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INTERVIEW

Earthists.

2018.08.09UPDATE

2018年08月号掲載

Earthists.

Member:Yui(Vo) Yuta(Gt) Yuto(Gt) Shugo(Ba) Yuya(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

-内容についてですが、アルバムの中で「WILL」から「DOGMA」への流れが特に美しいなと思ったんですけど。この「DOGMA」はプログレッシヴな感じですが、とてもスムースな流れを持った曲で。こういったところはEarthists.らしさでもあるなと思いました。

Yuya:これは感覚的に作った曲なんですよね。最初は、イントロの不穏な感じはなかったんです。枠組みだけまず作って、アルバムのコンセプト的に若干ダーク目なものをイメージしていたので、イントロに"なんか始まるぞ"という不穏な感じを追加してみて。

Yui:「DOGMA」は、2ndアルバムに着手して最初期にできていた曲ですね。もともと"BLUE"っていうタイトルで、最初のころは結構、色とかを題名のコンセプトに置いて、アルバムを作ろうという話をみんなでやんわりしていたんです。でも制作していくなかで、いろんな、いいことだったり、悪いことだったり、嬉しいこととかが起こって。それを自分たちで消化していったときに、今の形になったというか。色として投影するというよりは、もっと本質的で、自分たちが剥き出しになっていったんです。それが、最初に言ったような、バンド・サウンドをより強く打ち出したことや、剥き出し感に通じるのかなと思ってますね。

-テーマとしては、死生観が映った曲が多いですね。そういう内容的なところでも、一歩踏み込んで表現しています。

Yui:歌詞は曲を聴いてから執筆するんですけど、経験だけだとどうしても歌詞が書き切れないときもあるので。映画を観たりとか、いろいろインプットもたくさんしたり、メタ認知みたいな感じで、いろんなことを吸収して書いているんです。あとは今回、新しい試みでは、「OCEANS」の歌詞をShugoが書いていたり、「UNWEAVE」と「DROUGHT」はYutoが歌詞を書いていたりしますね。

-なぜ他のメンバーも歌詞を書くようにしたんですか。

Yui:自分のひとりよがりなメッセージだけがこめられた作品にはしたくないなっていうところがありましたね。アルバムの根底にあるのが、1月に配信リリースしたシングル「memento mori」のイメージで。それから、アルバム全体のダークな感じや、死生観、剥き出しの感情を作り上げていったんです。アルバム・タイトルとなった"LIFEBINDER"は造語なんですけど、今の俺たちの人生を裁断した、"これが今の俺たちです"っていうイメージで。楽曲的な挑戦もそうだし、今自分たちが思っていることもそうだし、とにかく"今"を切り取って、アウトプットしたイメージなんですよね。

Yuto:その「memento mori」は僕が書いたんですけど、昔から"memento mori"っていう言葉が好きで、英語で言えば"Remember that you have to die"、日本語で"人はいつか死ぬ、死ぬことを忘れるな"っていう意味なんです。身の回りで起きたことをきっかけに、生と死についてより考えるようになって、このタイトルを付けました。

-Yuiさん以外が歌詞を書くことや、個々の役割が深みを帯びることで、アルバムに向かっていく一体感も以前とは変わりそうですが、どうですか。

Yui:アルバムに対する想いやイメージが強く、的確にメンバー間でシェアされていましたね。だから、帳尻合わせをするとか、作品を作るうえで深い話し合いをするとかも今回はあまりしてこなかったんですけど、ツアーもありましたし、5人でいる時間は前回よりも何倍も長かったので、テーマや考えていること、アウトプットしたいものがシェアできていて。同じ方向を見て作れていたな、というのは感じますね。

-また今回、海外のプロデューサー、エンジニアを起用していますが、そこでの意思伝達はうまくいっていたんですか。

Yuta:THE AFTERIMAGEというカナダのバンドと仲がいいんですけど、彼らのプロデュース、エンジニアリングをしたAsher Z. Allyが、安く引き受けてくれるということになって。その交渉は僕がコンタクトを取ってやったんですけど、サウンド面に関してはYutoに一任してやりとりしてもらっていました。

Yuto:本当に、毎日のようにFacebookのメッセンジャーでやりとりをしていって。

Yuta:それをバンドのグループラインに貼って、意見を言い合って、それをまた伝えてもらうっていう作業を繰り返していきましたね。

Yuto:かなり細々と要望を言ってしまったので、向こうはうんざりしちゃったかもしれないですけど(笑)。でもほんとに、そのようにやってましたね。

Yuta:こちらも妥協したくないという気持ちだったので。

Yuto:でも彼のプロデュース力が長けていたなっていうのがわかって良かったですね。マスタリングのエンジニアは、Asherの知り合いの腕のいいエンジニアの人で。クオリティが高く、満足できるものに仕上げてもらいましたね。

-海外のプロデューサーにお願いしようというのは、最初から考えていたのですか。

Yuta:そうですね。先行シングルの「memento mori」では違うエンジニアにお願いしていたんです。でも、金銭面とスケジュール面で、アルバムの方を頼むのが難しくなってしまいまして。それで、バンド内でも、THE AFTERIMAGEの新しい音源『Eve』の音がすごくいいなっていう話が出ていたので、"じゃあ、Asherに頼んでみようか"ということになったんです。