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INTERVIEW

TEARS OF TRAGEDY

2024.07.22UPDATE

TEARS OF TRAGEDY

Member:HARUKA(Vo) TORU(Gt) HAYATO(Key)

Interviewer:フジジュン

激しく美しく疾走感溢れるメタル・サウンドと至高のメロディ、豊かな表現力を持つ儚く情感溢れるヴォーカル。国内最高峰のメロディック・メタル・バンドと評されるTEARS OF TRAGEDY、待望の5thアルバム『Wonder Arts』が堂々完成した。スタジオ・フル・アルバムとしては2020年の『TRINITY』以来約4年ぶりとなる今作。アグレッシヴで攻撃的な楽曲から、美しいバラード曲まで、"Wonder Arts"のタイトルに相応しいめくるめく楽曲世界で魅了し、やがて訪れる深い喜びと感動。スタジオ・アルバムという形態の利点を活かし、細部までとことんこだわり抜いた至極の一枚について、メンバー3人にたっぷり話を訊いた。


"攻撃的に"と言いながら、結果、エネルギーある作品になった


-まずは、最新アルバム『Wonder Arts』が完成しての率直な感想を聞かせてください。

TORU:"間に合った!"というのが正直な感想ですね(笑)。これだけやっても聴き直したときに"ゔぁ~!"ってところがありますけど、もうキリがないので、"完璧なものができた"ということにしておいてください!

HARUKA:私も"間に合って良かった!"ですね。"発売日は決まってるけど、本当に出るの?"って感じだったんで。

HAYATO:僕は最悪出ないと思ってました。正直、40パーセントくらいの可能性で出ないと考えてましたから(笑)。

TORU:最悪静岡のプレス会社まで直接持って行こうって言ってたもんね(笑)。俺は自分が終われば大丈夫だと思ってたんで、そこまで悲観的ではなかったですけど、とりあえず納期直前は寝る時間がマジでなくて、その大変さはありました。

HAYATO:すごく乱れた生活サイクルが窺える、とんでもない時間に連絡が来るんです(笑)。

-それがいつの話ですか?

HAYATO:6月頭くらいから、"これ本当にヤバいんじゃないかな?"と思って、"お客さんになんて言い訳しよう?"って考えてたんで、完成してホッとしますし、達成感はすごくあります。今はライヴに向けて練習してるんですけど、レコーディングのときは怒濤のように曲を作って、1曲できたら"次! 次!"って感じだった。今回複雑で激しい曲が多いんで、今は全くの新曲を聴きながら練習している気分です(笑)。

-全曲揃って、通して聴いたときの感想はいかがですか?

HAYATO:曲の並びや繋ぎで、"こう繋がるとこんなふうに感じるのか!"っていう面白さがあって。例えば、8曲目「rosé」から9曲目「Mörder」の繋ぎは、TORUさんがすごくこだわりを持ってやっていて、実は「rosé」にはまだ展開があったんですけど、あえてそれを切って次に繋いでいるとか、それがまさに納品前日の夜中までやっていた作業です。0.何秒ってレベルでこだわっていたので、ぜひ聴いてほしいポイントです。

TORU:8曲目「rosé」が僕の曲で、9曲目「Mörder」がHAYATOの曲なんですけど、なんの打ち合わせもなく作って並べたら、"組曲的な曲にするのも面白いな"と思える曲になって、「rosé」は次に繋がるようにわざと尻切れにしたんです。だからタイムとか見てなかったら、1曲に聴こえるかも知れないっていうのをあえてやってみました。

-曲間までこだわることで、一枚通して聴いたときに物語性もすごく感じて。アルバムという形態の持つ意味を感じさせてくれる作品になりました。

TORU:最近は1曲ずつ出すのが当たり前だけど、アルバムで出すからには全曲通して聴いたときの触感が大事で、音のない時間もすごく大事だと思ってます。それと今作にあと1、2曲入れるかどうかも悩んだんですけど、バランス的にこれがピッタリだったと思って、この曲数にして、全部仕上がって、通して聴けたのが納品日だったんです。通して聴いての感想は、"あぁ、こうなったか!"という感じでした。イメージ通りと言えばそうですし、感慨深さもありましたし。各曲のこだわりもしっかり出せたので、今はここから世に出て、みんなに聴いてもらえるのがすごく楽しみです。

-僕は怒濤の前半を経て、5曲目「蒼炎」から6曲目のバラード曲「Eternal」で景色や雰囲気を変えて、終盤に向かっていくところがすごく好きで。後半、もう1つ深いところに誘ってくれるような感覚がありました。「蒼炎」がTORUさん作曲、「Eternal」がHAYATOさん作曲なんですよね?

