MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

The DUST'N'BONEZ

2022.05.18UPDATE

The DUST'N'BONEZ

Member:nao(Vo) 戸城 憲夫(Ba) 坂下 丈朋(Gt) 満園 英二(Dr)

Interviewer:山口 哲生

戸城憲夫(ex-ZIGGY/THE SLUT BANKS)、坂下丈朋(ex-SADS/THE SLUT BANKS)、満園英二(ex-SADS)によるロック・バンド、The DUST'N'BONEZ。2011年に前ヴォーカルの森重樹一の脱退以降活動休止状態になっていたが、首振りDollsのnaoを迎え、約12年ぶりとなるアルバム『Search and Destroy』を完成させた。エネルギッシュでスリリング、繊細で緻密さのある楽曲がずらりと並んだ、痛快なロックンロール・アルバムであり、第2期"ダスボン(The DUST'N'BONEZ)"の第一声となる本作について、4人に話を訊いた。

-2011年以降、活動停止状態になっていましたが、首振りDollsのnaoさんをヴォーカルに迎えて、約12年ぶりのアルバム『Search and Destroy』をリリースされます。現メンバーでは、2019年から不定期でライヴをされていたそうですが、もう一度動き出そうというのはその頃からお話しされていたんですか?

戸城:いや、全然。本当にやろうってなったのは......レコーディングっていつだっけ?

nao:今年の3月とかです。

戸城:その頃だから、厳密に言うと今年(笑)。

-そうなんですか?

戸城:だって、それまでは余興みたいなもんだから。

坂下:ははははは(笑)。

戸城:たまたまダスボンの4分の3が揃ったから、久しぶりに演奏したいなと思って。で、俺が首振りDollsのプロデュースをしてるから、まぁ、そういう圧力的なところから。

nao:圧力とかはないです(笑)。

戸城:ないけどな(笑)。最初は、まぁちょっとやりたいなっていうぐらいだったんだけど、やろうと思ったら曲を作りたくなって、ライヴをそんなにたくさんはやっていないけど、新曲も披露したくなって。そしたら音源を出したくなるじゃないですか。それで、最初はミニ・アルバムぐらい出させてくれないかなって、ディレクターに相談したんですよ。そしたら"いいっすよ"みたいな軽い感じで、なんていいレコード会社なんだ! と思って。それが気づいたら、アルバムになってた(笑)。どんどん曲ができちゃって。

-坂下さんとしては、ちょっとやってみようというお話が来たときにどう思われました?

坂下:そこはもう戸城さんがやろうよって言ったら、やろう! ってなるのは普通だし、The DUST'N'BONEZはいいバンドだったから。でも、やっぱりヴォーカルが一番大事だと思うし、どうなるのかなと思っていたら、naoちゃん!? って。首振りDollsはTHE SLUT BANKSで何回か対バンしたこともあったし。

戸城:何回かっていうか、たぶん一番対バンしてるよ(笑)。

nao:一緒にバンドやったこともあるんですよ。DEEP KISSっていう名前で。

坂下:あぁ、KISSのカバー・バンドね(笑)。それは遊びでやってて。僕は首振り(首振りDolls)のいちファンだったから、最高じゃん! って。

戸城:たぶん、nao君と出会ってなかったらやってないと思う。やっぱり歌えるやつがいないと。前のヴォーカルは歌もパフォーマンスも良かったから、どっかの適当なやつに歌わせて比べられるのも嫌だったからね。でも、比べても遜色のない人間がいるのであれば、やりたいなっていう気持ちはずっとあったから。それが一番大きいかな。nao君と知り合いになれたってことが大きい。

-naoさんとしてもお話が来たときは、ぜひよろしくお願いします、と。

nao:そうですね。最初はツアーのアンコールで出てくる感じだったんですよ。そこから何回かライヴをやるうちに、戸城さんが新曲を作ってきて、気づいたら本格的になっていた感じだったので。最初にお話をいただいたときには、僕でいいのかなと思ったんですけど、ライヴをやってみると、お客さんの顔も見るじゃないですか。ダスボンってみんな楽しいんで、そんな感じで決まりましたね。

-満園さんはいかがでした? ライヴでの手応えは、やはりありましたか。

満園:うん。前もそうだったけど、曲を揉んで揉んで、ライヴごとに毎回違うテンションでやっていて、それは俺のスタイルでもあったし、ダスボンのスタイルでもあって。それでまた久しぶりにスタジオに入ってライヴをやったら盛り上がったし、熱かったから、手応えはありましたよ。

-naoさんのことはよく知っていたんですか?

