INTERVIEW
TAKE NO BREAK
2022.05.12UPDATE
2022年05月号掲載
Member:淳(Vo) 朋(Ba) デスヲ(Dr)
Interviewer:山口 哲生
実はまだ新体制になったTAKE NO BREAKの全貌を出せていないんですよ
-もう1曲の「Can't see the light?」は、淳さんのバースデイ・ライヴでやろうと思って作っていたと。
朋:淳さんのことを思いながら書いたんですけど、結果、初披露が俺の誕生日ライヴになりました(笑)。
淳:ははははは(笑)!
-(笑)淳さんのことを思いながらというのは、どんなことを思いながら?
朋:まぁ、これからもよろしく的な感じですね(笑)。体制が変わってすぐの頃だったので、まだコロナのこともあって、心境も環境もこんな感じではあるけど、TAKE NO BREAK頑張っていこうや! みたいな感じでした。
デスヲ:最初に聴いたときは、朋君の得意な曲のひとつだなっていう感じでしたね。「dirty_white」(2018年リリースのシングル表題曲)の流れを汲む感じで、奇をてらっていない、疾走感重視のロック・チューンというか。個人的には2サビの前のキメが好きなんですよ。あそこがめっちゃフックになっていて。曲に対して、どこか一部分でもめっちゃ好きなところがあるっていうのは、自分的にはいい曲なんだろうなと思ってますね。
朋:それこそ、この曲は3人ぐらいのギタリストに弾いてもらっているんですよ。で、こんなに変わるんだ? っていうのを実感した曲でもありますね。
-淳さんとしては、朋さんがそういう気持ちで作ってきた曲をどう受け止めました?
淳:こういう取材とかで初めてその話を聞いたんですよ。でも、朋さんが僕のことを思ってじゃないけど......歌詞のテーマとして、自分の周りには病気になったりとか、なかなか自分が思うように活動できない方が結構いて。だから、応援歌じゃないですけど、そういう方のパワーになるような歌詞にできたらいいなと思いながら書いてました。
-そういった部分もありつつ、前回の取材(※2020年4月号掲載)で、淳さんがTAKE NO BREAKの歌詞は基本的に下ネタが多いというお話をされていましたけど。
淳:「You'll be reborn」はめっちゃ意識してますよ。
-え、マジですか? 例えばどの部分です?
淳:"海辺"とか、自分のイメージ的には女性のちょっとそういう部分みたいな感じなんですけど、そういうふうには聴こえないようにしてます。
デスヲ:なるほど。この方は下ネタに関しては有段者ですから。
淳:ははははは(笑)!
デスヲ:ちょっと何言ってるかわからないと思いますけど(笑)。
朋:うん、マジでわからない(笑)。
-個人的には「CALLING」にはそういう感じがちょっとあるのかなと思いましたけど。
淳:こっちはあんまり気にしてなかったです。
デスヲ:すみません、有段者なので一般人にはちょっと難しいかもしれないですね(笑)。
-もはや師範的な(笑)。
淳:ははははは(笑)!
-素敵です。あと、今作はアレンジャーで新しい方を起用されたというお話がありましたけど。
淳:「Can't see the light?」を室姫 深さんにお願いしました。以前、DooDooDooMiuMiuMiuと対バンさせてもらったときに、めっちゃいいなと思ったし、いつかアレンジしていただきたいなと思っていたんですよ。それで、自分ら的にもチャレンジなタイミングで、ちょっとお願いできないかなって。
-ある程度、バンド側で固めたものを投げたんですか?
淳:そうです。それをいい感じにしていただけました。あと、「You'll be reborn」は、アレンジャーは入れていなくて、「CALLING」は以前もアレンジしていただいたYOW-ROW(GARI/Vo/Prog)さんですね。
-当初はミニ・アルバム想定だったことを考えると、この次の1手は比較的早いタイミングなのかなという想像を勝手にしてしまうんですが、そのあたりはいかがです?
淳:そうですね。年内にもう1回ぐらいリリースしたいなと思ってはいるんですけど。
-デスヲさんは、今も曲を作ってます?
