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INTERVIEW

D'ERLANGER

2019.05.22UPDATE

2019年05月号掲載

D'ERLANGER

メンバー:kyo(Vo)

インタビュアー:杉江 由紀

ロックに対する美学は今でも根強く染みついている


-なお、kyoさんは先ほど、詩を書いていくうえで、アルバム・タイトルを意識していたところもあったとおっしゃっていましたが、なんでも"roneve"とは悪魔界の侯爵を指す言葉なのだそうですね。そのせいか、今作での歌詩は従来の作品以上に背徳的な香りや、艶やかな色気がたっぷりと含まれているように感じます。

自由に書いていくとこうなるんですよ。"roneve"というタイトル自体は、CIPHERのアイディアから出てきたものだったんですけど、それを軸にしながら自分の好きなものや文学的な表現を入れつつ、人が隠したがる感情とか人の裏側にあるものとかを、無理やり引きずり出すとかではなく、微妙にくすぐるようなものをD'ERLANGERの音と共に届けたいと思ったときに、出てきた言葉たちが自然とああいう歌詩になっていったというか。ただまぁ、僕自身が一個人としてこの歌詩の内容通りの人だったとしたら、それはちょっとヤベぇなとは思いますけど(笑)。僕が詩の中で描いているのはあくまで自分が想うロックの世界観であり、"D'ERLANGERのシンガーは、そういう世界の中で生きている"というところなんです。アンダーグラウンドであって、セクシャルであって、スキャンダラスであって、猥雑で、みたいな感じでね。

-中でも、今作においてはインスト「The Devil in Blood minor」に引き続いての、実質的な1曲目のタイトルが、なんと"SEX"です。この潔さは実に素晴らしいですね。

これは、このアルバムの中で最後に歌詩を書いた曲だったんですよ。それもあって、ちょっと遊び心が出たんでしょうね。物語を伝えるというよりは、記号的に言葉を並べていったらこうなりました。最初に浮かんだのは"C'mon Baby Light my fire"で、もちろんこれはTHE DOORSのアレ(「Light My Fire」)ですよね。そこから、どんどん遊びが重なっていったんです。

-ということは、"Please Please Tell me now"はDURAN DURANですか?

そうそう! 好きな言葉やフレーズたちをコラージュしていきながら、この曲ではセックスに行き着く過程を散文的なイメージで詩にして遊びました。こういう露骨なリスペクトからのオマージュも、面白いかな? と思って。

-その他にも今作には秀逸な楽曲たちが目一杯に詰まっておりますが、kyoさんの主観から最も推し曲と言えるものを挙げていただくことはできますか?

アルバムの最後に入っている「You are Killing me」です。さっきから言っていることと同じような話になっちゃうけど、ロックの普遍的な醍醐味である太さや魔力も持ちながら、きれいなメロディもしっかりとあって、なおかつD'ERLANGERとしての新しい世界もうまく打ち出せた曲になったので、今作の中でも特に気に入ってます。

-つくづく『roneve』は上質なロック・アルバムに仕上がりましたね。

僕は52歳になってしまったけど(笑)、ロックに対する美学は今でもやっぱり根強く染みついているんですよ。そういうところはメンバーそれぞれの中にもきっとあって、それがD'ERLANGERという塊になったときには、より太く、強く、そしてあえて言いますけど美しく響くんだと思います。『roneve』は今までの自分たちが経験してきたことや、それによって培ってきた財産が、音として還元された作品になりました。

-ぜひ、5月25日より開催される次のツアー"D'ERLANGER roneve TOUR 2019"でも、その揺るぎない美学を我々に感じさせてください。

レコーディングが終わって完成してからというもの、僕は車の中とかでこの『roneve』をずっとへヴィ・ローテーションしているんですよ。そのくらい、また最新作が最高傑作になったなと感じているんですね。と同時に、実際にライヴで歌っていくとなるとまた、この曲たちは違う映え方をしていくことになるはずなので、そこが自分でもかなり楽しみです。新曲たちがライヴの中に加わってくることで、きっと新しい世界が拓けていくんじゃないかな。『roneve』という種を、僕らとライヴに来てくれるみんなとで一緒に育てて花開かせていくようにしたいしね。今を生きているD'ERLANGERの姿をライヴでも感じてもらえると嬉しいです。