INTERVIEW
SABANNAMAN
2018.07.03UPDATE
2018年07月号掲載
Member:吉田 涼(Vo) 上田 雄(Gt)
Interviewer:荒金 良介
SABANNAMANのニュー・アルバム『ADVENTURE』は、ミクスチャー・ロック路線のイケイケ感を残しつつ、グッとサウンドの幅を広げた作風に仕上がった。ここ数年は"FUJI ROCK FESTIVAL '16"、"SATANIC CARNIVAL'17"など大型フェスにも名を連ね、様々な経験値を積んできた彼ら。そこで見た景色や空気感に加え、バンドのチャレンジ精神が今作ではよりいっそう爆発している。時に騒ぎ、時に歌い、時にしっとり聴ける懐の深い1枚と言っていい。吉田 涼、上田 雄のふたりに直撃した。
-1stアルバム『MAGIC MUTANT』(2015年リリース)から約1年半の間で2作の音源(2016年4月にリリースしたシングル『Jesus My Teacher』、2016年9月にリリースしたミニ・アルバム『Psychedelic Sox Funk』)を出しましたけど、前作『Psychedelic Sox Funk』から今作までちょっと期間が空きましたね。
吉田:ライヴをずっとやり続けてましたからね。まぁ、今回はフル作だったので少し時間がかかりました。
上田:曲も2年ぐらいずっと作っていたので、20数曲はありましたからね。曲を作って、ライヴをして、地道な活動をしてました(笑)。
-ライヴの対バンも広がってきましたか?
吉田:いろんなジャンルの人たちとやるようになりましたね。昔はパンク、ハードコア、メロコアのシーンとやっていたけど、今はギター・ロックとか......。
上田:歌モノや、ヒップホップとかもね。
-バンドとしてはいろんな人たちと対バンしようという考えですか?
吉田:それは考えてました。間口も広がるかなと思ったし、わりと聴いてくれるお客さんも多いですからね。良かったら体を揺らしてくれるし、悪かったら......わかんないですけど(笑)。
-自分たちの音楽的な視野も広がりました?
上田:そうですね、何をやってもいいんだなと。
吉田:今回、思いっきり日本語の歌モノの曲(「Wandering」)が入っているんですけど、それもありだなって。レゲエのいい曲みたいなものを書きたくなったんですよね。ハナレグミみたいな、ああいうノリの曲をやってみようか? って。それはこの2年ぐらいで変わった部分ですね。
上田:そう、この2年でいろんな音楽を聴いたから、やりたい曲が広がった気がします。
吉田:そのときに、自分たちの中で流行ってる音楽をやろうと思ったんです。"あのバンドの新曲を作ってみよう"みたいな感覚ですね(笑)。
ジャンルに対する偏見もなくなったし、"なんでもいいじゃん"と思えるようになった
-この2年間で、どんな音楽を聴きましたか?
上田:レゲエ、ダブ、ハードコア・テクノが一番流行ったかなって。
吉田:ATARI TEENAGE RIOTとか、めっちゃハマってました! 車の中にCDがあったんですよね。
上田:大学の友達が、俺らがバンドを始めるときにたくさんCDをくれて。それをずっと車に積み込んでて、とりあえずなんでもいいから聴こうと。
吉田:そしたらヤバすぎて、最高だな! って。じゃあ、これを人力でやってみようってなったのが、最後の曲(「Get Check Now」)なんですよ。
-あれはATARI TEENAGE RIOTの影響でしたか(笑)。ほかには何を聴いていましたか?
上田:THE BEATLESの"ホワイト・アルバム"(『The Beatles』)にこのふたり(上田と吉田)がすげぇハマって。
吉田:ヤベぇ! ってなって。「No.6」は完全にそうですね。
上田:「Revolution 9」のパロディです(笑)。
-そのオマージュぶりは1stアルバムから変わりませんね。
一同:ははははは(笑)。
-"ホワイト・アルバム"のどこに惹かれたんですか?
上田:自分だけかもしれないけど、RED HOT CHILI PEPPERSの『Blood Sugar Sex Magik』みたいな雰囲気を感じたんですよ。それで最終的に「Revolution 9」にハマりました(笑)。
-経験を積んで、自分たちがいいなと思う音楽を素直に落とし込めるようになったのではないですか?
上田:ジャンルに対する偏見もなくなったし、"なんでもいいじゃん"と思えるようになって。それでも自分たちが大好きなロック感は出せるかなと。
吉田:今回はメロディを意識しましたね。できた曲がそういうものが多かったんですよ。だから、そこまで激しくしなくてもいいのかなと。最初に作った曲が「Wandering」なんですよ。