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INTERVIEW

FOUR GET ME A NOTS

2022.05.18UPDATE

2022年05月号掲載

FOUR GET ME A NOTS

メンバー:石坪 泰知(Vo/Ba) 高橋 智恵(Vo/Gt) 阿部 貴之(Vo/Dr)

インタビュアー:山口 智男

男女ツイン・ヴォーカルのメロディック・パンク・バンド、FOUR GET ME A NOTS(以下:フォゲミ)が『SUN』『MOON』、2枚のEPを2ヶ月連続でリリース。対になるコンセプトを持ったその2枚が印象づけるのは、現在のバンドのモードだ。音楽に対する変わらぬ思いと音楽面における新たな試みをメンバー3人が語る。5ヶ月におよぶツアーを経て、バンドの活動はさらに勢いを増してきた。

-フォゲミは5月18日に『SUN』、6月15日に『MOON』という対になる2枚のEPを2ヶ月連続でリリースします。

石坪:制作を進めていくなかで、今年の活動は、『SUN』の4曲と『MOON』の4曲という計8曲を軸に行こうとなったんですけど、レーベルと相談して、その8曲を収録した作品をリリースするよりも2枚に分けて、話題を提供しつづけられる形にしようということになりました。

-では、『SUN』と『MOON』、それぞれに設けたテーマに合わせて4曲ずつ作ったわけではなくて、作った8曲を『SUN』と『MOON』に分けたわけですね。

石坪:そうです。僕ら、紆余曲折を経てきたというか、バンドを始めた頃は現在のようなメロディック・パンクをやっていたんですけど、そのあとエモに寄ったりとか、曲調がゆったりしたものになったりとか、いろいろやってきていて。それがここにきて、また原点に戻りつつ、さらに激しくなってきているんです。それがわかりやすく表れた4曲が『SUN』で、『MOON』は僕らがいろいろやってきた延長という感じがあるのかな。

-『SUN』と『MOON』の2タイトルを購入して応募すると、もれなく2021年9月の渋谷TSUTAYA O-WEST公演と2021年12月の千葉LOOK公演のライヴ映像を収録した特典DVDを貰えるということなので、『SUN』と『MOON』の話の前に、その2公演を含む昨年の"DEAR & KEEP THE FLAME TOUR"について聞かせてください。北海道から九州まで5ヶ月かけて計26本を行ったわけですが、1年越しのツアーということで、いつも以上に感慨深いものがあったのではないでしょうか?

石坪:行く先々に待ってくれているお客さんがいて、もちろん以前のような形で回れたら良かったとは思うんですけど、それでも納得いくライヴをやりながらツアーができたので、一本一本が楽しかったし、コロナ禍ではあったけど、ほぼ全公演来てくれたお客さんもいたし。ツアーをやって行かないと、やっぱり繋がっていかないなと思っていたので、そういう意味では達成感もすごくありましたね。

阿部:無事に回れて良かったっていうのがまずあります。(新型コロナウイルスの感染者が増えて)危ないかなってときもあったんですけど、1本も跳ばさずにツアーを完走できたことが何よりだと思います。そのなかで久しぶりに会う人もいっぱいいて。いろいろ話をしたんですけど、地域によって(コロナ禍の)状況や考え方も違うってことを話に聞くだけではなく、自分の実感として感じ取れたのは良かったですね。それはまた次のツアーでも生かせると思います。

高橋:行かないと会えない人たちに会えたのが嬉しかったです。バンドもそうだし、お客さんもそうだし。北海道とか九州とか、本州に来られない子たちもいるので、その子たちにも喜んでもらえたんじゃないかと思います。以前のような、うわーっていうライヴはできないけど、私、物販にも立っているのでそこでそういうことを直接耳にできて嬉しかったです。

-一本一本、大事にやってきたと思うのですが、その中でも特に思い出に残っているライヴってありますか?

高橋:札幌で、ボッチ君(石坪)がMCで泣き出したのはすごく覚えてる(笑)。

阿部:あぁ~。あったねぇ(笑)。

高橋:感極まったのか、うぅ~みたいな感じで。そこまで感情が上下するタイプじゃないボッチ君がそうなったってことは、"あ、いいツアーを回れてるんだな"って思いました。あ、すみません、恥ずかしい思い出だった(笑)?

石坪:いや、そんなことはないけど(笑)。北海道はツアーの中盤ぐらいだったんですけど、そこまで本当にライヴハウスや音楽が好きという人たちだけが集まって、一本一本楽しい夜を過ごせてきたっていうのがすごく嬉しくて、その気持ちが満杯になって溢れたのかもしれないですね。

高橋:あと、うちらがバンドを始めた頃に聴いていてくれてた子たちがステージに立つようになって、そういう子たちと対バンってことが多かったっていうのもあるよね。

石坪:そうだねぇ。

高橋:繋がっているような気がして、それはすごく嬉しく感じました。そういういろいろなことが相まって。

-感極まったわけですね。

石坪:僕ら18年ぐらいこのバンドをやっているんですけど、続けてないと体験というか、感じることができなかったことだなっていうのはすごく実感しましたね。

-その他、思い出深いライヴはありますか?

