INTERVIEW
UNBS
2025.09.04UPDATE
2025年09月号掲載
Member:春乃 友夢 今井 莉南 羽石 楓 上瀬 りら 碧葉 さり 甘咲 りみ
Interviewer:山口 哲生
-自然と培われてきたものだったんですね。
春乃:そうですね。あと、6枚目のシングルだった「Real Blade」(2020年リリース)という楽曲があるんですけど、当時のメンバーで作詞をさせていただいて。日頃言えないことや、悔しいことがあっても、そういう発信をしないから勘違いされることもいっぱいあったんですけど、そういうときにも一個一個に対して反撃するよりは、私たちのやりたいものを見せるのが一番理解してもらえる近道だと思っていたんです。なので、そういった部分を楽曲で表現することをやってから、よりそれが強まった感覚もすごくあって。自分たち自身へのネガティヴさとか、活動に対しての悔しさとかを、楽曲というきれいな花にして見せることによって、ファンの人も信じて付いてきてくれるというか。そういう信頼関係がそこで生まれたと思っていて。 だから、これが正しかったんだなと確かめ合ってきましたし、今回の『UB RISE』もそういった部分が表現されているミニ・アルバムなんですよね。さっき独自の音楽性って言ってくれてましたけど、そこは"こういうブランディングでやっていきましょう"とか話していたわけでもなくて、ここが好きで集まってくれたメンバーだから理解し合えた部分なのかなって。今の時代には結構逆らっているやり方だと思っているんですけど、それが私たちの美学というか。ファンの方もそれを理解して付いてきてくださってる方が多いと思うので、今はそれが自分たちの良さなんだなって考えてます。
-時代に逆らっているという話がありましたが、たしかにそんな面もあるのかもしれないけど、SNSってどうしても誤解が生まれてしまうから難しい部分もありますしね。
春乃:発信をしていないから、もしかしたら芯がないと思われてしまうかもしれないんですけど、そんな人たちは"音楽で黙らせようね?"というか、"自分たちのパフォーマンスでちゃんと魅せようね?"って。その答えのようなミニ・アルバムでもあり、それをちゃんと繋いで受け取ってくれている後輩がいることも、ずっとやってきた身としては伝えたいです。ただ続けてきたわけじゃないんだよ? っていうことは、このアルバムでちゃんと伝えられるんじゃないかなと思っています。
-いいですね。柔らかい声で"じゃあ音楽で黙らせようね?"っていう。
一同:はははははは(笑)。
春乃:ちょっと怖かったですかね(苦笑)。殺し屋みたいな。
-いや、かっこ良かったですよ。上瀬さんはアンダービースティー、UNBSのどんなところに惹かれましたか?
上瀬:UNBSは"ヴィジュアル系ロックグループ"と言っていて。ロック・アイドルの方はいろいろいらっしゃると思うんですけど、UNBSのロックってすごく美しさみたいなところがあるなと私は感じていて。私はもともとロックをよく聴くタイプではなかったので、例えばフロアがすごく動いたり煽りがあったり、ライヴハウスって女の子1人で行くのはちょっと危ないのかなみたいな、勝手なイメージがあったんですけど、UNBSのロックはすごく美しいロックなんです。強い曲調だったり、鋭さだったりがあるんだけど、その中にも上品さみたいなものがあるところが私はすごく好きで、こういうロックもあるんだなって、初めて観たときにそこに一番惹かれました。
-そういったロックを歌ったりパフォーマンスしたりしてみて、どんな感覚があります?
上瀬:昔から先輩たちのライヴを観させてもらっていて、みんな指先まできれいだし、すごく動くのに歌が安定しているところもかっこ良かったんです。でも、逆にお客さんとして観ていたからこそ、自分があそこに入ったときにどう見えるのか、自分が(評価を)下げてしまわないかっていう不安が、加入したときにはすごくあって。そこからライヴ映像を見返して、自分の動きや全体を観て少しずつ先輩たちに馴染みながら、その中でも自分の色をしっかり出せるようなパフォーマンスをできるように、ちょっとずつ進んでいってという感じでした。
-なるほど。UNBSのライヴはMCを挟まずノンストップで楽曲を披露する形になっていますけど、この人たちをずっと歌って踊ってる......! みたいな感じもありました?
