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INTERVIEW

Lonesome_Blue

2022.06.16UPDATE

2022年06月号掲載

Lonesome_Blue

Member:野村 麻衣子(Vo) 成美(Gt) 広瀬 ゆうき(Ba) MIZUKI(Dr)

Interviewer:宮﨑 大樹

-ちなみに最初に貰ったデモの曲とは?

広瀬:「Beginning Of The End」です。

-バンドの始動とともに発表された曲ですね。こちらは壮大でダークでヘヴィな楽曲ですが、1曲目ということで、バンドのイメージを作る重要な役割を担っていそうです。

野村:タイトルも相まって、すごくダークな世界観なんだな......と思いました。

広瀬:私は触れてこなかったジャンルで来ることは覚悟していたので、どんな曲が来るんだろうと思って聴いたんですけど、なんじゃこりゃと思いました(笑)。

一同:(笑)

広瀬:最初は"わからないジャンルの曲だなぁ"と思っていたんですけど、聴けば聴くほどに癖になってきて。こういうジャンルに触れたことがない方も、私みたいに何回も聴いたら癖になってくるよと言いたいです。

-Lonesome_Blueの歌詞はすべて英詞ですよね。野村さんは幼少期にニューヨークに住んでいたということなので、そこに対するハードルはそんなに高くなかったのでしょうか?

野村:洋楽や英語のミュージカルを好きでよく歌っていたので、英詞ということに関するハードルは特にありませんでした。

-とはいえ、全編英語詞の楽曲を声優が歌う機会ってなかなかないですよね。

広瀬:ないですね。でも、まいちゃん(野村)が帰国子女で、英語の発音がいいことは知っていたので、全部英語は挑戦だけれども、逆にまいちゃんだからできる、ハマることだなぁと思っていました。ただ、英語って......難しいじゃないですか(笑)? 今はまったく思わないんですけど、今まで応援してくださっていた方々にはどう聴こえるんだろう、どう感じるんだろうというところは気になっていました。1曲目って、私が普段聴いているジャンルのものだとわりとキャッチーというか、明るい、"これから始まるよ"、"これから幸せなことが始まるよ"みたいなものが多いんです。だけど、あえてLonesome_Blueの1曲目はつらさを前面に押し出していて。前向きさとかはなく、本当に本当につらいんだよね、という歌詞になっているので、そこが新しくて好きですね。

-Lonesome_Blueというバンド名の由来からして、初作品である1st EP『First Utterance』の1曲目に相応しいテーマだとは思います。

広瀬:たしかに。今の時代だからこその1曲目かもしれないなと、歌詞を読んでいても思います。

-歌詞についての印象と、それを歌うにあたっての意識したポイントや、レコーディングで印象に残っていることなどはありますか?

野村:"Beginning Of The End"というタイトルが、直訳では"終わりの始まり"という暗いイメージなのですが、この世界ってどんなものにも終わりはあって、人間の命も生まれたときから終わることは決まっていて、終わりがわかっているからこそ、今この瞬間が鮮明になるという考え方を知ってイメージが少し変わりました。曲中のウィスパー・ヴォイスの収録で、最初に"まず試しに自分のタイミングでやってみて"と言われて曲に合わせて収録したのですが、まさかの一発オッケーをいただいて、正真正銘の一発録りだったのが印象に残っています。

-広瀬さんは、演奏面での印象はいかがでしたか?

広瀬:ベースを引くことが生業なわけではないので、ベースを弾くこと自体がジャンルとか関係なく大変なんですけど(笑)、曲的にも難しいほうだと聞いていたので、どうしようと思っています。ただ、私が触れてこなかったジャンルに触れられているので、新しい世界に連れて行ってもらえるなと思いながら、前向きに食らいついていきたいですね。

-ドラム、ギターについてはいかがでしょうか?

MIZUKI:身体がもつか心配だったので、めちゃくちゃ筋トレして頑張りました(笑)。サビ前のフィルとかもパッセージがすごく速いので、耳も鍛えましたね。ギターもすごくカッコ良くて、パワフルなカッコいいサウンドになったと思います。

成美:ダークな曲だったので、作るときはそれをちょっと中和したい気持ちがありました。なのでソロはマイナー・スケール1発とかではなく、特殊なスケールを使って、ちょっと陽気に、狂った空気感を出すフレーズを作ってみたつもりです。

-Lonesome_Blueの楽曲は、デモであがってきたものを吸収していくスタイルなのかと思っていたんですけど、ギター・ソロは成美さんに任されているんですね。

成美:そうですね。ギター・ソロの尺が長すぎて、削ってくれと泣きついたくらいで(笑)。でもそれはダメだと言われてしまったので、必死に練りました。全体的な楽曲は制作担当のMaoさんが取りまとめてくれていて、勉強になります、本当に。

