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INTERVIEW

FEVER 333

2021.01.27UPDATE

2021年02月号掲載

FEVER 333

Member:Jason Aalon Butler(Vo)

Interviewer:菅谷 透 Interview interpreted and translated by Ginger Kunita

"FUJI ROCK FESTIVAL '18"、"BLARE FEST. 2020"やTV番組で見せた衝撃的なパフォーマンス、そしてアグレッシヴながらキャッチーな楽曲で、日本でも着実にファン・ベースを拡大してきたFEVER 333。彼らが2020年10月にデジタル・リリースした最新EP『Wrong Generation』は、同年5月に起きた警官による黒人男性の暴行死事件と、それに伴う抗議運動を受けて生み出された作品だ。抗議デモにも自ら参加したというJason Aalon Butlerの感情が反映されたEPは、怒りや悲痛、攻撃性に満ち溢れた、2020年を象徴する作品と言えるだろう。そんな同作が世界に先駆け日本先行でCD化されるにあたり、激ロックではJasonへの取材を敢行。様々な話を訊いた。

-まず、本作『Wrong Generation』に関連する出来事よりも前の話からうかがえればと思います。昨年2020年の1月、2月にはcoldrain主催のフェス"BLARE FEST. 2020"出演のため来日し、東京と大阪では単独公演も行われました。ライヴの思い出などあれば教えていただけますか?

そうだね。バンド全員日本が大好きなんだ。文化のみならず、日本のみんなが好きなことに――それが音楽であれ、趣味であれ、なんであろうと――非常に没頭する姿が素敵だと思う。出演させてもらったTV番組のスタッフと友達になれたし、個人的には日本のXLARGEとコラボして、ステージで着るジャンプスーツのデザインもさせてもらったことが最高に楽しい思い出だよ。

-"BLARE FEST."に出演することになった経緯もうかがえますか?

coldrainがバンドのことを知っていたみたいで、出演の依頼をしてくれたんだ。俺たちはその連絡が来たとき、喜んで引き受けたよ。

-"BLARE FEST."終了後、新型コロナウイルスの流行によって世界は大きく変化していきました。そんななか、5月25日に黒人男性ジョージ・フロイド氏の警官による暴行死事件が発生します。事件をどんな思いで受け止めましたか?

アメリカにいる俺たち、特にブラック・アメリカンにとって、このジョージ・フロイド事件は何世代にもわたって人々が文化や、人間として向き合ってきた問題の現れだったと思う。この事件は日常の不当な扱いや酷い仕打ちの総計のようなものだし、アメリカ文化にとって馴染みのないものではなくて、建国当初から、そして今に至るまでずっと存在している問題なんだ。あの事件で俺が感じたことは、決して少ない人数ではなく、大勢の人々がアメリカでのブラックやブラウンの人たちの不当な扱いに"もうたくさんだ!"と共鳴していたことだ。事件によって、感情的な理解と連帯感が生まれたと思う。特に、世界を変えたい、この情勢を変えたいと口にしている俺の世代の人たちを動かすような事件だったと思うよ。この不当な扱いを変えたいと口では言いながら、たいしたアクションも起こさなかった俺たちの目を開かせて、今回行動を起こすことに繋がったんだ。

-事件のあと、全米で抗議デモが発生しました。あなたもデモに13日間参加したそうですが、現場ではどのようなことを感じましたか?

デモに参加することはつらいし、疲れるし、常に危険と向き合わないといけない場所にいることを受け入れる必要性がある。参加している間は毎日警官との不安定な状態を経験した。行進や、反抗していること自体の危険性も認識していないといけないしね。だけど、そういったすべての状況を理解していても、俺たちにはデモを行う理由と目的があったわけだから、これはいち個人でやるより遥かに大きい意味があるんだということを、自分に言い聞かせながら活動したよ。自分たちの言葉を聞いてもらうには、デモをするしかないと思ったんだ。これはひとつの不平不満とか、1バンドが歌っている曲よりずっと大きな意味があると感じたよ。

-デモへの参加と並行して、6月3日にはバンドによるライヴ・デモンストレーション"Long Live The Innocent"がYouTubeで配信されました。楽曲の演奏だけでなく、これまでに警察の暴力で亡くなった人々の名前が映し出される演出なども印象的でしたが、配信を行った経緯を教えていただけますか?

