INTERVIEW
Earthists.
2018.08.09UPDATE
2018年08月号掲載
Member:Yui(Vo) Yuta(Gt) Yuto(Gt) Shugo(Ba) Yuya(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-また今回、ゲストも多彩ですよね。「NOVA」では、先ほど名前が挙がったTHE AFTERIMAGEのKyle(Kyle Anderson)がフィーチャリングされていて。Earthists.の新機軸というような曲に仕上がりました。
Shugo:これはもうKyleがいないと歌えない歌になったね(笑)。
Yuto:しかもKyleのルーツがR&Bっぽいので、最初聴いたときは、"これMichael Jacksonじゃん"って思ったぐらいで。すごくいい感じになりましたね。
Yui:「NOVA」はYutoが書いた曲なんですけど、最初の時点で、誰かハイトーンのヴォーカルをフィーチャリングしたいなと思っていたんですよね。文脈的に、同じレーベルだったり、僕らが日本に呼んでジャパン・ツアーをやったりということで一番フィットしたのがKyleで。MIDI(※電子楽器の演奏データを機器間でデジタル転送するための世界共通規格)でメロディ・ラインを作って、歌詞を乗せて、あとは好きなようにアレンジしていいからって送ったんです。そしたら、Kyleなりに自分の思ったメロディにアレンジメントして送ってきてくれたんです。
-「LEAVES」では、ふたりのシンガーが参加していますね。こちらはどういう関係性ですか。
Yui:この曲は最初、フィーチャリングはひとりの予定だったんです。国内の仲のいいヴォーカルにお願いしようかとか考えていたんですけど、これからレコーディングだっていうときに、アジア圏のメタルコアで、最前線で頑張ってるバンドをふたつ詰めたら面白いんじゃないかなって思って。それで中国のバンド LIFE AWAITSのヴォーカル YUと、韓国のバンド END THESE DAYSのヴォーカル YULにお願いをして。
Yuta:クレジットがすごくややこしいんですけどね(笑)。YUとYULとYuiがヴォーカルっていう。
Yui:ふたりともすぐに快諾してくれて。クリーンのパートはYUが歌ってて、後半のシャウトパートをYULが歌ってるんですけど。クリーン・パートのメロディに関しては、YUに一任しました。どういうメロディ作るんだろうって思って。そしたら、すごくいいメロディで返ってきて。YUは、僕らよりも年齢は上で、結婚して子供もいるんですけど、そういうアダルティな感じの(笑)。
Shugo:うん、成熟した感じのね。
Yui:ムーディなメロディをつけてくれましたね。あそこだけガラッと雰囲気が変わって、1曲の中でコントラストがつけられたんじゃないかなと思います。
-それぞれのコラボレーションにも、ちゃんと意味がある。
Shugo:ツアーで仲良くなって、というところから始まっているので。
Yui:そういう文脈が大事だなって思うんです。アジアのバンドっていうことで、自分らの位置を世界に打ち出すというか。海外かぶれ感みたいなものが出やすいジャンルだからこそ、"俺たちは日本でやってるんだぞ"っていうのを強く出したかったんです。だから、このフィーチャリングであえてアジア圏のバンドをピックアップしたことは大きいです。
-ここまで活動をしてきて、国内のシーン的な温度感や、Earthists.の受け入れられ方というのは、どう感じていますか。
Yui:国内では、ちょっと小難しい感じをしているバンドと思われがちで。特に1stアルバムを出す前後は、それに苦しめられたりもしてきたんです。でも徐々に、アイデンティティや、自分たちの意図がリスナーにも浸透してきた実感がありますね。海外志向ではあるけど、海外かぶれではありたくないんです。活動拠点としては、世界でやりたいけど、日本はおざなりにしたくないという思いは強いですね。今はリスナーの人たちもすごく歩み寄ってきてくれているので。そこを大切にしながら、もっと面白いことをしていきたいんです。音楽面での芯は曲げたくないですけど、アプローチとしては面白いことをやっていきたいなと、今年は思っているんです。
-海外志向ということでは、早い段階でアメリカのレーベル、"Tragic Hero Records"と契約したことは、バンドにとって大きなことですね。今後についてはどう考えていますか。
Yuta:僕が本格的なバンドをやるのは、Earthists.が初めてなんです。なんのノウハウもないところからスタートしたんですけど、パイオニアになりたい、先駆者になりたいという気持ちがすごく強くて。活動開始前に、いろんな目標を設定していたんですよね。海外レーベル契約もそのひとつで。結成半年くらいで連絡が来たので驚いたんですけど(笑)。でも目標のために逆算して、どう動いていくかは常に考えているんです。人と同じことをやっても面白くないから、違ったことをやろうっていう。それが昨年だったら、海外にたくさんツアーに行くことだったり、今年だったら、今度は逆に日本のシーンを盛り上げるために海外のバンドを呼んだりとか。人がやらないようなことをどんどんやっていきたいなと思いますね。
Yui:今年は、海外のアーティストの招聘もしつつ、自分たちが国内でメインでやるツアーも同時進行でやっていこうと思ってます。海外のアーティストが出ている僕たちのライヴにしかこないお客さんと、僕たちが主力でやってるときに来るお客さんって、結構層が違っているんですよね。キッズ層と、よりディープなリスナー層っていう違いもあるので、俺たちの強みは、それをどちらも味方につけられることだと思っていて。どっちも欲張っていこうかなと、今回のアルバム・ツアーでは目論んでます。