満園:いや、俺はあんまりよく知らなかった。でも、リハでバッチリだったからすごくよかったです。入ってくれてありがとう! って何度も思ってる。

坂下:ははははは(笑)。

nao:いやいやいやいや。

満園:いや! これはホントだから! ホントに思ってる!

坂下:ラッキーだよね?

満園:ラッキーだよ! やっぱり森重さんが素晴らしいシンガーだったし、ダスボンの曲を歌える人なんて、そうそう見つかるもんじゃないから。

戸城:nao君とは親子ぐらい歳が離れているけど、要は、それだけ人材がいないんだよ。自分が思うような人材がいなかった。別にメンバーみんな、顔が広いほうではないけど狭くもないから、いろんなバンドを見て、"お前やんねぇか?"って強引に誘いに行ってもいいんだけど、そういうやつもいなかったんだよ。もしかしたら自分が知らないだけで、どこかにいるのかもしれないけどね。だから本当にね、出会えて良かったなと思います。

-戸城さんが、naoさんというヴォーカリストに一番魅力を感じた部分というと?

戸城:首振りDollsって、"君たちが、俺が思っていたロックを後継してよ"みたいな感じで、俺が紹介してデビューしちゃったところがあって。俺が理想として描いていた、子供の頃に衝撃を受けたAEROSMITHとかKISSとか、あれをやってくれていたから。俺はずっと常にそんなことばかりやってきたけど、下のバンドにそういうやつらがなかなかいないじゃん。そういうところもあったし、もちろん歌も歌えるなと思ったから。こいつは(首振りDollsでは)ドラム&ヴォーカルだけど、地獄ヘルズっていう遊びみたいなバンドをやったときに、そのときは立ちヴォーカルで。それを見て、パフォーマンスもいけるんだなと思ったんです。やっぱりシンガーって、歌が歌えてもパフォーマンスがカッコ悪いとね。

-そこは本当にデカいですよね。

戸城:デカいよね? だからそう思って、とりあえず"70年代のSteven Tyler(AEROSMITH/Vo)を見てみろ!"とか"今のロックに必要とされるのはこれだ!"って(笑)。

nao:言ってましたね。飲みながら力説してた(笑)。

-実際にいろいろとパフォーマンスのことは考えていたりするんですか?

nao:いや、いつもはドラム&ヴォーカルだから、本当はステージのキワッキワのところまで行って歌いたいけど、できないじゃないですか。そのフラストレーションはあるから、それをぶつけている感じです。一番前に行って、やりたかったことをやっている感じ。

-なるほど。坂下さんは、naoさんとステージに立ったときにどんなことを思いました?

坂下:やっていて燃える感じがありますよね。そういう人ってあんまりいないんですよ。僕、自分の能力はさておいてすごい人たちと今まで一緒にやってこれた経験上、naoちゃんはやっぱりいいですよね。

nao:嬉しい......!

坂下:いやいや、ほんとに。

nao:今日はぐっすり眠れそうです。

-今作について、もともとはミニ・アルバムの予定で、気づいたらアルバムになっていたとのことでしたけど、それぐらい曲がどんどん生まれていったのは、やはり手応えを感じていたからなんでしょうか。

戸城:でもまぁ、そこは毎回そうかな。(レコーディング)手前になるとできちゃう。それがいい曲かどうかは別として、なんかできちゃったなって感じ(笑)。

-楽曲を作っていく流れみたいなものは、第1期の頃とそこまで変わりはなく?