上瀬:そうですね。最初に観たときは"ホントに!?"みたいな(笑)。しかも去り際に"ありがとうございました!"と言うだけのライヴもあって、本当にステージで踊っているパフォーマーとしての姿しか見せずに帰るところも、すごくかっこいいなって。でも、研修生のときに先輩たちの楽屋にご挨拶に行ったら、皆さんすごく優しくて柔らかくて、本当に素敵なお姉さんって感じだったので、パフォーマンスのときとこんなに変わるんだ!? みたいなギャップも、またすごく好きです。だからノンストップでやっているからこその部分というか、ステージでその感じが見えないところもいいなと思ってました。
-ライヴでMCを挟まないスタイルはどういうところから始まったんです?
春乃:私が加入する前はMCをしている映像もあって、やってたこともあったと思うんですけど......たぶん、しゃべらないほうが私たちかっこいいんじゃない? みたいな感じだったんですかね(笑)。プロデューサーも音楽がすごく大好きな方で、ライヴや音楽に対しても、アイドルらしさというよりは、かっこいいとか素敵とか言ってくださる方なので。だから、もともとアイドルとしてというよりは、アンダービースティーを作っていくところから生まれたスタイルなのかもしれないです。 当時自己紹介がないのは結構浮いていたと思うし(笑)、最後に本当に大事なことだけ言って捌けるみたいな、それぞれのパーソナリティというよりは、アンダービースティーの中の1つのパーツとしてみたいな感じで見せていたところは、振り返ってみるとたしかにあったと思うので......。でも、もしかしたらしゃべるとかっこ悪かっただけなのかもしれないです、ただ単に(笑)。
-(笑)じゃあ見せないでおこうみたいな。
春乃:なんかかっこいいこといっぱい言っちゃいましたけど(笑)、"この子たち、隠したほうがいいな"っていうプロデューサーの判断かも。そこは分からないままにしておきたいです(笑)。
-分かりました(笑)。今井さんが加入されたときにはもうMCなしのスタイルでした?
今井:そうですね。それこそ自己紹介があると(お客さんは)皆さん思っているので、例えばライヴを観ていて、この子いいなって思っても、誰だったの!? みたいな(笑)。私は加入当時毛先を赤にしていたので、エゴサして"UNBSの赤い髪の子が良かった"と書いてあったら、私のことだなとか思ってたんですけど、今はみんな似たような髪型なので"黒髪の子が良かった"......誰? って(笑)。でも、私的には加入当時からMCはなかったので、これが当たり前の感覚になってますね。7年これでやっているので。
-むしろMCは緊張します?
今井:します! 今は大事なことを友夢ちゃんが言ってくれていて、単独公演のときにみんなちょっと喋るんですけど、未だに緊張しますね(苦笑)。台本のように何を言うかをメモして言うみたいな感じです。
-今井さんとしては、UNBSのどんなところに良さを感じていますか?
今井:正直、私たちのパフォーマンスを自分たちで(リアルに)観られないじゃないですか。なのでちょっと分からないところもあるんですけど、"気持ちを伝える"っていうところは結構意識していて。それは先輩たちを見て学んだ部分でもあるんですよ。歌詞をもともとリーダーだった今の社長が書いているというのも、ただ書いているだけじゃなくて、メンバーだからこそ私たちの気持ちをちゃんと理解して書いてくれているので、やっぱりそれはちゃんと伝えなきゃいけないなって意識を、私は先輩たちを見ていて感じたんです。なので、日々のライヴではそこを一番意識していますし、好きなポイントでもありますね。
-背中を見て学んだことをしっかりやるという。
今井:そうですね。ずっと一緒にいて、見ていくうちに感じたものがあって。それこそ2人(上瀬&碧葉)がかっこいいと思ってくれたときも、私はもういたと思うんですけど、ちゃんと伝えられているのかなっていう不安はやっぱりあったんです。だから、こう言ってくれるメンバーやファンの方がいると、ちゃんとできてるんだなって思えるし、力にもなるので......そう思ったら褒めてほしいなって(笑)。
一同:はははははは(笑)!
今井:安心するから褒められたい!
-音楽に乗せた気持ちが届いているのかどうか気になりますよね。
今井:そうですね。伝えてほしいです。