"Long Live The Innocent"は、あの抗議デモやジョージ・フロイド事件への、ダイレクトなメッセージとして行ったデモンストレーションだった。本当はストリート・ライヴとかをしたかったけど、あのデモや一連の"BLACK LIVES MATTER"の運動を自分たちの利益に使いたくなかったから、適したプラットフォームでライヴ・ストリーミングをして、寄付金を集めてその運動を支援するために送ったんだ。

-13日間のデモへの参加のあとに本EPの制作を始めたそうですね。制作に至る経緯や、作品の"Wrong Generation"というタイトルに込めたテーマについてうかがえますか?

文字通り、13日間の抗議デモで経験したすべては、今まで生きた中ですでに自分の中に蓄積されていた感情でもあった。それをリアルタイムでデモという行動に表した結果、他の人たちも同じ気持ちだってことを痛感させられたし、そこでの警察や関係者の俺たちへの対応も目の当たりにした。俺たちは、"言論の自由"というこの国が与えてくれた権利に基づいて主張していたわけだからね。このEPの歌詞のほとんどは、その内容についてのものなんだ。でも、俺の人生で経験した長年の苦痛やトラウマ、我慢や涙も全部書き綴りたかった。そしてそれだけではなくて、自分の遺伝子、自分の血筋がブラック・アメリカンであるということも大きな意味があるんだ。

-今作では、1stアルバム『Strength In Numb333rs』(2019年リリース)にも参加したTravis Barker(BLINK-182/Dr)、John Feldmann(GOLDFINGER/Vo/Gt)という作家陣がクレジットされています。

彼らとはこのFEVER 333というプロジェクトが始まったときから一緒にやっていて、楽曲を共に作っているんだ。John、Travisと俺とでプロジェクトを始めたからね。今回はすでに曲作りをし始めているときに彼らから連絡があって、そのとき"今まで目撃したことや経験したこと、それにこの事態について曲を書きたい"と話したんだ。JohnとTravisは知っての通り才能溢れる、やる気のある卓越したミュージシャンたちだから、彼らは"すぐにスタジオで取り掛かろう"って答えてくれた。彼らのスタジオで作業をしていいと言ってくれたし、制作を円滑に進めさせてくれて、自分が言いたいことを伝えるための場所を作ってくれたよ。

-本作のジャケットはD. Randall Blythe、つまりLAMB OF GODのRandy Blythe(Vo)が撮影した写真を使用しています。この写真をジャケットに用いたのはなぜでしょうか? また、Randyとは以前から知り合いなのでしょうか?

FEVER 333での活動のおかげで、フェスに出演したときにRandyと知り合いになれた。彼は俺たちの音楽が気に入ったらしく、彼のほうから自己紹介しに来てくれて、仲良くなったんだ。音楽を通して友情が生まれたってところだね。それに俺は昔、まだ若かったころからRandyのファンでもあった。彼は素晴らしい人だし、様々なイデオロギーの面で共通点があるし、彼の芸術的才能も素晴らしい。その"芸術"には、彼の写真の才能も含まれているよ。彼は真実を伝えるために、リスクを背負って現地で写真を撮っているんだ。非常に危ない状況で、不安な状態で撮影しているわけだからね。

-本作からはオープナーの「Bite Back」や、ファスト・チューンの「For The Record Ft. Walter Delgado Of ROTTING OUT」など、これまで以上に攻撃的なサウンドを感じ取ることができます。どのような楽曲の方向性を目指しましたか?

曲作りを始めたとき、自分の思いを伝えるにはこのサウンド以外思い浮かばなかったよ。自分が目の当たりにしたことや自分の気持ちは、アグレッシヴ以外のなんでもなかったからね。EPの中では「Bite Back」が最初に作った曲で、間違いなくそのような(※"Bite Back"="噛みつき返す")気持ちだった。自分の中にあった感情をすごくうまく音楽で表現できたと思うよ。