャリアを重ねるごとにますます強まってきているように感じますが、そのスタンスを崩さずに活動を続けてこられた原動力とはどのようなところにあるのでしょう。自己解析していただくことはできますか?

一葵:ザアザアの発している中毒性っていうのは、恐らく耳に残る言葉や音楽的なフレーズから生じているものなんじゃないかと思います。そして、そういうものはバンドとしてのコンセプトに従って意識しながら生み出しているというよりも、純粋に自分たちの嗜好が反映されている部分なので、きっとブレたり変わったりすることがないんでしょうね。

-とはいえ、人間は慣れ等によって麻痺していくこともある生き物ですのでね。例えば、薬の場合は同じ容量を投与しているうちに効かなくなってくるケースが出てきます。その点、ザアザアはここまで10年以上にわたりバンド内での切磋琢磨を続けてきたことで、自らの放つ中毒性に対して麻痺することなく進んできたのだと思います。

一葵:たしかに、うちのメンバーは4人ともお互いの案に対して率直に意見を出し合うことが結構ありますね。時には僕が提案したことに対して"それは違うんじゃない?"みたいな言葉が誰かから出てくることもあるし、バンド内での擦り合わせをしていくことでズレやブレを正していけるところはかなりあるのかなと思います。だから、もし誰かが麻痺してきた部分が出てきたとしても、調整することができるんですよ。

-なるほど。では、ここからは各メンバーに"あなたがザアザアに対して特に貢献している、と自覚しているのはどんなところですか?"という質問もぶつけてみたいと思います。まずはドラマーの亞んさんからお願いできますか。

亞ん:貢献ですか。自分で言うのはアレですけども、うちは本当にみんなすごくいい発想や感性を持っているので、それをちゃんと活かせるように受け止めて、後押しできるような動きを意識してるところですかね。これはライヴのときにも言えることで、できるだけみんなが伸び伸びとやれるようにドラムで支えていく姿勢を大事にしてます。

-加えて、亞んさんはザアザアの外交官的な役割も果たしていらっしゃるような。

一葵:だと思います。他3人がかなり内向的なので(苦笑)。

亞ん:まぁ、メンバーの中では僕が一番外向的かもしれないですね(笑)。

-では、そんな亞んさんの相方でもあるベーシスト 零夜さんが"ザアザアに対して特に貢献できている"のはどのようなところでしょうか。

零夜:もともと僕は根っからのヴィジュアル系好きなので、そういうニュアンスをザアザアに取り込んでいったり、ザアザアなりに上手く消化できるようなアプローチを考えてるところかなと思います。

-ギタリスト 春芽さんの場合、特に"ザアザアに対して貢献できている"と自覚していらっしゃるのはどんなところですか?

春芽:音楽面で言うと、僕はヴィジュアル系だけじゃなくて好きな音楽の幅が結構広いほうだと思うんですよね。だから、インプットが多いぶんザアザアの曲にもいろいろ貢献することができてるんじゃないかなとは思います。

-作曲面しかり、アレンジ面しかり、プレイの面も含めて、春芽さんが音楽的なキーマンになっているところが多々あるのでしょうね。一方、ザアザアのフロントマンでもあるヴォーカリスト 一葵さんが、ご自身で"ザアザアに貢献できている"と実感されているのはどのようなところでしょうか。

一葵:さっきは内向的っていう言い方をしたんですけど、僕は根本的に性格が暗いんですよ。でも、ザアザアではその暗さを良さに変えることができているというか。自分の中にある暗い部分を曲や歌詞にしていくことで、ザアザアとしての個性や、それこそ中毒性を生み出せているような気がするんですよ。そして、僕と同じように暗い考えを持っている人たちのことを、"こんなことを考えてるのは自分だけじゃないんだ"ってザアザアの音楽で元気付けられているんじゃないかなとも思っているので、この暗い性格を活かせてるのが貢献できているところだと感じてます。

-となりますと、一葵さんは内面にある暗部を音楽という形で発露させることにより、ご自身のメンタルが保たれているようなところもあるのでしょうか。

一葵:絶対ありますね。ザアザアでの活動をしていくことで、発散できてるものが多々あります。

-鬱屈した気持ちを吐き出そうとするがゆえに、ザアザアの音楽は時に激しく、時に叙情的でもあるのでしょうね。せっかくですので、ここからは激ロック読者に向けてザアザアの存在感をアピールするべく、各人から音楽的な推しポイントについても教えていただけると嬉しいです。

