MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

THE MADNA

2023.10.24UPDATE

2023年11月号掲載

THE MADNA

Member:涼太(Vo) 太嘉志(Gt) 朋(Ba) 理緒(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

-そんな「極彩色」について、太嘉志さんがクリエイター目線で最も大事にされたのはどのようなことでしたか。

太嘉志:実際の長さはTHE MADNAの他の曲よりも少し長いんですけど、それを感じさせないような作りにしたところですね。展開の畳み掛け方とか疾走感の出し方で、3~3分半弱くらいの曲に聴こえるようにしました。

-疾走感の部分は、リズム・アプローチによるところも大きそうですよね。

理緒:いわゆる四つ打ちがベースになっている曲なので、リズムはとにかくタイトにまとめていくようにしました。あと、Cメロのドラム・フレーズは我ながらなかなかカッコいいと思います(笑)。

-リズム隊の相方である朋さんは、「極彩色」の中でのベース・プレイはどのようなことを重視されましたか。

朋:ベースを録ったのはまだ歌詞がつく前だったんですけど、自分の中でのこの曲に対するイメージは"ポカリスエットのCM"だったんですよ。青空のもと、少女が走り抜ける! みたいな。だから、疾走感っていうのは僕も大事にしてましたね。曲の持ってるドライヴ感を強調するのはベースの仕事だと思ってたので、自分も爽やかに走り抜けるイメージで弾きました(笑)。

-涼太さんからすると、聴く側にこの「極彩色」の中で伝えたいと考えていらしたのはどのようなことだったのでしょうね。

涼太:この曲はバンドが1周年を経たタイミングで作った曲で、詞には自分の中にあるメンバーたちへの想いだったり、ファンの子たちに対する想いを、恥じらいなく素直にストレートに込めました。これは、そのときにしか書き残せないことたちなんだろうなって自分でも感じてるんですよ。今回これを書けて良かったな、ってすごく思います。

-個人的には"唯一、君だけのロックンロールになりたいんだ!"という一節に痺れました。素敵な表現ですね。

涼太:あぁ、ありがとうございます(笑)。ロックンロールって、僕にとっては"神"なんですよ。縋るものという意味で。

-つまり、涼太さん自身もロックンロールに縋って生きているところがあると。

涼太:自分も縋ってますよ、もちろん。それと同時に、THE MADNAの音楽を聴いてくれる人たちからは縋られもしたいんです。

-それって、非常に大きな責任とプレッシャーが伴うことなのではありません?

涼太:はい。当然、中途半端なことはできないなっていう覚悟は持ってやってます。

-なお、今作『ElecTЯiP』には他にもたくさんの新曲、そして既発シングル曲となる「GiANT KiLLiNG」、「sweet dream」なども収められておりますが、ここで各メンバーの個人的な推し曲を教えていただけますと嬉しいです。

理緒:新曲たちの中だと、今ライヴでやってるのはまだ「極彩色」だけなんで、今の段階では「極彩色」ですね。あとはそうだなぁ......「fanciful suicide」かな。これは途中で8分の6に拍子が変わる曲で、すごく自分らしいメカニカルなフレーズが叩けたというのがお気に入りポイントですね。

朋:僕は「完全世界」でいこうかな。ベーシスト的に言うと、これはテンポ・チェンジが多い曲なんです。8ビートからシャッフルになったりしますし、ちょっとR&Bみたいな展開になるところもあって、そういうのってきっと打ち込みの音楽だと成り立たせるのが難しいと思うんですね。そこを生の演奏、生のリズムでやる必要性がこの曲は特に強くあるんですよ。そのぶんほんとに演奏は難しくて、身体に馴染むまでは弾きながら頭の中めちゃくちゃになって大変でした。あの感覚を言葉で説明するなら、豪快に中華鍋を振りながら、それと同時に隙を見て繊細な懐石料理の盛りつけをするみたいな、そういうマルチタスクな能力が必要な曲になってます(苦笑)。でも、これが慣れてくるとだんだん気持ち良くなってくるから音楽って面白いんですよねぇ。