-EP 2曲目の「Parallel World (Lonesome_Blue feat.Ayasa)」は、宇宙船が飛び立つような導入もあり、SF的な世界観で疾走していく楽曲です。

野村:レコーディングは、挑発するようなイメージで歌いました。曲中の笑い声は、ディレクターの方が"何か遊びを入れたいな~"とおっしゃっていたので、"こんなのどうですか?"と試しに入れてみたのですが、採用されて嬉しかったです。

広瀬:スピードがすごく速いので、1回でも脱線したら終わりそう、振り落とされそうになる曲だなぁと(笑)。でも、歌詞にも"銀河へ 時速100万キロの流れに乗って"(※対訳)とか入っていて、宇宙感のある歌詞のイメージに合っている曲だと思います。ロケットって1回落ちたら終わりじゃないですか? そういう緊張感がありますね(笑)。

MIZUKI:この曲こそ1曲まるまる踏んでいるので、これは大変だなと思ったんですけど、最近は踏んでいると楽しくなってきますね。ライヴでやったらカッコ良くなるだろうなと思うので、早くライヴでやりたいなと。MVのときも大変で、翌日筋肉痛になりましたけど(笑)、すごく楽しみです。

-この曲ではヴァイオリン奏者のAyasaさんがゲスト参加していて、ヴァイオリン、ギターとソロを回してからのAyasaさんと成美さんとの掛け合いがカッコいいですね。

成美:ヴァイオリンとの掛け合いはやったことがなくて、ヴァイオリンの運指のシステムも知らなかったので、同じフレーズを弾けるのかなという疑問はあったんです。Ayasaさんはすごくテクニカルで、速弾きとかもできる方なんですけど、フレーズを合わせてハモることができました。ホッとした気持ちがありますね。

-Ayasaさんはミュージック・ビデオにも出演していて、衣装もお揃いですし、もう5人目のメンバーかのようでした。

MIZUKI:馴染み感が半端ないですよね。Ayasaちゃんは界隈とかがわりと一緒なんです。はじめましてだったんですけど、同い年ということもあって、初めてではない気持ちでレコーディングもMV撮影もできました。

-MVは演奏シーンがカッコ良くて、一方で宇宙のシーンにはかわいらしさもあって、コントラストの強い映像に仕上がりましたね。

広瀬:「Beginning Of The End」でのイメージから一気に変わったなと。それが狙いだったみたいです。雰囲気がまったく違って、観てくださる方をビックリさせられるんじゃないかなぁと思いました。サイケデリックな感じが"伝われ!"って思います。また次に出るミュージック・ビデオも違った雰囲気になるんじゃないかと予想ができて、楽しみです。

-「Beginning Of The End」、「Parallel World (Lonesome_Blue feat.Ayasa)」の流れで、その次の「Welcome To Heavenly Secret Base」が、まさかのダンス・ナンバーなんですよね。重厚ながら四つ打ちで踊れる楽曲に仕上がっているあたりが、まさにハイブリッドを感じました。前の2曲とはガラっと印象が変わりますけど、ひとつのバンド、ひとつの作品内でこういった振れ幅を出せていることについてはどう感じていますか?

野村:ひとつのイメージにとらわれず、いろんな楽曲を歌えるのは歌っていて単純にすごく楽しいです。

-歌唱の面でも、前2曲とはアプローチの仕方が異なるように感じます。

野村:他の楽曲と比べると、軽くさらっと歌うことを心掛けました。ふわふわした浮遊感を表現できるよう意識しました。

MIZUKI:この曲はひたすら楽しいですね。フィルも自由にやらせていただいています。いいですねぇ、四つ打ちは(笑)。

成美:四つ打ちの楽曲は聴いてはいたんですけど、自分の作品としてアウトプットしたことがなかったんです。若干の悩みもありつつも、アメリカン・ハード・ロック、60~70年代のテイストが好きだし、このバンドにすごく似合うなと思っています。

広瀬:私は、この曲が一番耳に入りやすかったというか、普段聴いていたものに一番近かったので聴きやすかったですね。英語なので、最初は何を言っているか私にはわからなかったんですけど、すごく踊れる曲だなぁと思ったんです。客席で、フロアで踊りながら聴きたいなと思う曲だったんですけど、歌詞を読んでみたら"踊り続けよう"(※対訳)と入っていたので、私がこの曲に対して感じたことと一致していて嬉しかったです。