INTERVIEW
UNBS
2025.09.04UPDATE
2025年09月号掲載
Member:春乃 友夢 今井 莉南 羽石 楓 上瀬 りら 碧葉 さり 甘咲 りみ
Interviewer:山口 哲生
UNBS(読み:アンビス)が1stミニ・アルバム『UB RISE』をリリースした。グループ名を"アンダービースティー"から改名以降、初のパッケージ作品となる本作は、11年という長きにわたる歴史の中でも初となるミニ・アルバム。UNBSとして歩み始めてから生まれた3曲と、アンダービースティー時代から歌い続けてきた2曲を1枚にまとめた作品になっている。自らの楽曲を"UB ROCK"と称し、独自のスタンスを貫いている彼女たちの信念について、じっくりと訊いた。
"這い上がる"姿勢を見せるための1stミニ・アルバム
-1stミニ・アルバム『UB RISE』をリリースされます。UNBSは現在結成11年なわけですけども、ミニ・アルバムは意外なことにこれが初ということで。
春乃:そうですね。私たちはプロデューサーが作曲して、今は(事務所 株式会社ヒラエスムーンの)社長をしている元リーダー(植竹優亜)が作詞をして、身内で楽曲制作をやっているグループなのもあって、楽曲数はすごく多いんです。そのなかで、10年を節目に改名するとか、今までみたいにシングルではなくミニ・アルバムをリリースするとか、初めてのことに挑戦するのはすごく意味があることだなと思っていて。 UNBSになって、最初はファンの方を心配させてしまったところもあったんですけど、変わっていないものもちゃんとあるし、これは未来に向けての変化だよということを、このミニ・アルバムで証明したい気持ちがすごくあったんですよね。10周年を越えた後に新しいことを始めることと、イチからスタートするのとでまた違う壁があると思うんですけど、あえて茨の道を進むわけじゃないですけど(笑)、そこに踏み込むんだよっていう。グループにとって、"這い上がる"というワードがとても大きなものとしてあるので、その姿勢を見せるための1stミニ・アルバムでもありますね。
-長く活動を続けていくと新しく経験することは減ってくると思うんですが、また新鮮な気持ちになれるのもいいですね。
春乃:そうですね。グループ自体の歴史が長いのもあって、メンバーの歴の差もすごくあるんですよ。だから、いろんなことを経験したことのあるメンバーもいれば、初めてのメンバーもいたりするんですけど、過去と未来を繋げるということは、これまでもすごく大事にしてきているんですよね。初期メンバーも今のメンバーと面識もありますし。そうやって歴の差があるなかでみんなが1つになるというのは、普段からお客さんに楽しんでもらえている1つの強みなんじゃないかなと思っています。
-歴に差があるというお話がありましたが、甘咲さんは加入されて約半年という。
甘咲:はい。私にとってはこれまで初めてのことばっかりで、すごくドキドキの日々だったんですけど、あっという間のような......でも毎日すごく中身が詰まっていて......不思議です(笑)。でも、だんだん実感が湧いてきたなっていう感じがします。このミニ・アルバムで先輩たちの大事な歴史を受け継いで、私も一緒に参加できるのがすごく嬉しいです。
-春乃さんから見て、甘咲さんは少しずつ慣れて来ている感じがします?
春乃:もともと地方に住んでいて、レッスンのときはわざわざ東京に来てもらっていたんですが、最初の頃は本当に我が子を見るような(笑)、大丈夫かな......みたいな感じだったんですけど、一緒に過ごしていて分かったのが、芯がある子なんですよ。誰かに流されたり、ぶれたりする子ではないなっていうのは見ていてすごく思いました。 あと、もともと踊れる子ではあったんですけど、アイドルは初心者で、マイクを持って踊るのは初めてぐらいだったのに、入ってすぐに大きなワンマン("結成11周年記念ワンマンライブ『アンダービースティー 』")とかリリースとか、(テレビの)収録をさせていただくとか、自分だったら絶対に緊張で折れてるだろうな......ってところでも、あまりそういう雰囲気を出さなくて。淡々とこなしている感じはあったので、最初から慣れていたのかなと思うぐらい馴染んではいたんですよね。 時折"ヤバーい!"ってテンパっていると、心配というよりはちょっとかわいいなって思うこともあるんですけど(笑)、たしかに最近はちゃんと地に足をつけて歩いている感じがします。
-では、今井さん。初のミニ・アルバム制作はいかがでしたでしょうか。
今井:今回のリリースは、りみちゃんにとっても、(パッケージ作品は)2人(上瀬&碧葉)にとっても初めてだし、この6人でというのも初めてだし、私からするとミニ・アルバムは初めてという、初めてがたくさんあるんですよね。新曲3曲(「Rise Lies」、「Phoenix」、「Anjewel」)と、アンダービースティー時代から卒業された先輩たちと大事に歌ってきた2曲(「Timeless」、「the underground」)が入っているんですけど、それを1枚で聴けるというのが、私の中ですごくグっと来るところになっていて。アンダービースティー時代から応援してくれている方たちにも、ちゃんと届けられるものになっているし、絶対に届けたい作品になったなと思います。
-上瀬さんもパッケージ作品は初めてというお話がありましたが、取り組んでみていかがでしたか?