亞ん:ザアザアはヴィジュアル系ではあるんですけど、楽曲の幅はかなり広いですし詞にはメッセージ性もあるので、すごく聴き応えがあるバンドだと思いますね。それと、ザアザアはライヴ・バンドとしての強さも持ってるので、まずはライヴを観てほしいっていう気持ちもすごくあります。この4人がいかに個性的で素晴らしい集まりなのか、ということは観てもらえればすぐ分かるはずなんで。ぜひ生のザアザアに触れてみてほしいです。

零夜:ザアザアは激しい曲も多いんですけど、それだけではないんですよ。激しい中にも切なさがあったり、哀愁を感じさせるようなメロディが乗ってる曲もあるし、バラードもあったりするんです。しかも、さっき一葵が言ってたように独特の暗さとか陰鬱な感じがそれぞれの曲に重なることで、ザアザアらしさというか、他のバンドとは明らかに違う雰囲気が生まれてると思います。

春芽:どうしてもヴィジュアル系っていうと、きれいとかクールでカッコいいみたいなイメージを思い浮かべがちだちだとは思うんですが、ザアザアは意外と泥臭いところのあるバンドなので、そこが結構面白いと思いますね。特にライヴを観てもらうのがそのへんは一番分かりやすいはずで、実はそういった泥臭さみたいなものは他ジャンルのバンドとも通ずるところがあるのかなと僕は考えてます。

-他ジャンルといえば、昨夏には四星球の主催イベント"四星球企画 毛が生えた日FESTIVAL"に唯一のヴィジュアル系バンドとして参加されていましたよね。

春芽:僕は昔コンサート・スタッフのバイトをしていたことがあって、四星球とはその時代に知り合ったんですよ。いつか対バンさせてもらいたいなと思っていた夢が、去年ようやく叶って嬉しかったです。ここまでの12年で僕等はだんだんとそういう場でも戦えるバンドになってきてるんじゃないかと思いますし、ザアザアはとにかく人間力が高いバンドですからね。特にライヴではめちゃくちゃ泥臭く人間臭く勝負してるので、ほんとにまずは1回ライヴを観てもらいたいです。

-ザアザアは非現実の世界を美しく描き出すのではなく、現実を残酷な程に生々しく抉り出す表現方法が得意なバンドであると言えそうです。

春芽:ザアザアがやってる音楽っていうのはフィクションではなく、限りなくノンフィクションに近いでしょうね。特に歌詞はすごくリアリティが強いです。

一葵:自分でも、自分の書いてる詞はメッセージ性がだいぶ強いと思ってます。音楽を聴くときってだいたいはまず曲の印象が先に来ることが多いのかもしれないですけど、ザアザアは同じぐらい聴き手の中に言葉が入り込んでいくものが多いと思うので、詞を書いている側としてはそこの強さも感じてもらいたいですね。

-そんなザアザアの持ち味の詰まった新曲「下下の行進」が3月に配信シングルとして発表されるそうですので、ここからはその内容についても迫ってまいりましょう。前作「暗い世界」(12月3日開催"ザアザア11周年ワンマンツアー【目】"ファイナル公演の入場特典配布音源)は非常にドラマチック且つ重いバラードでしたが、そこからの次作は実にライヴ映えしそうな仕上がりとなっているように聴こえます。このタイミングでのザアザアは、どのような経緯でこうした方向性を提示することになったのでしょうか。

一葵:激しい曲とかライヴで盛り上がる曲自体は今までもいろいろ作ってきてるんですけど、雰囲気的にこういう曲って今までのザアザアにはなかったんですよ。ちょっと頭の悪い雑な言い方をすると"みんなで一緒に進んでくぞ!"みたいなことをテーマにした曲は、作ったことがなかったなってふと気付いたんです。やったことがない、目新しいものを作れそうだなと思って。

-12年続けてきて初の試みとはなかなか興味深いですね。ネガティヴな世界を描きつつも、そこに救いや癒やしがあるというパターンの曲はこれまでにもありましたが、今回の"みんなで一緒に進んでくぞ!"という姿勢は相当にポジティヴだと感じます。

一葵:もちろん、ライヴとかで"一緒に盛り上がりたい"みたいな気持ちは常にあるんですよ。普段だと自然とノリノリな曲ができて、そこに後からテーマや詞を乗せていくっていうパターンだったんですけど、今回は先にテーマがあって、それに合わせた曲をみんなで作っていったっていう流れでしたね。

-みんなで作っていった、といいますと?

