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INTERVIEW

MINAMI NiNE

2022.07.13UPDATE

2022年07月号掲載

MINAMI NiNE

Member:ヒロキ(Vo/Ba) ワラビノ(Gt/Cho) スケロク(Dr/Cho)

Interviewer:山口 智男

-ところで、今回、一番新しい曲は?

ワラビノ:「五月雨」は曲が出揃ってから追加したよね?

ヒロキ:そうだね。「五月雨」っていう3連符のバラードが一番新しい曲なんですけど、こういう曲があると、アルバム全体が締まるよねって思いながら作りました。

-アレンジがドラマチックで。

ヒロキ:どういう捉え方もできるので、想像しながら聴いてほしいんですけど、言葉のニュアンスとか、コードの進行にちょっと半音入るだけで、1サビと2サビの聴こえ方が変わってくる展開とか、聴きどころだと思います。ヴォーカルの譜割は一緒なんですけど、1番はポップに聴こえるのに、2番は悲しげに聴こえるようにしているところは、僕たちがメジャー・レーベルでやらせてもらったときに学んだことを生かしまくりました。10年前だったらできなかったですね。

-最後の「This song」はMINAMI NiNEがなぜ音楽をやっているのかという理由を歌っていると思うのですが、それはバンドを始めたころの気持ちを振り返っているのか、それとも今現在の気持ちなのか、どちらですか?

ヒロキ:今ですね。メジャーでやらせてもらったときにMVの撮影でアメリカに行かせてもらったんですけど、いつかライヴしに来たいと思ったんですよ。日本で洋楽が聴かれるようにアメリカでも、イギリスでも、中国でも、韓国でももっともっと自分らも含め日本のバンドが聴かれたら嬉しい。なおかつ、英語ではなくて、僕たちがずっとやってきた日本語のまま聴かれてほしいというのもあって、聴いてもらったうえでライヴしにも行ってというふうになれたらいいなって気持ちもある一方、根本は普段仕事している人、学校に行ってる人の生活をちょっとでも楽しくしたいと思いながらやっているので、でっかいことも考えるし、些細なことも考えるしっていう僕の作文みたいな曲なんですよ(笑)。ただ、そういうことを考えられるのもメンバーがいるからなので、それで"隣ではワラビノが汗と熱を飛ばし/後ろではスケロクの太鼓/いくぞと背中強く叩く"って歌詞も入れさせてもらったんです。でかいところでやりたい、海外でもやりたいと思いながら、結局はライヴハウスだなってことを小学生ぐらいの気持ちに戻って書きました(笑)。何もかっこつけてない感じです。

-その気持ちをこのタイミングで歌いたかったわけですね?

ヒロキ:そうですね。最後に入れたのもいろいろな表現の曲を入れながら......例えば2曲目の「Addiction」なんて、二郎系のラーメンのことを歌っているんですよ。そうは聴こえないかもしれないですけど。

-音楽に対する気持ちを歌っているんだと思っていました(笑)。

ヒロキ:いや、ただラーメンのことを歌ってるんです(笑)。そう思って聴いたら、そういうふうに聴こえると思うんですけど。

-たしかに(笑)。

ヒロキ:そういういろいろな表現をしていくなかで、最後はより人間っぽいというか、居酒屋で飲みながら将来のことを語っているとか、不安なことを友達に相談しているとか、そういう曲にしたかったんです。だから、ベースの弾き語りにワラビノとスケロクが加わってくるシンプルなアレンジにしたんですけど、MINAMI NiNEっぽい曲になったと思います。

-今回のアルバムの演奏面の聴きどころも聞かせてください。

ヒロキ:ベースの話になっちゃいますけど、ベース・ヴォーカルとして、歌いながらすごくノリを大事にしました。ベース・ラインもかなり動く感じにしたので、これから始まるツアーに向けて、練習していかないといけないというのはもちろん思ってますけど、アンサブルとして、誰かが手を抜いたら崩れちゃう曲も多いので、それぞれが頑張った......というか、考えたといえば考えましたね。レコーディングまで時間があったので、プリプロをばっちりできたというのもあるんですけど、プリプロした音源を聴きながら、もっとこうできるなって新曲に関してはどんどんアレンジしていきました。

ワラビノ:既存曲に関してはアレンジを変えず、そのままやったほうがいいと思ったんですけど、よく聴くとサビに加えた新たなギターのメロディをはじめ、音数も増えているので、昔の音源を持っている人は聴き比べてみたら楽しめると思います。新曲に関しては、これまで大人の方たちと楽曲制作することもあったので、その経験が今回はかなり生かせたと自分で成長を感じながら作ることができました。そういう部分を、既存曲の再録にも加えられたのもよかったです。

-スケロクさんは?

スケロク:歌詞とメロディを邪魔しないようにっていうのは変わらずですね。なので、いい意味で、いつも通りでした。ただ、今回はレコーディング前にしっかりと準備ができたので、余裕を持って本番に臨めたんですよ。だから、これまでよりも若干生き生きとしていると思います(笑)。

-最後に7月18日から始まるツアーの意気込みを聞かせてください。

ヒロキ:久しぶりのリリース・ツアーですし、沖縄をはじめ、初めて行く場所も多いですし、もともとやってたことではあるんですけど、改めて、いろいろなところを回れることにありがたさを感じてますし、すごくワクワクしてます。アルバムのリリースからツアーまで短いんですけど、寝る間を惜しんででも聴き込んで、参加してほしいです(笑)。それぐらい僕らもわくわくしているので、みんなで作るツアーにしたいですね。

ワラビノ:ツアーに行けなくなってから改めて思ったんですけど、これまでいろいろなところに行ってきたのに、どうして行く先々でその土地を楽しまなかったんだろうって。もちろん、そのときは全力で楽しんで向き合ってるつもりでいたんですけど......、思うように動けなくなった今、振り返るとまだまだできたなって感じるようになったんです。だから、今回はこれまで以上にその日1日と、その土地土地との向き合いを大事にしていきたいと思います。

スケロク:僕は単純に、どういうゴールを迎えるのかが楽しみです。途中、11月で結成11年を迎えるんですよ。ちゃんと成長したうえでゴールできたらいいですね。