高橋:全箇所いろいろあるんですけど。

阿部:そうだねぇ。

高橋:九州はスペサン(SpecialThanks)と4本やったんですよ。だから、5日間とか6日間とか一緒にいたので、今までにないくらいギターの話もスペサンのToshiki(Gt)として。そのなかで楽しいだけじゃなくて、悔しい思いもいっぱいしたしみたいなところもありました。

石坪:スペサンが今回、一番やったんだっけ? 『SUN』の話になりますけど、3曲目の「Master of the dice」の最後にToshikiがゲスト・ギター&シャウトで参加してくれたんですよ。

高橋:弾き倒してもらいました。

石坪:ツアーを一緒に回って、めっちゃ仲良くなって。

-そのToshikiさんと話しながら、高橋さんは悔しい思いもしたそうですが。

高橋:言っちゃえば、女子ですから、対等に話をしてくれる後輩ってほとんどいなかったんですけど、Toshikiははっきりとダメ出ししてくれて。うわー、ムカつくって思いながらそれがすごく心地よくて、嬉しくて、負けられねぇみたいな(笑)。私にとってはすごくいいやつです。

-Toshikiさんは高橋さんよりも年下にもかかわらず、そんなにはっきり言うんですね?

高橋:もちろん、敬意を払いつつだとは思うんですけど、そんなふうに真正面から向かってくる後輩は今までいなかったんですよ。

-なるほど。Toshikiさんが参加した、その「Master of the dice」と「Let it go」は、おっしゃっていた原点回帰というモードが色濃く表れていますね?

石坪:18年やってきて、初期よりも速い曲をやるっていう(笑)。原点を超えて、さらに遡ってしまったぐらいの勢いの2曲ではありますね。

-そういう曲を作ろうというテーマがあったんですか?

石坪:いや、出てきたものがそれだったんです。

高橋:「Master of the dice」は私が軽い気持ちで、こういうのやってみたいって作った曲がそのまま採用されたんですよ。

阿部:"今までやってないことをやってみたら? シャウトしちゃいなよ"って話をした直後に「Master of the dice」のデモが送られてきたんですけど、それがすごく良かったんです。おぉ、すげぇじゃんってなりました。ほぼ智恵さんが作ったデモのままなんですよ。

高橋:私、これまでシャウトなんてしたことなかったんです。でも、ちょっと曲作りが迷路にハマっていた時期だったから、"肩の力を抜いてみたら?"と言われて、じゃあやってみるかって。

阿部:あぁ、そうでしたね。"シャウトしてリフ推しで、(Hi-STANDARDの)「MAKING THE ROAD BLUES」みたいな曲を作っちゃえば?"みたいな本当に軽いノリで始まった曲でしたね。

高橋:だから、すぐできました(笑)。

-そういう曲が今後、フォゲミの新しい武器になっていくわけですね?

石坪:まだライヴでやってないから、どういう感じでやったらいいんだろうってところはありますけど。

高橋:頑張ります(笑)。

-そういう激しい曲もありつつ、『SUN』の1曲目を飾る「The soundtrack of glory」は、フォゲミらしいメロディック・パンク・ナンバーです。この曲の歌詞のパンチラインは、"We as one/Together our sound lives on"(僕らの音は君と共に生きていく)ではないかと思うのですが、フォゲミがどんなふうに音楽を作っていくのかというステートメントとも言えるこの歌詞は、昨年のツアー中、フロアの景色を見たときに湧き上がってきた感情でもあるのではないでしょうか?

高橋:ツアーを経たうえで、これからのことをイメージしながら書いたんですけど、いろいろな事情からツアーに来られない人もいたと思うんですよ。例えば、医療従事者だから行けないという人もいて、ライヴに行けない悔しさをリプで返してくれたんですね。だからこそ私たちはもちろんライヴもするけど、音源も届けて、その音がその人の何かしらのパワーになって、一緒にいてくれたらいいなって思うんです。だから、その歌詞にはライヴに来る人にとっても、家で聴く人にとっても、通勤途中に聴く人にとっても生きていく中での一部分に私たちの音がなったらいいなという、いろいろな思いが込められているんですよ。

阿部:いい曲ですよね。『SUN』の中で一番好きなんですよ。智恵さんからデモが送られてきたとき、曲の構成に口を出させてもらったんですけど、いい感じでまとまったしそこに僕たちの思いが込められた歌詞が乗って、すごくいい曲になったなと思ってます。

石坪:僕は鼻歌で歌ってます。この曲のメロディがよく出てくるんですよ。

高橋:うわ、嬉しい(笑)。

石坪:それぐらい沁みこんでいる曲なんだと思います。

-『SUN』のリード曲という位置づけなんですよね?

石坪:MVを撮るのは「Let it go」なんですよ。でも、リード曲はこれなのかな。リード曲なのにMVは、これじゃないんだっていう(笑)。

阿部:意見が結構割れたんです。

-「Let it go」もかっこいい曲だから全然問題ないと思いますけど(笑)。

石坪:「The soundtrack of glory」や「Carry on」だと、今までっぽいじゃないですか。それでレーベルやMVの監督さんと話し合った結果、今回は「Let it go」で撮ってみようかってなりました。

-さて、『SUN』の1ヶ月後には『MOON』がリリースされるわけですが、1曲目の「Erase」は珍しく3人の共作ですね。

石坪:元ネタが智恵さん。それをベック(阿部)が広げて、僕がメロをちょこっと変えました。

-結果、ひと際エモ色が濃い曲になりましたね。

高橋:イントロのリフをネタとして渡しただけなので、こんな曲になるとは思ってなかったんですけど、めちゃめちゃかっこいい曲になったと思います。しかも、全体的に見たらこれだけすごく陰な曲なので、その良さが際立つぶん、この曲はすごく聴いちゃいますね。

-阿部さんは高橋さんが作ったイントロのリフから広げていったんですね?

阿部:そうです。イントロを含め、部分部分のデモを貰ったとき、ぱっとイメージが湧いたんですよ。それでメロディをつけてもらったら激エモになるっていう(笑)。『MOON』は最初、エモみのある曲を集めるということだったので、イントロを聴いたときそのコンセプトに一番合うと思いました。