INTERVIEW
Lonesome_Blue
2022.06.16UPDATE
2022年06月号掲載
Member:野村 麻衣子(Vo) 成美(Gt) 広瀬 ゆうき(Ba) MIZUKI(Dr)
Interviewer:宮﨑 大樹
-続く4曲目が「Labyrinth」です。
野村:デモを聴いたときに"一番好き!!"と思ったのが「Labyrinth」です。イントロのピアノからギターの音が入るところがまさに迷宮を感じさせて好きです。迷宮にとらわれたもどかしさや怒りを表現できたらいいなと思って歌いました。"please let me be myself"という箇所がまさにそんな気持ちを表しているようで一番好きなところです。
-この曲は変拍子や転調が出てくる複雑な楽曲ですね。
広瀬:難しいぃ......。
MIZUKI:8分の5の間奏とかね。
広瀬:ベースの先生がいるんですけど、先生からは"この曲が一番大変かも"と言われました。というのも、他の曲と比べてベースが目立つ部分があるんです。"リズムを間違えるとカッコ悪くなっちゃうから、絶対に間違えないで弾けるようにならないとダメなんだよ"と言われて、"なんてことだ!"と思いました(笑)。隠れられないというか......(笑)。ドラムとギターが静かになるところでは、ベースが立って聴こえてくるので、ベースの音を聴くのが好きな人にとってはすごくいい曲です。
MIZUKI:ドラムとしては、ベースが引き立ったあとの後半戦の連打が大変だったんですけど、これもライヴでやるのが楽しみですね。
-リズム隊に続いて、ギターについてはどうですか?
成美:私は昔から変拍子の曲が好きだから抵抗はないので、"リズム隊に合わせます"という気持ちですね。
広瀬:そうなんだ......。
MIZUKI:頑張ります(笑)!
-(笑)EPのラストを飾る「Total Eclipse」は、覚悟や希望、視界が開けるイメージを受けました。この曲については、どんな気持ちでレコーディングに臨みましたか?
野村:バンド名でもある"Lonesome_Blue"、寂しい、青いような気持ちを抱えた誰かに寄り添えますようにと祈りを込めて歌いました。
-こちらは作品内で最長の6分超えの1曲ですね。
MIZUKI:今どき珍しいですよね、6分超えって。
広瀬:長いですよね、ビックリしました。4分くらいのところで終わると思ったら終わらないんですよ! この曲の好きなところはそこなんです。終わってくれないところ。終わったと思ったら別の何かが始まるのが、楽しくて好きです。
MIZUKI:私はこういうジャンルを叩くことが多かったので、楽しくできたし、最後に壮大な3拍子で終わるところも個人的には気に入っています。バックにオーケストラが入ってるイメージの曲なので、そういうところも壮大でいいなぁと思いますね。
-物語のエンディング感がありますよね。
MIZUKI:そうですね。まさに5曲目にぴったり。明るく終わる感じがいいですよね。
-EPの最初では感情的に下から入っていって、最後は上に突き抜けていく感じ。
成美:この曲でようやく前向きになってくれたんだなって。2曲目も3曲目も明るい曲ではあるんですけど、どこかちょっと病的な、病んでいる感じがあって。最後でようやく"これから私たちは前に進めるぞ"というのを置けたので、ここから頑張っていきたいと思う曲です。
広瀬:うん。この曲から頑張っていきます。さっき言ったように「Welcome To Heavenly Secret Base」が入ってきやすかったんですけど、「Total Eclipse」もすごく入ってきやすくて。アニメのオープニングっぽいと思ったんです。間奏のリズムが変わるところが好きですよ。"デデデ、デデデデデデ"って上がっていったあとに、"スタタンタンタタン"ってなるところが好きで(笑)。
-それ、文字にしたら伝わらないですよ(笑)。
一同:(笑)
広瀬:聴いたらわかるはず(笑)!
-EPを聴いて確かめてみてくださいということで(笑)。メタルとかハード・ロックとか、激しい音楽をあまり聴いてこなかった広瀬さんが聴いても、すっと入ってくる作品だということですよね?
広瀬:そう思います。プロデューサーさんから"この曲はプログレだよ。プログレは今のアニメの曲にも盛り込まれているんだよ"と教えてもらったんです。それを聞いて合点がいきました。私が大好きなElements Gardenさんの曲、アニメのキャラソンとかそっち系にもプログレの風が入ってるらしくて、そう思って聴いたら通ずるものを感じて、Lonesome_Blueの曲が好きになったんです。なので、私のことが好きで、私と似たような曲しか聴いてこなかった人とか、私のこととか関係なくそっちのジャンルを知らない人でもたぶん好きになれると私は思っています。
-EPの各曲について聞いてきましたが、『First Utterance』1枚を通して、どんな作品に仕上がったと感じていますか?
