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INTERVIEW

CHASED

2025.04.11UPDATE

CHASED

Member:KZK(Vo) HiRo(Ba) Issei(Gt) ICHIYASU(Gt)

Interviewer:菅谷 透

"あなたたちがシャウトするなら、私は歌います"っていう気持ちではありますね


-5曲目の「pray」はインダストリアルに近いようなエレクトロ・サウンドが中心ですが、2番ではベース単体になったり、ギターもカッティングが入ったりと、バンド・サウンドとしての良さもありますよね。

HiRo:「CRY」、「H0PE」ときて、一度バンド・サウンドから限りなく離れてみようって感じで作り出したんですよ。だから2番のベースは、もともとシンセ・ベースで鳴らしてて。エレクトロに寄せたが故に、楽器陣をどうしようか制作過程でめっちゃ苦戦しましたね。結局Isseiがギターを付けてくれて、KZKも今までにない感じのメロを書いて。最終形はCHASEDとしてまとまったけど、ムズかったし、一番今までのCHASEDから離れるのを意識しました。

KZK:CHASEDらしくないというか。

Issei:僕の友達のバンドマンとかはいいって言ってますよ。

KZK:バンドマンって玄人やから(笑)。話が戻りますけど、自由度が高くなったっていうのが一番強いのはこの楽曲で。僕はシンガー上がりで、でもこういうJ-ROCKや洋楽のオルタナティヴも好きですしアンビエント、ドラムンベースやったり、シューゲイザー、インダストリアル、レイヴやったり、いろんなジャンルを図書館みたいに聴きあさって歌を勉強してきたんですけど。この楽曲は本来の一番好きな楽曲に対して、自分の今の歌がどうハマるか考えました。ローの部分や、"どこまでセクシーに歌えるんやろ?"とか。
あとはラップをやってみようかなってのもあって。BLACKPINK、LINKIN PARKのMike Shinoda(Vo)とかいろんなラップを聴きまくってたんで、"よし、これで行こう"と。でも蓋を開けたら全然韻を踏んでないんですよね(笑)。ラップとしては歌ったんですけど、全く韻を踏んでないラップになっちゃって。だから自分ではエセラップって言ってるんですけど。サビも低いので行こうと思ったんですけど、結局びっくりするぐらい高い音で歌ってて。5曲の中で声のレンジが一番広いかもしれないです。そういった意味で、頭の中の引き出しを開けていっていろいろ試した楽曲ですね。

-いろいろ挑戦をしていったと。

KZK:だから完成するまで、ずっとモヤがかかってるイメージでした。

-表題曲の「weal and woe」は先日ライヴで初披露されたそうですね。シンガロングも入ってますし、制作の段階からライヴをイメージして作っていったんでしょうか?

KZK:これからのCHASEDの看板になってほしい楽曲ですね。これもHiRo君から曲が来て、イントロを聴いた瞬間に"これもう絶対リード曲になる!"と思って。もう「CRY」のMVを撮る段取りを組んでしまってたから"MV撮れへんやん!"となりつつ、"これ絶対リードになりますんで、これを先に作ってください"って言って、急かしてまで今回の作品に入れたかった曲です。

-バスドラが今までにないくらいにアグレッシヴになってますよね。

KZK:今までのジャンルの話が矛盾してくるぐらい、バスドラ踏んでますよね(笑)。

HiRo:今サポート・ドラマーをやってくれてるTAMAがライヴでやってる技を、楽曲に落とし込んだんですよ。TAMAをイメージしながら作りました。

KZK:ラウドとかそっち系に強いドラマーで。「STAY」(『RELOADED』収録)っていう今の僕らの看板で、歌モノな楽曲があるんですけど、あいつがライヴでメタル・アレンジみたいにしていて、今は全然ポップじゃなくなってきてるんです(笑)。だから「weal and woe」はTAMA専用の楽曲になっちゃってる説はありますね。もうサポートはあいつしか無理かも(笑)。

-ライヴからの影響を落とし込んだんですね。

KZK:どうにかライヴ受けは絶対させよう、というのは念頭において作りましたね。

-チャグやギター・ソロも入っていて、ギター的にもアツい曲になっているのかなと思ったんですがいかがでしょう?

Issei:ICHIYASUの得意な部分も結構出てるソロなのかなと思いますね。

ICHIYASU:そうですね。ソロ自体は前後半で分かれてて、前半はIsseiが考えたフレーズで後半を僕が考えていて。もとの土台はあったんですけど、最後の小節だけまだ固まってなかったので、せっかくだったら今までにない、ライヴとかでしたことないようなことをやってみたくてあのソロになりました。レコーディングが結構大変だったんですけど、いざ完成してみると、自分の納得いく、やりたいことを表現できたんじゃないかなと思います。HiRo君も、最初デモを聴いてくれたときに、"これでいいやん"みたいな感じで言ってくれてたんですけど、あまりにも楽曲とシンクロしてる部分が少ないようなフレーズだったので、僕自身は"これ、メンバーのOK貰えるかな?"みたいな感じで。HiRo君が後押ししてくれて、メンバーも"ええんちゃう"って言ってくれてあの形になりました。

