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INTERVIEW

RED ORCA

2020.03.19UPDATE

RED ORCA

Member:金子ノブアキ(Dr) 来門(Vo)

Interviewer:荒金 良介

金子ノブアキによるニュー・プロジェクト、RED ORCAが1stアルバム『WILD TOKYO』を完成! 金子のもとに集まったのは来門(ROS/SMORGAS)、PABLO(Pay money To my Pain/POLPO)、葛城京太郎、草間 敬という最強のラインナップだ。音楽的には90sミクスチャー・ロックを基軸にアンビエントやクラブ・ミュージック的要素を盛り込み、新しい刺激的なサウンドを掲げている。静と動、哀愁と歓喜のコントラスト際立つ魅惑の楽曲を収録した今作について、金子、来門のふたりに話を訊いた。

-今年2月のcoldrain主催の"BLARE FEST. 2020"でRED ORCAのライヴを観たんですが、ものすごい盛り上がりでしたね。ステージからの景色はいかがでした?

金子:盛り上がってましたよね。あれにはビックリしました(笑)。

来門:曲をまだ出してないのにね。

金子:そう、知らない人も多かったのに。初フェスのステージだったので、それを楽しむことに集中してたけど......どんどん人が増えて盛り上がったから、デビュー時の感覚を思い出しました。

来門:でかいところで歌えるのもめちゃくちゃ気分が良かった。最高の景色でしたね。あっくん(金子)のドラムの上で歌えるのも幸せですから。

-バンド的には何度目のライヴだったんですか?

金子:あれが3回目のライヴかな。

-それであのグルーヴ感が出ているのはすごいです!

金子:メンバーみんなすごいですからね。何も心配してなかった。京太郎(葛城京太郎/Ba)はまだ21歳でひとりだけ若いんですけど、僕らは僕らでいろんなバンド経験を重ねているし、そのメンバー5人がいろんな瞬間に邂逅して、同じ方向にエネルギーが向いてる。そういうふうに合致しているのは貴重だなと思いますね。

来門:あっくんとは歳も近いし、見てきたものも同じだから。

金子:RIZE、SMORGASは活動を始めた時期も同じだしね。

-結成は2バンドともに1997年ですからね。

来門:バンド文化もそうだけど、くだらないギャグや観てきたアニメも同じだから、会話も噛み合うんですよ(笑)。

金子:スタジオでもくだらない会話ばかりして......でもそれが音にも繋がるんですよね。

-音はもちろん、人間的なグルーヴもバッチリ合うと?

金子:メンバーみんなのことをよく知ってるし......喜びも悲しみも共有してますからね。

-RED ORCAとして早々とライヴをやり始めましたけど、そこにはどんな狙いがあったんですか?

金子:曲はある程度あったから、とにかくライヴを早くやりたかったんですよ。

来門:うん、現場だけで生まれるグルーヴもあるから。

金子:そうそう。このアルバムの制作も始まった頃だったので、ライヴを経てからまたガンガン進むことも多かったんですよ。

来門:ライヴでオーディエンスが返してくれたものがまた自信に繋がりますからね。俺もあっくんもライヴ経験で得たものは大きいんじゃないかな。

-今作を作るうえでもライヴは必要だったと?

金子:そうですね。そこからハネた曲もありますし。特に前半の曲......ベース・ラインのアプローチはそうかもしれない。

来門:最初はトラック・オンリーで、そこに俺もラップを乗せて、そのあとにメンバーの演奏を乗せて生まれ変わった曲もありますからね。あと、みんな条件が一緒だったんですよ。あっくんも音楽やりたくてしょうがなかったし、俺も歌いたくてしょうがなかったし、みんなそういう連中ばかりだったから。

金子:いろんなことがあって、アウトプット不足だったからね(笑)。RIZEの活動も抑え目になったし。ソロ曲のインストで音源化されてないものにラップを入れてやりたいと思っていて。今回のプロジェクトは「MANRIKI」(映画"MANRIKI"主題歌)始まりで、何曲か作ってみようよ、という流れだったんです。制作には1年ぐらいかかったんですけどね。

-なるほど。

金子:僕のドラム・スタイルを踏まえて、ラッパーと一緒にやるのが得意で。90年代後期からミクスチャーと呼ばれる音楽が出てきたけど、それをもう一度やりたくなったんですよ。来門はROSというバンドでもツアーを回ったりして、しばらくは会ってなかったけど、2年前ぐらいから親交が戻ってきたんです。僕の周りで任せたくて、超かっこいいラッパーは来門だなと。「MANRIKI」をやったときはu:zo(ROS/ex-RIZE)が制作を手伝ってくれて、そこでも手応えを感じましたからね。もう少し曲を作りたいという衝動に駆られてしまったという。で、京太郎に関しては偶然会うことが多くて、あいつは積極的だし、毎日メールが来て、練習いつですか? と聞いてくるような人間なんですよ。あいつはこれからの時代を引っ張るベーシストだと思ったから、これは素晴らしいチャンスだなと。

来門:京太郎が入ったことで、バンドっぽさが増したしね。

金子:そう! RIZEもそうだけど、点取り屋はふたりいたほうが良くて、京太郎がいなかったら、もう少し落ち着いたかもしれない。来門と京太郎の邂逅も見たかったんですよ。キャリアは20年以上違うけど、お互いに向いてる方向が同じだったから。今、このチームでやれていることは奇跡だなと。

-お互いに向いている方向が同じと言うと?

金子:前と外に向いてるというか。まっすぐさとか絶対的なポジティヴィティがあるから。メンバーは5人ですけど、点取り屋のふたりが柱としてちゃんといますからね。

来門:それと同時にあっくんは静寂や幻想的なものを持ってるし、静と動が混ざり合ったものがRED ORCAだと思っているんですよ。あっくんが作ってくるトラックもめちゃくちゃで最高ですからね!

金子:めちゃくちゃにしているのは当て書きだからなんですよ。このメンバーならなんでも成立すると思うから。やっちまえ! って(笑)。

来門:「Phantom Skate」という曲は2ビートだけど、途中からオシャレな四つ打ちになって、最後にまた2ビートになってぶち壊すという。

金子:あれは下北沢のライヴハウスをイメージした感じ(笑)。イケイケなんだけど、どこかスムーズでちょっと適当みたいな。

来門:ミクスチャーっぽいノリね。最後までどうなるかわからないよって。

金子:来門はクラブ・ミュージックやポエトリーみたいな要素を持ってる人だから。よそでは見れない姿に光を当てたいと思っていたんですよ。ほかにアンビエントのトラックにラップを乗せることもやってみたくて。

-「Saturn」がそうですよね。

金子:アルバムの中では一番静かだけど、一番攻めてるんじゃないかな。散文詩的にオフビートで、何回やっても同じ場所に同じ言葉がビシッと来るから。(来門は)ものすごく作り込んでくるタイプなんですよ。

来門:俺はアーティストというより、職人っぽい感じなんですよね。

金子:僕もそういうところがあるんですよ。

来門:ソロでやっていたときはドラムンベースをバックに歌っていたし、RED ORCAでやっていることもその頃とリンクする部分があって。バンド・サウンドだけじゃないものも今作には入っているから。踊れると同時にモッシュできると思います。