戸城:そこらへんは変わってないね。曲構成とかイントロとかメロディをまず自分で全部作って、放り投げるんですよ。それをみんなでぶち壊していくやり方。やっぱりみんなと演奏すると、かなり違う部分とかいっぱい出てくるから。あと、首振りDollsのプロデュースをしているとはいえ、曲とかを一緒にやっているわけじゃないから、nao君が一番生きるキーはどこなのかを探るところだけは、ちょっと苦労したかな。デモ・テープからキーを変えたのが何曲もあったし、このキーがはたして正解だったのかっていうのは、まだわからない。もっといいところがあったんじゃないかなって思うのは、何曲かあるんだけど。

-キーの問題もありつつ、naoさんに映える曲を作ろうみたいなことを考えたりはされました?

戸城:そういうのはないね。音域のおいしい部分を考えたりはしたけど、全体的な雰囲気とかリフとかは、"長髪の人がやっている感じ"。

坂下:ははははは(笑)。

戸城:THE SLUT BANKSは歌い手(TUSK)が短髪のおじさんだから、もうちょっとパンキッシュなんだけど、このなんとも言えないエロい感じっていうかね。

nao:TUSKさんにはTUSKさんのエロさがありますから。

戸城:そうそう。だから、そのへんはお互いの雰囲気として、全体的な曲調としては"長髪の人のバンドの曲"。そういうところは意識してました。

-アルバムに収録されている楽曲の中で、最初のほうにできた曲はどのあたりでした?

戸城:「dust bunny」は、アレンジは全然違ったんだけど、ライヴで披露していて。あと「sad rainy」は、自分の中でデモ・テープを作っていていい感じだなって。それが最初の1、2曲かな。

-続々と曲が生まれてきた中で、「Search and Destroy」をタイトル曲にされた理由というと?

戸城:そこはね、アルバム・タイトルを決めるときって、大概めんどくせぇから収録曲の中にキャッチーなタイトルがあったら、そこから選んじゃう癖があって。"Search and Destroy"ってなんかカッコいいし、THE STOOGESの中で一番好きな曲なのよ。それと一緒だし、これでいいやって。

一同:(笑)

戸城:ダスボンが昔に出した『ROCK'N'ROLL CIRCUS』(2006年リリースのメジャー・デビュー・アルバム)も『COCKSUCKER BLUES』(2008年リリースの3rdアルバム)も、全部THE ROLLING STONESから来てるから。ストーンズ(THE ROLLING STONES)からTHE STOOGESになったぐらいの感じ。だから決して推し曲ではない(笑)。

nao:推し曲じゃないんですか?

戸城:違う違う。これは繋ぎ。

nao:繋ぎ!?

満園:かなりの繋ぎだけどね(笑)。

坂下:繋ぎは繋ぎで大事だから。それがないと成り立たないから。

戸城:まぁ自分の中では全部推し曲だから。

-歌詞はすべてnaoさんが書かれていますけど、曲によりけりだとは思うんですが、書くにあたって、最初にいろいろと考えたところはありました?

nao:まず、ダスボンの歌詞をいっぱい読みました。で、文体が近くなるような感じは意識したんですけど、戸城さんの曲って、"burning"とか"warning"みたいな単語がすごくハマるんですよ。だからたぶん、今までのダスボンも、戸城さんが作ってきた音の雰囲気に導かれて書いている部分があるんだろうなと思って。だから、曲に結構任せて、出てきた単語を広げていく感じでしたね。

-「Search and Destroy」は、歌詞に"探して探してぶち壊してよ"とあって。そこも曲からインスパイアされて出てきたと。

nao:そうです。そういう破壊的な感じとか、"酩酊状態"とか"放心状態"みたいな、もともとダスボンにあったような四字熟語っぽい言葉を並べるとか。そういうことを書いていたらこれが出てきたんで、"Search and Destroy"にしようかなって。

-それが広がって、アルバム・タイトルにまでなったんですね。

nao:まさか(アルバムの)タイトルになるとは思ってなかったですけど(笑)。

戸城:まぁ、キャッチーだからね。ジャケットも俺が考えたんだけど、ここからどんどん広がっていく感じだったから。