HAYATO:そうです。いつもなら「Eternal」みたいな曲は最後に入れるんですけど、あえて中盤に入れるっていうのは、TORUさんが考えに考えた曲順ですね。

TORU:たしかに「Eternal」みたいな曲はラストに持ってくることが多かったんですけど、今回はあえて中盤に入れてみるのもいいかな? と思って。結果、すごく良かったと感じます。これもまた何も相談せずに作った曲で、最初は"攻撃的な曲を作ろう"と話してたのに、HAYATOからこういう曲ができてきたのも面白いし、良かったですね。

-前回お話を聴いた(※2024年5月号掲載)のが、『TRINITY&OVERTURE 15th Anniversary Special』(2024年5月リリースのライヴ作品)リリース前の4月で、あのとき"アルバム制作中で、佳境も佳境"って言ってましたけど、あの段階ではどれくらいできていたんですか?

HARUKA:曲は完成していなかったんですけど、歌入れは終わってました。

HAYATO:「♾️」なんて、ドラムとベースだけで歌録ってますからね!

TORU:「♾️」はまだギターが入ってない状態で歌が入ったものを聴くんですけど、曲が良すぎて最後まで聴いちゃって、何も進まないっていうのが続いて(笑)。すごく好きな曲なんで、"どう持っていこうかな?"っていうのはすごく悩みました。

HARUKA:曲までしっかりできていて歌詞を書く曲もあるんですけど、そうでない曲は雰囲気で歌詞を書いています。うちのバンドは"これはこういう曲だから、こんな歌詞で"って話をすり合わせるとかはしないので、感じたまま書いて......歌詞に沿って、アレンジをそっちのほうに持っていくことはするのかな?

HAYATO:するよ。「Eternal」とか結婚をテーマにした歌詞になってたけど、全然そんなつもりなかったから、歌詞ができてきて、"だったらホーリー感を出そう"と思って子供たちのクワイヤみたいなのを入れたり、パイプ・オルガンを入れたり、やっぱりガイドで入れてる音と人の声でも印象が全然違うし、特にバラード系は繊細な音が見えちゃうから、ストリングスの音の動きも修正したり。歌が入ってから足した音は結構ありました。

-歌詞があがってきて、アレンジで雰囲気を変えることはあるんですね。キャッチボールをしながら作るって、楽曲の世界観を構築する上では一番いいやり方かも知れないですね、時間があれば(笑)。そういった相互作用の効果もあったと思うんですが、今作は聴き終えたとき、すごく前向きな気持ちになれました。

HARUKA:私の中ですごく分かりやすい歌詞も多くて、それもあるかも知れない。

-あと思ったのは、前作がアルバム・リリース後にリリース・ライヴができなかったり、その後もコロナで思うような活動ができなかったりしたので、そのタイミングで自分たちと改めて向き合って、今作はある意味リスタートみたいな新鮮な気持ちで作れたのかな? という気がしたのですが、いかがですか?

HAYATO:たしかに僕はリスタートじゃないですけど、雰囲気を変えようって気持ちがありましたね。

HARUKA:そうなんだ。私は与えられたもので歌詞を書いただけで、申し訳ないですけど何も変わっていないです(笑)。

HAYATO:あなたは何も変わらないかも知れないね。俺とTORUさんは"今回こういうテーマで"とか、しっかり話し合ってて、"ダークで速い曲を多めにしよう"とか言ってました。できてみたら意外とそんな感じはなかったけど(笑)。あと、"似たような曲が多いね"って言われたら嫌だなって話もしたんですけど、俺が言ったのは、"これまで4枚出してきてるんだから、5枚の中で考えればいいんじゃない?"ってことで。例えば、ふわっとした雰囲気の明るい曲は今までの作品にいっぱいあるから、そっちを聴いてもらえば良くて、"シーズン5はこんな感じです"って捉えてもらえばいいんじゃない? というのは話したのを覚えてます。

-最初に挙げたアルバムのテーマって、具体的にどんな感じだったんですか?

HAYATO:"ガッツリ速く攻撃的に"っていうのは最初言ってました。でも「Eternal」とか俺も作っちゃったから"いや、作りたいものは作ったほうがいいな"と思って、全曲揃ってみたら、いつもとそんなに変わらないバランスになってましたね(笑)。攻めたと思って作った曲は、テンポや音が詰まってるってところでいつも以上に攻めてて、デス・メタルみたいな要素とか、今まで使ってないビートとかを意識的に使ってるとはTORUさんも言ってて、"変えていきたい"という気持ちはありました。

TORU:そうだね。"攻撃的に"と言いながら圧倒的に平和な曲もあったり、"こんな曲も出てくるんだ"というのもあったり。結果、攻撃的というよりはエネルギーのある作品になって、僕はこれで良かったなと思ってます。攻め一辺倒だと5曲くらいで疲れちゃうと思うんで、10曲聴いてお腹いっぱいになるには、これくらいの塩梅がちょうどいいなって。