－どういう歌詞なのかと思ってましたけど納得しました（笑）。今作では初の日本語詞曲にもチャレンジされてますが、このタイミングで踏み切ったのは何か理由が？

山田：スタッフから"日本語詞も作ってみれば？"と言ってもらっていて、でもあんまり意識してなくて。そんときに3曲目の「e」という曲ができて。英詞の予定やったんですけど日本語詞の方がかっこいいかもなって思って、日本語詞で作ってみたって感じですね。

－「e」はアルバムのリード曲ということですが、こちらはどういった曲なのでしょうか？

山田：個人的なことがデカいですかね。これは"イー"って読むんですけど僕の中では"エー"っていうイメージでして。僕のお兄ちゃんが趣味で絵を描いてまして。（アルバムの）ジャケットもお兄ちゃんの絵なんですよ。これとはまた別で家のリビングにでっかい絵が飾られてて、歌詞にありますけど吸い込まれそうな、なんかすごい変な絵なんですよ。その絵をイメージしてできたって感じですかね。そのリビングの絵をSNSに上げたりしてるんですけど、"その絵自体が「e」ってなってるからですか？"ってお客さんに言われて、"そんなことないですよ"って言ったんですけど、改めて見てみたらほんまに"e"になってるんですよ。

フクシマ：まじ？

山田：渦みたいな絵なんですけど、左回りになってて中心見たら"e"になってるんですよ。で、この"e"を"エー"って読ましたかったんですけど、ダサすぎるからって3人に反対されて"イー"になりました。だからこの曲は絵のことをイメージしたのと自分のことかな。

－最後の4行が印象的ですよね。

フクシマ：ここは山田らしいなって思ってて、今までの傾向もそうだったんですけど、完璧に終わり切るのを嫌うんですよ。そこは芸人の性なんでしょうけど、かっこつけまくったら逆にダサく感じちゃう癖があって。このセクションでここまで築いてきた音をぶっ壊したかったんやろうなというのは自分の中で感じましたね。

洲崎：どうですか？

山田：そんなことない。

洲崎：そうなん！？

山田：（笑）そうやと思いますね、実際。

－本日（※取材日は7月24日）「e」のミュージック・ビデオを撮影されたそうですね。品川ヒロシ（品川 祐）さんが監督をされたということですが、いかがでした？

洲崎：まさか撮っていただけるとは......。ダメもとで飲みの席でポロっと言うてみたら"いいよ"っていう感じやったんで。ちゃんとした機材で撮るのも僕ら初めてやったんですよ。なんやろな......。ひたすら暑かったです。

山田：フットサルコートで撮ってて陰もなんもないんですよ。逃げ場所もなくほんまに危なくて。カット終わるたびに女性スタッフが水分持って毎回猛ダッシュで走ってくるんですよ。それが申し訳なかった。

フクシマ：バンド・セットの周りに円形にレールを敷いてカメラを2台乗せて押す人がいるんですけど、4分間回り続けるんです。みるみるうちに汗だくになっていって、だんだんカメラ回るスピードが遅くなっていくっていう（笑）。初めは"むちゃくちゃ暑いやんけ、こんなん絶対無理やわ"って言うてたんですけど、それ見て文句言えなくなりましたね。

－品川さんとはどういった出会いだったのですか？

山田：大阪の先輩のギャロップさんっていう芸人さんがいるんですけど。そのモーリー（毛利大亮）さんの結婚式の披露宴で僕らネタをしたんですよ。で、僕らのネタのあとに同期の奴と3人でもネタをしたんですけど、品川さんにそれがハマって、ノリで"お前らのネタのPV撮ってやるよ"って言ってくださったんですね。結局それは流れたんですけど、こういう形で僕らの曲をMVにしてくださったんで嬉しいですね。

－ぜひ完成版を見たいですね。6曲目の「Dear my Friend K」は山田さんへ向けた曲（※健人＝K）でしょうか？

フクシマ：言わずもがなこの文句は山田にしか出てこないという皮肉のタイトルですね。もともとは面白おかしい文章の中でのメッセージ性というのをアピールしたくて、もっときれいな歌詞やったんです。きれいな言葉に汚いメッセージを隠してたんですけど、それはダサいって言われたんで、山田に"ちょっと付き合ってくれ"と。"どういう歌なん？"って言われて、"お前に文句言ってる"って言ったら"もっと素直に書け"って言うんで、書き出しから"プロぶって"って書いたんです。

山田：もう、1回言うたらボロッボロ出てきて、すごい言葉がひどなっていって。

洲崎：そういう意味での（作詞のクレジットが）"Supported by K"なんです。

フクシマ：例えば言い回し悩んだりしたら、ディスられてる本人が"こんなんどう？"って僕に言ってくるっていう（笑）。でも経緯は、"歌ネタ王（決定戦）"でグランプリになって、2年目負けちゃったんですね。だだへこみしてスタジオに来るんですけど、洲崎はもう切り替えて"よっしゃ、やろうぜ！"って感じで。でも、山田は"家帰りたい、こんなんやらんでええんちゃうか"みたいな、文化祭でサボってる男子しか言わへんやろなっていうことを言ってて。それで洲崎が"頑張ろうや"って返して。1行目の"プロぶって"って言葉が出てきたときはこのシーンがフラッシュバックしました。

山田：それやったらホンマは洲崎を称える曲を作るべきやで。この歌、僕にだけコーラスがないんですよ。ずっと2対1やから。おかしいのが、僕が"Ah 疲れた 側で眠らせてほしい"って歌ったあとに、"舐めたこと言ってると殴るぞ"って言うてるから。なんで殴られそうにならなきゃあかんねん。

フクシマ：（笑）悪口の曲に"つまらないことでもなんでもやってみろ"っていうメッセージを隠してみたかったっていう。