上瀬:私はアンダービースティー研修生からUNBSに加入させていただいたんですけど、研修生時代も先輩たちのパフォーマンスを見る機会があって、かっこいいな、憧れだなってずっと思っていて。そこから加入して、11周年のワンマン・ライヴが"アンダービースティー"というタイトルで、これまでの歴史をしっかり受け継いで、新メンバー組も頑張ってるんだよ! ってのを見せたいなと思いながら活動しているんですけど。今回は1stミニ・アルバムということで、先輩たちと一緒に"1st"というものを経験できることって、やっぱり11年も歴史があるとあまりないことなんですよね。だから、まだ残ってる初めてがあった! ってことと、みんなと新しく歴史を作れた1個目というのが、私はすごく嬉しかったです。
-ちなみに、これからやってみたい"1st"ってあります?
上瀬:今回はミニ・アルバムなので、やっぱりアルバムは出してみたいですし......他に何が残ってますか?
今井:なんだろう......。
春乃:写真集とか?(笑)
一同:ははははははは(笑)!
-碧葉さんは上瀬さんと同じタイミングで加入されてますよね。
碧葉:はい。私も研修生からデビューさせていただいたんですけど、もともとアンダービースティーを知っていて、憧れて入ってきて。今回のリリースを通して、リリース・イベントだったり、"バズリズム02"さんとのタイアップ(「Rise Lies」が8月エンディング・テーマに採用)だったり、ミュージック・ビデオの撮影だったり、またアイドルができるなら絶対に叶えたいと思っていた夢を、自分の憧れていたこの場所で叶えられたことがすごく嬉しかったです。このミニ・アルバムは自分にとって本当に大切な宝物のようなものになっているので、皆さんに届けたいなと思っています。
-羽石さんはミニ・アルバムを完成させた率直な感想というと?
羽石:「Timeless」と「the underground」は、アンダービースティー時代からの楽曲で、今は社長のリーダーが卒業されたタイミングとか、体制が変わったときのイメージが強くあって。そのときに大変だったこととか、楽しかったこととか、いろいろな思い入れがある2曲なんですけど。それと現体制の3曲が詰まったものになっているので、たぶん私にとっては何年先、何十年先もこのミニ・アルバムを見たら、そのときの思い出が鮮明に蘇ってくるような大切な作品になるんだろうなと思います。
-その思い出もここから増えていくでしょうし、感慨深さも増していきそうな感じがしますね。
羽石:そうですね。一曲一曲聴いても思い出が蘇るんですけど、ミニ・アルバムという流れで聴くと、また思い出の蘇り方が変わってくるなと思います。
-先程お話に出ましたが、上瀬さんと碧葉さんは研修生として最初はスタートしたわけですけども、お2人は当時アンダービースティーのどんなところに強く惹かれましたか?
碧葉:私が初めて観たのは対バン・ライヴのときだったんですけど、「ROCK ALIVE」(2019年リリースの5thシングル『ROCK ALIVE/ARCADIA CAT』収録)という楽曲で、友夢さんが移動しながらラップして、他のメンバーは歌うところがあって。こんな表現をするアイドルを観たことなかったので、本当に衝撃を受けて、その後すぐに当時Twitter(現X)を検索して、YouTubeも観て、ブログも読んでという感じで追っていたんです。 その独自の音楽性もそうなんですけど、私が一番素敵だなと思ったのは、言いたいことは全て曲にっていうUNBSのスタイルがすごく好きで。思っていることをSNSに書くグループではあまりないんですけど、楽曲に自分たちの思いを込めたり、それこそ"這い上がる"という言葉をすごく大切にしていたり、自分たちで作る楽曲にこだわっているところが、私がUNBSに惹かれたきっかけでした。
-"言いたいことはSNSではなく楽曲に"というスタンスは、活動初期の頃からそうだったんですか?
春乃:特にルールを掲げていたわけでもなかったですね。私たちとしては、自分たちの活動に対してこだわりとか思いとかがあるんですけど、ファンの方はマイナスな気持ちになりたくてライヴに来る方はいらっしゃらないし、やっぱり私たちのするべきことって、みんなへのパワーだったり幸せだったり、そういったもののために活動するって気持ちが強くて。なので、ここは自分たちの弱さを見せる場所じゃないよね? みたいな。そういう日頃の活動から繋がっていったのかなと思いますね。"こういう部分を見せないでね?"とも言ってないですし、話し合って決めたわけでもないので、歴史の中で"これが私たちだよね"ってお互い理解し合っていったことを、みんなが感じ取って、受け取ってくれているみたいな感覚ですね。