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INTERVIEW

SABANNAMAN

2018.07.03UPDATE

2018年07月号掲載

SABANNAMAN

Member:吉田 涼(Vo) 上田 雄(Gt)

Interviewer:荒金 良介

-そうなんですね。「Wandering」は、ほぼ日本語を用いたミドル・テンポの曲調ですね。

吉田:完成したら、めっちゃいい曲だなって。

上田:日本語にして間口を広げたいというか、もっと多くの人に届けたい気持ちは以前からありましたからね。それがやっとできました。

吉田:日本語でやる度胸がついたのかな。やっちゃえばいいじゃんって。

-以前は自信がなかったんですか?

吉田:今までは、別にSABANNAMANがやらなくてもいいかなと思っていたけど、今は普通にいい曲ができたなら、やってもいいのかなって感じです。

-そう考えると、1stアルバムからかなり変化してますね。あのころはヤケクソの勢いが炸裂してたじゃないですか。

吉田:はははは(笑)。そうですね。レコーディング中に1stアルバムを聴いたけど......。

上田:良かった(笑)。

-それこそレッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)は最初激しくて、徐々に歌モノにシフトしましたけど、SABANNAMANはそれを短いスパンでやってるなと。

吉田:そうですね。大丈夫かなって(笑)。

-「Wandering」は、今作の中でも切ない歌メロが印象に残りました。

上田:ギター・リフを持っていった時点で哀愁がありましたから。

吉田:やっぱりレッチリが好きだから、そのへんは自然に出ちゃうんでしょうね。

-"さあ今 生きる 世界は この空で繋がってるよ"という歌詞のスケールも大きいですよね。

吉田:漠然としているけど、ワールド・ミュージックみたいな広い気持ちで歌詞を書きたくて。英語の部分はそうですね、Bob Dylanの楽曲とか、John Lennonの「Imagine」みたいな、そういう雰囲気の曲にしたかったんですよ。

上田:みんなの心に刺さるような曲だよね。

-なぜ、そういう曲を書こうと思ったんですか?

上田:アウトドアにハマっているから?

吉田:それはあるかもしれない。ここ2~3年すごくハマってるんですよ。だから、今回のMVもそういう感じなんです。外で聴いてほしいというか、そういうものを自分たちでやりたくなって。

-野外フェスで映えそうな楽曲ですか?

吉田:そうですね。また"フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL/※SABANNAMANは2016年に出演)"に出たら、こういう曲をやりたいです。リフを聴いたときに、画が見えたんですよ。

-「Wandering」ができたあと、制作はどういうふうに進めたんですか?

吉田:フル・アルバムだったので、バランスは考えました。今までの感じも残しつつ、すげぇ変わっても違うから。でも新しいことに挑戦できたと思います。

上田:前だったらビビってできなかった曲もちゃんとやれたし......遅い曲とかがそうですね。

吉田:今までは勝手に自分たちでイメージを作り上げていたけど、それを考えなくなったから。

-その気持ちがアルバム名にも繋がっているんですね。

吉田:そうっすね! そこに繋がる感じです。

-まだ見ぬ場所に行ってみようと。以前は自分たちの枠を決めつけていた部分がありましたか?

上田:今までは、パンクやファンクを取り入れた、いわゆるミクスチャーとか、展開が多くてぐちゃぐちゃしたイメージがあったけど、いい意味でそれが薄れましたね。

吉田:前作から解放されたところはあるかもしれない。

上田:「Light In Dark」という曲がミドル・テンポの曲調なんですけど。

吉田:その曲は自分たちも気に入ってたし、お客さんも受け入れてくれて、メロウな感じでもいいんだって。

-今はどんな音楽をやっているという認識ですか?

上田:ロック・バンドっていうのは言わなくても根底にあるかなと。

吉田:一番簡単な言葉を言っちゃった。ロック(笑)。

上田:ゆっくりでも静かなテンポでもロックな曲はありますからね。

-たしかに。今作の歌詞に"自由"という言葉も多いので、そういう心境なのかなと思いました。

吉田:あぁ、そうですね。

-ほかに新しい挑戦はありましたか?

上田:最後の曲も今までだったら、これ大丈夫かな? って感じだったけど。吉田はこの曲が好きで、レコーディングしたら、かっこいいなって。

吉田:「Show Me Your Black」とか、こういう曲も昔だったら入れてないですね。

上田:そう。前はクールというか、暗い曲を避けてましたから。

-それはなぜですか?

吉田:俺があまり得意じゃなかったのかもしれない。自分が歌う想像もできなかったし。

上田:それを吉田が克服したのかなと。

吉田:趣味が変わったのかもしれない。わかりやすく言うと、最近のレッチリをかっこいいと思えるようになったんですよ。『I'm With You』や、『The Getaway』とかを最初はあまり好みではなくて。

-『I'm With You』以前までは大丈夫だったんですか?

吉田:『Stadium Arcadium』から入って、激しいやつとか好きな曲だけ聴いてたんですよ。

-『I'm With You』は、派手さはないけど、いいアルバムですよね。聴けば聴くほど沁みてくる。

吉田:そうなんですよ! これめっちゃかっこいいって、一時期車でずっと流してました。

上田:俺もスルーしたんですけど、吉田がいいと言うから聴き始めると、やっぱりいいなぁと思って。「Show Me Your Black」とかは、『I'm With You』の中にありそうな感じの曲ですからね。