INTERVIEW
GRETA VAN FLEET
2018.10.15UPDATE
2018年10月号掲載
Member:Josh Kiszka(Vo) Jake Kiszka(Gt) Sam Kiszka(Ba) Danny Wagner(Dr)
Interviewer:鈴木 美穂
-多くの人々がみなさんをLED ZEPPELINと比べていますが、一番好きなLED ZEPPELINのアルバムと曲を教えて下さい。
Jake:いい質問だね。
Danny:僕はずっと『Led Zeppelin III』だな。変化があるし、フォーキーだから。
Jake:僕は「Hot Dog」が好きだよ。
Danny:(笑)うん、いい曲だよね。
Sam:『In Through The Out Door』は、間違いなく最高傑作だと思う。
Josh:僕は『Physical Graffiti』が好きだよ。なんでもありな感じで、楽しいアルバムだからね。
Jake:僕が一番好きなのは、『Led Zeppelin II』だね。全身全霊をかけたような作品で、驚いたよ。
Josh:『Led Zeppelin III』もフォーキーで好きだよ、クールだね。曲で好きなのは「Tangerine」だな。
Jake:うん、僕たちは「Tangerine」が大好きだよ。
Sam:僕が一番好きなアルバムは、彼らのデビュー作(『Led Zeppelin』)だと思う。彼らが登場したとき、あのアルバムにどんな意味があったかを、聴くたびに考えさせられるんだ。それは新しくてエキサイティングで、爆発的で、しかも実験的だった。進歩的だったんだ。これこそ、ロックンロールだよね。
-『Anthem Of The Peaceful Army』は、真のロックンロールと呼べるアルバムで、しかも森羅万象と共鳴するオーガニックなサウンドになっている点が非常に個性的だと思います。そして、アルバムとして成立している作品なので、リスナーには頭から最後まで通して聴いてほしいと感じました。このデビュー・アルバムのポイントはどんなところですか?
Jake:ポイントとして挙げられる点は、このアルバムにはたくさんの自然が描かれていて、人類の進化の旅についてや、歴史上の教訓、そして"平和、愛、調和"がたくさん込められているんだ。それらの事柄が、このアルバム全体を繋ぐテーマになってる。作っている最中にそれを意識していたわけじゃないんだけどね。無意識的に、それがアルバムの個性というか、僕たちが創造したかったアルバムの内容を定義するものになったんだ。
Danny:このアルバムの曲には、たくさんの人間的な要素が入ってる。人間の感情、それに神秘論もかなり含まれてるんだ。
Sam:だから、その解釈をリスナーに委ねる作品になっている。
Josh:本当にそうだね。僕にとって、このアルバムは人類の体験の数々を組み込んでいるんだ。
-(※上の階の雑音が聞こえる)......自然の音が聞こえますね。
Josh:(笑)だから、僕たちがどこから来たのか、そして今の僕たちがどこにいて、どこに進んで行くのかについての作品で、癒しを見いだすために、それらの人間的な要素をどのように理解するべきかについて語っているんだ。
-"平和隊のアンセム"というアルバム・タイトルに込めた意味は?
Josh:"平和隊"っていうのは、あらゆる人々を意味してるんだ。
-このバンドのことだけではないんですね?
Josh:うん、平和隊はすべての人々のことだよ。僕たちは、全員が相互に繋がっているものだからね。そしてアンセムは、平和と調和のための曲っていう意味なんだ。
Jake:それと、僕たちがたくさんのショーをやるようになって、あらゆる世代の、あらゆる文化背景を持つ、様々なタイプの人々が集まってひとつになるのを見るのが、本当に強烈な体験だったんだよね。音楽が人々をひとつにしているのを目にして、"平和な一団"っていうアイディアを思いついたんだよ。僕たちはその隊の一部で、観客もその隊の一部なんだ。だから、僕たちの美しい団結のことなんだ。
-では、みなさんのファンのことも"平和隊"と呼ぶのですか?
Josh:それもいいよね。
Jake:ファンは、なりたいものになってくれていいよ。
-「Anthem」は、このアルバムを締めくくる曲でもあります。美しくて壮大なこの曲についても教えて下さい。
Josh:「Anthem」はステートメントになっていて、人々はそれぞれに違う意見を持ってるけど、最終的に僕たちは、それぞれ異なる意見があることを認め合う必要があるということを歌ってる。なぜなら、それでも空は青いし、草原は緑だし、山の小川は流れるもので、それは誰にでも理解できることだから。森羅万象には、真実か偽りかしかないから、正しいか正しくないかじゃないんだ。
Jake:Joshが書いた詞から始まった曲だよね。
Josh:そうなんだ。半分寝てて半分起きてるような頭で思いついたんだけど、突然、それが「Anthem」の歌詞になったんだ。朝の5時くらいの出来事で。僕はそれを書き留めて、完成させた。どこから出てきたのかはわからないけど、素晴らしい曲になったよ。
-では、曲を作曲したあとに、歌詞を乗せたんですか?
Josh:いや、この歌詞は、そうじゃなかった。この歌詞は、アルバムの内容を明確に表していて、アルバムのすべての曲を繋ぐ曲になったんだ。すごくシンプルで、いろいろなものを削ぎ落としたリアルなプロダクションになってるよ。