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INTERVIEW

TEARS OF TRAGEDY

2024.05.07UPDATE

2024年05月号掲載

TEARS OF TRAGEDY

Member:HARUKA(Vo) TORU(Gt) HAYATO(Key)

Interviewer:フジジュン

2023年に結成15周年を迎えた3人組メロディック・メタル・バンド TEARS OF TRAGEDYが、2枚組Blu-rayと3枚組CDによる超豪華盤フル・ライヴ作品『TRINITY&OVERTURE 15th Anniversary Special』をリリース。キャリア初となるフル・ライヴ作品には、2022年8月に新宿BLAZEにて行われたワンマン・ライヴ"TRINITY&OVERTURE"と、2023年10月に川崎クラブチッタにて行われた結成15周年イベント"ALDIOUS × TEARS OF TRAGEDY 15th Anniversary Live 2023 in Citta'"の様子が余すところなく収録。美しく力強く透明感のあるHARUKAの歌声と、圧倒的スキルで激しくメロディアスな演奏を聴かせるTORUとHAYATO。誤魔化しの利かないライヴ演奏に15周年の自信と誇りを感じさせる今作や、収録された2本のライヴについて、メンバー3人にたっぷり話を訊いた。

-初のフル・ライヴ作品『TRINITY&OVERTURE 15th Anniversary Special』をリリースするTEARS OF TRAGEDYですが、まずは今回15周年記念盤をこの形態でリリースすることになった経緯から聞かせてください。

TORU:今回収録された新宿BLAZEでのワンマン・ライヴが2022年の開催で、本当は単体で翌年くらいに出すというのが適正かなと思いますし、それに向けて撮影と録音を入れたんですが、内部的な事情がいろいろあって、そのタイミングでのリリースができなくて。そんななか、2023年の15周年記念ライヴの企画が挙がって、同じ15周年を迎えるAldiousに"一緒にやりませんか?"とお声掛けしたところ、ご快諾いただいたんです。これはこれで残しておきたいと撮影と録音を入れたら、その前後くらいから"2022年のワンマンをどうにか形にできそうだ"ってなりまして、"だったら一緒にしてもいいんじゃないか?"ということでBlu-ray 2枚組の話が出てきて。音の整理、ミックスをしていくなかで、"これは音源だけでも十分聴き応えがあるんじゃないか?"ってなってCD化の話が出てきて、結果Blu-ray 2枚組、CD 3枚組の豪華版でのリリースになったという経緯でした。

-これまでの集大成的な内容に加え、誤魔化しの効かないライヴ演奏というところに15周年の自信と誇りを感じたのですが、HARUKAさんは完成しての感想いかがですか?

HARUKA:私、このBlu-rayとライヴCDの制作にあんまり関わっていなくて、Blu-rayと一緒にCDが出ることも最近母親から聞いて知ったんです。母親はSNSで知ったみたいなんですけど、"CDも一緒に出すんだね"と言われて、"え、CD!?"って(笑)。

TORU:あはは、連絡は絶対してるから、見てなかっただけだと思うんですけどね(笑)。

HARUKA:だからCDもまったく聴いてなくて。発売を楽しみにしています。

-わはは、ただのファンじゃないですか(笑)! TORUさんとHAYATOさんは、作品が完成しての感想はいかがですか?

TORU:22年のワンマンと23年の15周年の明確な違いは、お客さんの声が入ってるか入っていないか? というところで。新宿BLAZEのときは"声が出ちゃうのは仕方ないけど、煽るのはNG"みたいなライヴハウスのガイドラインも曖昧な時期だったんですが、クラブチッタのときは思い切り声が入ってるので、同じ曲でもテンション感が全然違いますね。

HAYATO:被ってる曲もあるんですけど、会場も違うしテンションも違うし、レコーディングと違って一発勝負だから同じ曲でもきっと違った聴こえ方がすると思いますし、昔の作品の曲なんかは、個人的にはこっちのライヴ盤のほうがいいなと思ってます。

-15周年ライヴの方は、過去楽曲に『TRINITY』(2020年リリースの4thアルバム)の楽曲たちも加わった、いわば最新型のTEARS OF TRAGEDYと言える選曲とサウンドですが、2020年に『TRINITY』をリリースして、コロナ禍でリリース・ライヴもできていなくて。2022年のワンマンは実に4年ぶりの有観客ライヴでした。

TORU:そうなんです。アルバムを出す前後くらいで"いつだったらリリース・ライヴできるだろうか?"って会場を押さえたんですけど、結局開催できなくて。

-『TRINITY』は作品としての評価がすごく高い作品でしたが、ライヴで演奏できていないというところで、まだ完成していないみたいな気持ちもあったんじゃないですか?

HAYATO:そうですね。SEからの2曲目「Nonsite」の最初の歌詞が"長い間待たせたね"なんですけど、"ホントに待ったよ!"ってコメントも見た覚えあります。アルバムが出るまでも待たせたのにレコ発ライヴも待たせて、やたら待たせたよね(笑)。

HARUKA:私は4年ぶりのライヴに"果たしてお客さんが入ってくれるのか?"とか"自分たちがちゃんと立ち振る舞えるのか?"とか不安がすごくあったんですけど、「Nonsite」をやって、最初のMCの前に拍手が鳴り止まない瞬間があって。それを聴いたときに救われた気がしたし、"大丈夫なんだ"って安心感がありました。

HAYATO:その鳴り止まない拍手も余すところなく映像に残ってます。あそこはド頭にして見どころかも知れないですね。気持ちの入った拍手でした。

HARUKA:そういう意味では、私はお客さんが声を出せる出せないの違いは感じなかったかも知れない。声を出さなくても顔がしっかり見えたし、表情で感じ取れるものがいっぱいあって、"歓声がないから寂しいな"とか、そういう感情はなかった気がします。

-もう忘れかけてるかも知れないですが、コロナ禍では配信ライヴ("Streaming Live「RGB」")をやったり、アコースティック・アルバム『&』(2022年5月)をリリースしたり、4年ぶりの有観客ライヴに至るまでは規制のあるなかでもできることをというところで、試行錯誤した部分も多かったんですか?

HARUKA:21年に配信ライヴをやって、22年に有観客ライヴをやるためのステップとして"コンテンツを増やしていこう"ってところでアコースティックをやって。コロナ禍がなかったら『&』は出てなかったんじゃないか? と感じます。あと「Epitaph」(2022年9月リリース)って配信限定楽曲も、ライヴができないからこそ生まれた案だったと思いますね。

TORU:20年11月に『TRINITY』が出て、年が明けて配信ライヴをやって、2021年には翌年のワンマンに向けて新宿BLAZEを押さえてて。時間もあったので、"ずっとやりたいって言ってたアコースティックをやるのにいい機会なんじゃないか?"って『&』を作り始めてという流れでしたからね。