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INTERVIEW

キム・ヒョンジュン

2018.05.30UPDATE

2018年06月号掲載

キム・ヒョンジュン

Interviewer:荒金 良介

-今のトレンドや若い人が聴いている音楽もチェックされます?

最近の音楽もチェックしてますよ。SKRILLEXみたいなEDMも聴きます。ロックで言えば、LIMP BIZKITのようにスクラッチ音が入っているものも好きですね。

-あっ、LIMP BIZKITも聴かれるんですね!?

大好きです! KORNだったり、ニューメタルも聴いてました。それから遡って、RTMも聴いてましたからね。

-RTM......RAGE AGAINST THE MACHINEのことですか?

あぁ、そうです! 「Killing In The Name」

-名曲ですよね。そして、今作は1年ぶりの音源になりますけど、最初のヴィジョンはどんなものでした?

「Take my hand」は"希望"を伝えたくて作った曲なんです。韓国でも平昌オリンピックが開催されましたけど、選手たちが諦めない姿を見たりして――東京でも2020年にオリンピックが開催されますよね。だから、"諦めない"という意志を曲に入れたくて。

-サウンド面に関してはいかがでしょう?

今回は"希望"というテーマに沿って、歌詞と曲調が同時に出てきたんですよ。わりと悩まずに、すぐに曲ができましたね。自分でも名曲だと思ってます。

-ええ、今作はとても聴き応えがありました。

コードを弾いてて、自然とメロディが出てきたんですよね。

-今作は全曲日本語で歌唱していますよね?

今まで日本で活動して作品を出してきたので、それが助けになってますね。なので今作は日本語になっても自分が伝えたいメッセージを伝えることができたと思っています。今回は自分のスタジオで制作したので、よりリラックスした環境で臨めたことも大きかったですね。前作も同じスタジオを使ったんですけど、今回は作詞作曲すべてをその場所で作業したので、集中してやれました。

-音楽的にはロックとエレクトロをうまく融合させたサウンドに仕上がっています。例えるなら、LINKIN PARKに近いニュアンスも感じました。

特に「ASTRAEA」(Type-C収録)に関してはLINKIN PARKの影響がかなり大きいですね。リスナーを緊張させるようなテイストも入れてあるし――ミックスでそういう雰囲気を出してます。なので、「ASTRAEA」にそういう空気を感じてもらえたら嬉しいですね。

-ヘヴィなギターにエレクトロを加え、センチメンタルなメロディが色濃く出てます。でも、なぜこのタイミングでLINKIN PARKのような音像を目指したのでしょうか?

これからLINKIN PARKの音楽を聴ける可能性がないかもしれませんよね? それもあり、自分らしい形で仕上げられたと思います。

-昨年、Chester Bennington(LINKIN PARK/Vo)が亡くなったのは非常にショックな出来事でした。キムさんはいかがでした?

本当にビックリしましたね。突然の出来事でしたから。LINKIN PARKは間違いなくニューメタルを牽引するバンドのひとつだったし、これから誰が引っ張っていくのか、そういうことも考えながら曲を作りました。実は「ASTRAEA」はデモの段階ではラップを入れていたんですけど、それをレコーディング中に変更したんですよ。シャウトするテイストに変えて、もっとヘヴィな方向性にシフトしました。他にギターが激しくなったところもあるんですよ。ぜひ、そこも聴いてもらえると嬉しいですね。

-「ASTRAEA」と比べると、1、2曲目(「Take my hand」、「Misery」)はスケール感のあるサウンドに仕上がってますね。

1枚通して重く激しいテイストに仕上げるわけにもいかないので、強弱をつけるように心掛けました。

-小さなライヴハウスというより、アリーナ規模の大きな会場で聴きたくなる壮大感も出てますよね。

かなり多くのセッションが入っているので、そういうふうに感じられるのかなと思います。僕としてはメロディ・ラインを重要に且つ効果的に響くように考えました。

-「Misery」はよりエモーショナルな歌声が印象的ですね。

曲によって、ヴォーカルのアプローチには気を遣いましたね。抑揚や高揚感を曲に入れたかったので、そうなるように神経を注ぎました。