デスヲ:先月がちょっと忙しかったんで止まっているんですけど、やっぱり曲はどんどん溜めていかないとダメだなと思ってますね。例えば、何かリリースするとして、5曲入れようとなったときに5、6曲しかないような状態ってあんまり良くないよねっていう話を、去年の年末ぐらいからバンド内でしてたんですよ。今回たくさん曲を持っていったのも、そこに対する自分の挑戦でもあったんですよね。そうやって曲を作っていくなかで、こんな感じだとメンバーが"おっ!"と思うんだなとか、こういうものが好きなんだなってのがなんとなくわかってきて。この勘が鈍らないうちに、もうちょっと作りたいなと思ってますね。
-自分の中でしっかりと温まっている状態をしっかりキープするというか。
デスヲ:そうですね。自分の中のクリエイティヴィティも冷めないようにしたいなと思って。もうね、書かなくなると、ほんっとに書かなくなるから(笑)! 作曲する人って、どれだけモチベーションが上がらなくても、毎日必ずパソコンの前に座って、DAWを立ち上げるんですって。で、しんどいな......と思いながらやっているうちに曲ができて、それを繰り返しているんだよって話を聞いて、なるほどなぁと思って、そういうことをやっていたんですよ。外から帰ってきてからも、1回DAWを立ち上げてみるとか、サンプルの音を聴いてみるとか。そうしていると、意外と曲の断片ができたりするんですよね。それを引き続きやっていこうかなっていうのは思ってます。
-朋さんも曲は作っていると。
デスヲ:この人は日常的に作ってますからね。
朋:うん。TAKE NO BREAKとしても、まだまだいろんなパンチを出していきたいので、そういうチャレンジ的な曲作りは、僕も日課のひとつじゃないけど、ルーティーン・ワークとしてちゃんとやっていきたいなと思ってます。
-どんなパンチを出してみたいです?
朋:なんだろうなぁ......今回のシングルは3曲なので、実はまだ新体制になったTAKE NO BREAKの全貌を出せていないんですよ。
-気になりますね。
淳:もしかしたら、そこがわかってくるのは、アルバムとか、ある程度まとまった作品が出るときになんじゃないかなと思いますけどね。
デスヲ:ただ、それをどうまとめるか? っていうのも難しいんですよね。いろんなことができるし、いろんな曲を書けるけど、それをどういうふうにひとつの色にまとめるかっていうところは、課題のひとつかもしれないなって。振り幅がデカすぎるというか。このバンドといえばこれ! っていうのがあるじゃないですか。"あのハードなバンドね"とか"あのポップなバンドね"みたいな。そういう何かの形容詞にまとまっていない気はしているので。
朋:そうだね。だから、いろんなパンチを出したいんですけど、キックではないんですよ。
デスヲ:そうそう。弱パンチ、強パンチみたいな。
朋:寝技ではないっていう。
デスヲ:だから、TAKE NO BREAKといったらこれだよねっていう。いろんな曲がある中で、どう一本筋を通すのかというのは、作曲するにあたって考えていかなきゃいけないところかなと思いますね。"このヴォーカリストが歌えばそのバンドになる"みたいなことってよく言うじゃないですか。なんか、そういうのって若いからできることだって思っちゃうというか(笑)。自分たちはそこからもうだいぶお歳が進んでいるので、さらにもう一歩踏み込んで、ちゃんと意識して考えたいなと思います。
-5~6月にはシングルのリリース・ツアー("TAKE NO BREAK 2022tour -We'll be reborn-")、7月18日には淳さんのバースデイ・ライヴの開催を発表されていますが、2022年はこの先もいろいろと予定が決まっているんですか?
淳:そうですね。そこは、やれることはできる限りやろうと。ワンマンもそうですし、いろんなバンドともやっていけたらいいなっていうのはありますね。対バンとか。
デスヲ:横の繋がりを増やしたいんですよ。一緒に勝負できるような、共有できるバンドを増やしたいなと思っているので、対バンも積極的に顔を出したいし、自主イベントとかもやりたいです。
朋:やっぱり、音楽は触れ合いというか。魂の琴線に触れるとか、感受性に訴え掛けられる場所というのは、ライヴになってくると思うので。みんなの日々がハッピーで生き生きとしたものになるように、最高の演奏を届けたいです。