一葵:僕たち、いつもスタジオに4人で集まってジャム・セッションみたいな感じで曲を作ってるんです。

-思い返しますと、ちょうど10年前にシングル『したいだけでしょ?』(2016年リリース)について某媒体でお話を伺ったときにも、一葵さんは"スタジオで皆で作っていきました"と発言されていましたね。今に至ってもそれを続けていらっしゃるとは、そこも一貫していますね。

一葵:ずっとそれをしてます。

-昨今はデータのやりとりで作曲をしていくバンドも多いことを踏まえますと、もはやザアザアのスタイルはたいへん珍しく貴重であるように思います。

春芽:そうなんですかね? ちょっと僕はよく分かんないですけど(笑)。

-この12年の間に、"毎回スタジオに集まるのも大変だし、そろそろデータのやりとりで作ろうよ"と切り出すメンバーはいらっしゃらなかったのですか。

一葵:いなかった気がします。新しい方法論に挑戦してみるっていう意味で、いつだったか"そういう作り方も試してみたいね"っていう話が出たことはあるんですよ。でも、作り方を切り替えていこうっていう話はしたことないです。たぶん、それは誰も思ったことないんじゃないですかね。

-ずばり、スタジオ・セッションで曲を作っていくことの利点とはなんでしょうか。

亞ん:やっぱり、ゼロからみんなで作ると方向性が決まりやすいと思います。例えば、誰かが家でアレンジも含めてデータをほぼ完成させてきた曲をバンドでやるとなると、それをメンバー個々が理解していくまでの時間が必要になってくるじゃないですか。その点、スタジオにみんなが揃ってると"こんな感じでやっていこうぜ"っていう意思統一をしてから進めていけるし、みんなで作ってるから個性もそれぞれ出しやすいんです。今回の「下下の行進」に限らずなんですが、ドラムも好きにやらせてもらってますね。ザアザアの"らしさ"は、そういう過程から生まれてるものだとも言える気がします。

零夜:メンバー全員がその場で納得できるまで、練ったり、壊したり、好きなだけ曲をつついていけるところがいいんですよ。直接みんなと顔を合わせながら作っていくと、いろんなアイディアが出てきますしね。結局、誰かがデータとかで作ってきた曲も最終的に全員で演奏していくのであれば、最初から全員で作っちゃっても同じというか、むしろそのほうが早いくらいなんじゃないかと思います。

春芽:僕も同じ意見です。その場でみんなの意見が集まるんで、セッションでやったほうが納得いくものをスピーディに作れるんですよ。そこが大きな利点ですね。

一葵:利点は他にもいろいろあると思います。うちのメンバーはみんな優しくて、相手に対しての気遣いを何かとしてくれるので、例えば誰かが原曲を持ってきてそれをバンドでまとめていくとか、一旦アレンジまで完成したデータをみんなで解釈していくってなると、もし"この曲はちょっと微妙だな"とか"これはザアザアでは出したくないな"みたいになったとしても、お互い気を使ってそのことを言えなかったりする可能性が出てくると思うんですね。あんまり納得してなくても"じゃあ、せっかく作ってきてくれたんだし。とりあえずこれでやってこうか"ってなってしまいやすい性格の4人が集まってるので(苦笑)、そういう意味でもゼロから一緒に作っていくことが向いてるんです。同じスタートラインから始めてれば、みんなが同じだけの時間を曲に対して費やしてるので"これはやめておこう"とか"これはもっとこうしたい"って言いやすいんですよ。

-バンドの持っている潜在能力を最大限に引き出すことができるわけですね。

一葵:ザアザアはどの曲に関しても自分のフレーズは自分で作るっていうスタンスなので、それぞれ得意なことを自由に入れられるっていうのもセッションで作ってく上でのいいところだと思います。歌にしても、歌いやすい音程の上がり方や下がり方、声の最も美味しいところが出やすい流れを誰よりも一番分かってるのは自分だと思ってるから、それを入れやすいんですよ。それに、何かを誰かに任せちゃうと仮に物事が進まなかった場合、それを誰かのせいにしちゃう感じになるのもいやなんですよね。だから、みんなで作ったほうがいろんな面でデメリットは少ないんじゃないかと思ってます。