INTERVIEW
VOLBEAT
2019.08.23UPDATE
2019年08月号掲載
Member:Michael Poulsen(Vo/Gt)
Interviewer:山本 真由
-なるほど。でも「Leviathan」がかかる理由もわかる気がします。ヘヴィな面もありつつ、ポップなメロディが前面に出た楽曲となっていますし、ノリやすくライヴでも盛り上がりそうな楽曲ですね。すでにライヴでは披露されているのでしょうか?
うん。もうプレイしたね。すごくライヴ映えする曲で、うまくいっているよ。ただもうアルバムが出たから、少しずつセットリストの曲を入れ替えようと思っているんだ。今回のツアーでは持ち時間が1時間しかないから、新曲はふたつしかやっていないんだ。今は「Last Day Under The Sun」と「Pelvis On Fire」をやっているけど、追々別の新曲に入れ替えるつもりだよ。
-今作の"Rewind, Replay, Rebound"というタイトルに込められた意味や、アルバムのテーマについて教えてください。
今作では、曲によっては時間をRewind(巻き戻し)しているんだ。それを2019年の今Replay(再演、やり直し)して、さらに強化する。それがRebound(回復、跳ね返り)だね。
-あぁ、なるほど!
うん。それから歌詞の中にも、子供時代の思い出を振り返っているところがあるんだ。それは俺が2年前に父親になったことにも関係している。長女が生まれてね。娘と接することによって自分の子供時代をReplayしているような感じ。そういう自分の子供時代を振り返っているようなところは、やっぱりいろんな感情が伴ってくるよね。
-過去を強化して、未来に進んでいくような感じでしょうか。
そう、そうとも言えるね。
-今作の制作にはいつ頃から取り掛かっていたのでしょうか? たしか前作のツアーはかなり最近、去年までやっていたのですよね。いったいいつ新作を作る時間があったんでしょう?
うーん、それはいい質問だね。正直言って正確な時期はもう憶えていないんだ(苦笑)。たぶん2~3年前からじゃないかな。ツアー中に曲を書くこともあるけど、俺の場合たいていは家で書くんだ。ツアーの合間に家に帰る時間ができると、曲を書き始める。おそらく2年くらい前から書き始めて、書き終わったのはスタジオ入りするちょっと前くらいじゃないかな。
-「Die to Live」にはCLUTCHのNeil Fallonがゲスト・ヴォーカルで参加していますね。ブルージーなハード・ロックを奏でるCLUTCHの音楽性は、VOLBEATとも通じるところがあるのではないかと思いますが、彼を選んだ理由は?
この曲はツアー中に楽屋で書いたんだ。前回の全米ツアーのときじゃなかったかな。スタジオ入りする直前くらい。楽屋でギターで遊んでいるうちに思いついたのを、家に帰ってから完成させたんだ。で、この曲には絶対ピアノとサックスが欲しいと思った。スタイル的には、ピアノで言ったらJerry Lee Lewisみたいなのをね。
-わかります!
それから、サックスはLittle Richardのアルバムで聴けそうな感じにしたいと思ったんだ。
-そんなイメージの音だなって思っていたんですよ。
だろう(笑)? それから俺もメンバーもJD McPhersonの大ファンだから、彼のバンドのメンバーに声を掛けたら、ピアノ(のRaynier Jacob Jacildo)とサックス(のDoug Corcoran)が参加してくれて、驚異的に素晴らしい仕事をしてくれたんだ。それと同時にこのトラックにはもうひとりシンガーが欲しいと考えた。俺はNeil Fallonの声が昔から大好きだったし、一緒にツアーしたこともあったから、Neilに声を掛けるには絶好の機会だと思ったんだ。それに彼もJD McPhersonの大ファンなんだよね。だから彼を選ぶことは容易かった。曲を心から気に入っていて、自分の役割をちゃんと理解している人とのコンビネーションだから。俺にとってもアルバムの中でお気に入りの曲のひとつになったし、ファンもみんな楽しんでくれているんだ。
-ライヴでも盛り上がりそうですよね。ところでNeilとは一緒にスタジオに入ったんでしょうか。それとも彼が自分のパートの音源を送ってきた?
今回参加ミュージシャンにはみんな音源ファイルを送って、Neilは自分のパートを自宅のスタジオで録音したんだ。JD McPhersonバンドのメンバーはナッシュヴィルで録音していたよ。
-でも、同じ部屋で録音しているかのようなライヴ感がありますよね。
そうだね、そういう雰囲気を捉えたいと思っていたよ。実現できたと思っているし、いい音になった。いい曲だから早くライヴでやりたいね。
-まだやっていないんですね。
まだアルバムが出たばかりだから。ライヴでやる曲を入れ替えるには間があるからね。
-また、子供たちがメンバーに扮したミュージック・ビデオも面白い「Cheapside Sloggers」には、EXODUSとSLAYERのギタリストであるGary Holtが参加していますね。彼が参加した経緯は?
「Cheapside Sloggers」は最後に録音した曲のひとつだったんだ。その時点でギターのRob (Caggiano)はすでにニューヨークの自宅に戻っていて、自分のギター・パートを手直ししていた。あの曲には何かいつもと違うものを入れたいという気持ちがあって、Gary Holtに参加してもらうというアイディアがわりと早く出てきたね。俺たちは彼のやっていることが大好きなんだ。EXODUSでもSLAYERでも素晴らしい音を出していると思う。しかも、彼は人間的にもすごくクールで、VOLBEATの活動もとても気に入ってくれているんだ。それで彼にオファーをしたら、すごく喜んでくれた。最高の音を作ってくれたよ。
-彼はRobと一緒に(アメリカで)録音したのですか。
いや、自宅の近くのスタジオで録音したみたいだよ。