Issei:あとコード感とかもこだわりましたね。メロディがめちゃくちゃ良かったんで、リフを弾くというよりは、広がりをギターとしては意識しました。

-2番のサビ前のフレーズが最後に繋がってくるところも印象的ですよね。

KZK:あれはディズニーなんですよ(笑)。俺の中で白雪姫とか、空を見て歌いそうな女の人のイメージがずっとあって、"これはもうディズニーでしょう"って。毎回ディズニーって言ってるんですけど、周りの人はしっくり来てないですね(笑)。あれこそ今までCHASEDになかった部分かなと思っていて。 音楽やってる人だったらコードとか音楽的な要素は分かるんですけど、僕等が聴かせる人には一般の音楽が好きな方もいるわけで。その方たちって"このコードがいいね"じゃなくて、説明のしようのない良さがあった瞬間に"なんかええねんな"となると思うんですよ。僕はそこまで音楽知識がないヴォーカルなので、あそこの展開のコードを聴いたときに"なんかめっちゃええな"ってなって。今までやったことない表現――ミュージカルやったり、それこそディズニーやったり、ロックから離れたポップスとか、そういった部分でアイディアないかなって思ってたので、すぐHiRo君に"ここはディズニーですから"って言って作りました。だから僕はあそこが一番ウケてほしい。

-いい意味で引っ掛かりがありますよね。

KZK:一瞬で急に別の世界観になるイメージもありますね。

-そのフレーズが最後に再登場するのも印象的です。

HiRo:当初は最後があれじゃなかったんですよ。KZKにそのセクションを聴かせたとき、すぐ"これ最後に持ってきましょう"って言ってくれて。それで最後に持っていきました。

KZK:あれをトラックリストのラストに持っていきたかったです。正直、CHASEDはかなりしんどい時期を通ってきたので、今どうにかしてもう一回バンドを楽しくするには――数字だとかバズるとか、令和の流行り方があるとは思うんですけど、僕はずっとバンドしかやってこなかったし、やっぱりバンドマンの一番の"お薬"は、いい曲を作るとかいい作品を作るっていうところかなと。今回は初めて自信のある楽曲、いい作品ができたなと思ってて、この曲の最後は終わり切らない感じにしたくて、あのセクションを最後に持ってきました。"まだやりまっせ!"っていう感じを出したかったですね。

-作品が完成して、今度はツアー("CHASED 6thMiniAlbum [ weal and woe ] Release Tour 2025")が5月から始まります。全10公演で初日は心斎橋 VARONになりますが、この会場は大阪におけるホーム・グラウンドのようなイメージになるんでしょうか?

KZK:そうですね。CHASED自体はもうオリジナル・メンバーがいないんですけど、このバンドが大阪で"最近頑張ってるやん"とか言われて、誘われるようになったきっかけはVARONが作ってくれたので。今回は初心に帰るっていう考えもあったので、VARONを最初に持ってきました。

-各都市を回ってのツアー・ファイナルは、こちらも大阪のYogibo HOLY MOUNTAINになっています。

KZK:Yogibo HOLY MOUNTAIN代表の、田口(隼人/株式会社SELEBRO)さんがずっと憧れの方で。今はCrowsAliveと一緒にチームでやってる方なんですが、ツアーでご一緒させていただいたときの打ち上げで"俺、ライヴハウスやるねん"、"しかも(難波)ロケッツの跡地で"って言ってたんです。僕は観に行ったことはあったんですけど、出たことはなかったので"マジか"って。月日が経っていつの間にか(ライヴハウスの)発表がされてて、しかもアホほどオシャレで、ちょっとミーハー気分にはなっちゃってるんですけど(笑)、どうしてもあそこでバンドの企画を成功させたいっていう気持ちがすごく強いです。これからもっと新しい挑戦をするために、締めは一番新しい大阪のハコでやってみようと思ったので、Yogibo HOLY MOUNTAINで企画をしっかり成功させたいですね。

-隠れたストーリーがあるんですね。ツアーのゲストもそういった繋がりでピック・アップしていったのでしょうか?

KZK:そうですね。今回は僕がツアーを組んでるんですけど、言うてもCHASEDはもう長いバンドなので、世間一般では中堅やったり、人によっては先輩扱いされたりすることが多くなって。いつまでも若いやつの気分でおっても仕方ないですし、まだまだ結果は出てないけど結果が全ての世界ではあるので、今回は自分等が一番上に行けるように、自分らのやってきたことを見せられるようにということで、ここ1~2年で出会った同期や後輩をメインに誘いました。

-最後に、読者へのメッセージをお願いします。

HiRo:今回の作品はまず知ってほしいって気持ちがデカいんですけど、綺麗事じゃなくみんなの何かのきっかけになってくれたら一番嬉しいですね。頑張ろうとか、会話のきっかけでもいいし、それで友達できたとかでもいいし。そんなことがあったら教えてください。

ICHIYASU:これを見ていただいて知るきっかけになったのであれば、サブスクやMVを確認してほしいです。そこで刺さったなら、やっぱり音源で聴くのと生で聴くのとでは全然違うので、ぜひ会場に来てもらって。我々のサウンドを生で体感していただきたいので、ライヴで待ってます。

Issei:バンドとしてもだいぶ気合の入った1枚を作って、ツアーもがっつり回るので、もしこれを見てくださった方はぜひ来てくれたらと思います。生のライヴもめっちゃいいと思うんで。

KZK:今回は初めて曲を作った人もいるし、ICHIYASUがスタッフからメンバーになってからの初めての作品で。体制もいろいろと変わっちゃって、エンジニアもメンバーで、デザインも僕で、全部メンバーで完結させた作品になってるんです。令和になっていろんな時代が進んで、バンド活動していくなかで置いてかれていく気持ちが強いこの数年をずっと生きてきて、初めてバンドやっててしんどくなったって経験からできた楽曲ばかりなので、どちらかというと暗い楽曲ではなくて、歌ってる自分も聴いてるお客さんも単純に幸せになってくれたら、ケンケンせずに平和でいてほしいなって願いが強い楽曲になってます。 ツアーも10本回りますし、激ロックで掲載されて以降もここからいろんな情報を発表していくので、まずは1本僕等のライヴに来てもらって判断してほしいですね。絶対に損はさせないので。――なので、ツアー全通待ってます(笑)。