太嘉志:僕にとっても「完全世界」は推したい曲のひとつですね。リスナーとしての自分は、今までメタルとかラウドロックを主に聴いてきた人間ではあるんですけど、これまでそういう要素をTHE MADNAの中に取り入れることはあんまりなかったんです。でも、この曲には自分の個人的に好きな要素をギターの音として100パーセント落とし込めた実感があるので、すごくこの仕上がりは気に入ってます。

涼太:個人的に推したいのは「ジェリーフィッシュ」ですね。今回アルバムにMVがふたつ入るんですけど、これについてはリリック・ビデオを収録することになってるんです。ある意味、この曲はオーディエンスのことを無視して、自分だけの世界に浸って歌いたい曲なんですよ。どこまで深く入り込めるのか、というところが自分にとってワクワクできる曲になってますね。

-ちなみに、このアルバムの最後を飾っているのはもともと2ndシングル曲であった「CREAM SODA」になりますが、この曲を締めくくりに持ってきた理由がありましたら教えてください。

涼太:現状、ライヴでラスト曲としてやることが多いのが「CREAM SODA」で、そこまでは激しくワーッとやりつつも最後はいつもこの曲でみんなとハッピーになって、お互いに"明日も生きよう"っていう気持ちになれるような曲だから、今回のアルバムもそういう雰囲気で聴き終わってほしかったから最後に入れることにしました。

-それから、アルバム・タイトルの由来についてもうかがっておきましょう。この"ElecTЯiP"とは「完全世界」の詞にある"完全世界- ElecTЯiP LAND -"から取ったものになるようですが、そもそも"ElecTЯiP"という言葉はどのようなきっかけから生まれたものだったのでしょうか。

涼太:うちらはバンド名も造語で、これは分解すると"MAD"+"DNA"で"THE MADNA"という表記と"マドンナ"という読みになっているんですよ。アルバム・タイトルも造語にしたかったので、今回は"ElecTЯiP"っていう言葉を考えました。意味合い的には音でちゃんとトリップできるといいな、っていう気持ちから生まれた言葉ですね。それはアルバムもそうだし、ライヴも含めてっていうことなんですけど。音でトリップできるのって、ものすごく合法的なトリップじゃないですか。これを楽しまない手はないですよ(笑)。

-たしかに(笑)。そしてライヴといえば、アルバムのリリース後には"THE MADNA ElecTЯiP TOUR'23 「ELECTRIP PARADE」"が控えておりますね。

涼太:もう、このタイトル通りに全国を派手に楽しくパレードしていくようなツアーにしたいと思ってます。

理緒:THE MADNAのライヴは音楽だけじゃなく、MCも面白いですからね。

朋:え? 自分は全然喋んないじゃん!?

理緒:いや、後ろで聴いてて面白いから(笑)。いつも後ろで笑わせてもらってます。きっと、みんなも楽しめると思いますよ。

太嘉志:あと、意外にTHE MADNAのライヴはラウド・バンド並みのアグレッシヴさがあったりするんですよね。来てくれた人から"思ってる以上に激しかった"って言われることも多いですし、激ロックを読んでる人だったら自然とメロイックサインを出せちゃうような空間になってると思うんですよ。というか、俺自身がラウド出身でラウド大好きなんで、ぜひ一緒に楽しみましょう。よろしくお願いします!!

-わかりました。それから、最後にもうひとつだけうかがいたいことが。朋さんはプロフィール写真で大蛇を首に巻いていらっしゃるようですけれど、ライヴでもこのお姿でいらっしゃるというのは本当ですか??

朋:はい、ライヴでも巻きつかれてますよ。手元が全然見えなくて大変ですけど、なんとか頑張ってます(笑)。