野村:Lonesome_Blueとしてのいろんな表情が見れる、初めての1枚に相応しい作品だと思います!
-タイトルの"First Utterance"は"最初の発声"という意味ですね。
広瀬:タイトルはみんなで決めました。
成美:5曲ともジャンルがバラバラで、これがハイブリット・ロック・バンドなんだろうなと思うんです。いろんな要素をまずはやってみて、この5曲の要素を次の作品に繋げられたらいいなという想いを込めて、最初に提示するものとして"First Utterance"になっています。
-1stでこれだけ幅が広いと、2枚目がどうなるのか気になりますね。こんな楽曲に挑戦してみたい、とかはありますか?
MIZUKI:私は跳ね系の重いやつとかやってみたいかも。3連系とか。何かありますか?
成美:フュージョン系のギター・ソロを弾きたい。
MIZUKI:たしかにまだ入ってない。あぁ、いいですねぇ。
広瀬:私は、ムーディーでロマンチック、切なげだけどノれるやつがいいですね。
MIZUKI:バラード系もないもんね。
-さて、8月1日にはバンドにとっての初ライヴ"Lonesome_Blue 1st EP 発売記念 購入者対象配信ライブイベント"がありますね。
野村:Lonesome_Blueとしてライヴをできる日をとにかくずっと楽しみにしていました。初めてのライヴなので、"このバンドはすごいぞ!"と興味を持ってもらえるように頑張りたいです。
広瀬:絶賛個人練習中で。早く合わせたいです。
MIZUKI:最初が配信ライヴで、お客さんがノっているところを観ることができないのは残念ですけど、そのぶんこっちから提示できるようなライヴにしたいと思います。パフォーマンスとかもこれから決めていくんですけど、どんな感じにしたらいいかなぁって考えるのがもう楽しみです。
成美:声優さんのおふたりと一緒にやってみて思ったんですけど、エンタメ性が高いんです。そこに食らいついていきたい気持ちがあります。人を楽しませることにものすごく長けているふたりなので、純粋にバンドだけをやってきた人間とはまた別のスキルを持っているんですよ。そこは見習って、盛り上げていきたいです。
広瀬:私はスキル面で採用されたわけではないので、"なんで声優がベース担当なんだろう?"と思っている方もいらっしゃるだろうし、私のことをもとから応援してくださっている方でも、"なんで広瀬がベースをやるんだろう?"と感じる方もいらっしゃると思うんです。そういう方々に、"だからベース担当になったんだな!"と思ってもらえるくらいのパフォーマンスができたらいいですね。スキルではなく、"ナナシス"のパフォーマンスでの魅せ方で採用されているなと思ったので、そこを見せていければなと。最終的に"Lonesome_Blueのベースは広瀬しかありえない"と思ってもらえたら正解なのかなと思います。
-最後に、このバンドで達成したいことはありますか?
MIZUKI:せっかく英詞なので、海外ツアーと海外フェス、あとは野外ライヴに合いそうな曲ばかりなのでやりたいです。あと、今は曲を絶賛制作中で、アルバムの準備をしております!
広瀬:お楽しみに! なのでみなさんのご意見、ご要望をお早めに(笑)。私は武道館に立ってみたいです。ロックと言えば武道館だと聞いたので。今はまだまだですけど、できるように、あとは日本でもツアーしたいですね。いろんな場所に行って、いいと思ってくれる方を増やしていけたらなと思っています。
成美:私もふたりと同じ気持ちです。あとは最初にも言ったんですけど、畑違いの生い立ちが違う人間が集まったので、楽曲の幅をどんどん増やしていきたいなと。自分の幅も成長させていきたい気持ちもこのバンドであります。
野村:今Lonesome_Blueは始まったばかりで、与えてもらったLonesome_Blueというからっぽな器を、4人とファンのみなさんで少しずつ満たしていきたいです。いつか自分にとっても、ファンの方にとっても宝物だと心から思えるようなバンドにしたいです。
-始動したばかりですけど、今日話していて、すでにバンドの雰囲気ができあがっているように見えました。
広瀬:つい最近初めて4人でごはんに行って、お互いのパーソナルなこととかを話したりしたんですけど、4人の相性がいいんじゃないかと思って。いい意味で、ひとりでも欠けたらダメな状態にすでに来ちゃった気がしています。4人のバランスがすごくいいんです。