INTERVIEW
首振りDolls
2018.04.18UPDATE
2018年04月号掲載
Member:nao(Dr/Vo) Johnny Diamond(Gt/Vo) John(Ba)
Interviewer:荒金 良介
-面白いですねぇ。話を戻しますけど、和物感はどのへんの影響で?
nao:歌詞も読み物として成立するようにと思ってるんです。作家だと江戸川乱歩、夢野久作とかが好きで、古臭い文体をマネたりしてます。中学、高校のころに"旧漢字ってかっこいいなぁ"と思って、今でもそういうものが大好きですね。だから、ガキのころから何も変わってないんですよ。
-文学ロックという意味では人間椅子も好きだったりします?
nao:人間椅子も好きなんですけど、(彼らは)テクニカルじゃないですか。もっととっつきやすい感じにしたくて。首振りは高校生でもコピーできそうな感じだから。自分がガキのころに技術より、雰囲気で勝負しているバンドが好きだったから。小難しくならないように意識してます。
Johnny:ロックはティーンエイジャーのものだと思うから。わかりやすい曲を作っていきたいですね。
nao:でもベースは難しいんじゃないかな。コピーしてみろよ! ぐらいの気持ちがJohnにはあると思う。
John:運動部のノリなので、(苦難を)乗り越えてなんぼだと思ってますから。
Johnny:RAMONESの中にひとりBilly Sheehanがいる感じですね(笑)。
-なるほど。そして、今回メジャー・デビューすることになった経緯は?
nao:戸城さんに"お前いくつだよ?"、"28歳です!"、"ギリギリじゃねぇかよ、メジャー・デビューしとけ!"と言われたんです(笑)。だから、ここで結果を残したいですね。戸城さんは私の声を褒めてくれたんです。"naoが歌うと、キラキラするんだよね"って。だから、今回もプロデュースしてくれたのかなって思ってます。
-では、今作はどんな作品にしようと?
nao:デビュー・アルバムで"死"について歌うことに憧れがあって。荒井由美(松任谷由実)さんがデビュー作の「ひこうき雲」で死について歌っているので、自分も歌詞を書くときに死を考えている人の気持ちに寄り添える歌詞を書こうと。つらいのは自分だけじゃないし、わかるよっていう。
-サウンド的にはどうですか?
nao:今までの首振りにない曲も作りました。「夜の衝動」、「煙突の街」、「月のおまじない」とかがそうですね。でも、みんなでやると首振りの曲になったので、うまいこといきました。
Johnny:ギターでも新しい音に挑戦しました。シタールや、トーキング・モジュレーターも使いましたからね。
-「切花」で使ってますね。BON JOVIの「Livin' On A Prayer」みたいな。
Johnny:ですね。あの曲に匹敵するリフができたと思います。
nao:戸城さんのおかげで、Johnnyのアレンジの幅は広がりましたね。
Johnny:うん、「浮氣夜」は今までになかったTHE ROLLING STONESっぽさも入れられたなと。
nao:各所にTHE ROLLING STONESらしさが隠されている気がする。アルバム名もそうだし......。
-「イージーライダー」、「悪魔と踊れ」はKISS好きが滲み出てますよね。
Johnny:はい、溢れ出ちゃってますね。
nao:歌い出しの"俺と危険な遊びをしよう"(「悪魔と踊れ」)はサンハウスやしね。柴山(俊之/Vo/Harmonica)さんの歌詞にも憧れて、言葉に毒が強いから。
John:「浮氣夜」では初めてスラップしました。あと、プレイが固いと言われて、エンジニアの方に"お酒を飲みなさい"と。僕、ほとんどベロベロに酔っぱらって弾いてるんですよ。
-マジですか!
John:上手さよりも勢いだからって。レコーディングでお酒飲んで頭振りながら弾いたので、すごく疲れました(笑)。ギター・ソロの裏であまり動かないようにルート弾きする癖があるんですけど、戸城さんから"つまんねぇよ、動け!"と言われて。あえてフレーズを弾き切るように心掛けました。
-今作のレコ発ツアー(5月に開催する"メジャー・デビュー・アルバム「真夜中の徘徊者~ミッドナイトランブラー」リリースワンマンツアー2018 「MIDNIGHT COLORS ~真夜中の極彩夢~」")はどんな感じになりそうですか?
nao:ワンマン・ツアーでは今後、首振りがどうなるかを示したくて。VJを使って、視覚的にも楽しめるものにしようと思ってます。それでこれを大きな会場で観たらどうなるんだろう、という期待感を持たせたくて。今、首振りは結成当時以上にロック・バンドに夢を見ている瞬間だから、それをお客さんと共有したいですね。一緒に夢を見たいです。
-このバンドの夢というと?
nao:日本武道館でやりたいですね。KISSみたいに特効をドカドカ使って、空を飛んだり、ああいうライヴをやりたいです。キッズが"ウォー!"と熱狂するような、ロックの歴史に名を残すバンドになりたいですね。