INTERVIEW
FOAD
2018.04.13UPDATE
2018年04月号掲載
Member:KSKN(Vo) KENT(Gt) MORIYA(Ba) HAYAO(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-自分たちの中で「CASCADE」は、どのへんがオーディエンスに受け入れられている要因だと思います?
KSKN:曲を作ってる立場から言うと、静と動というか、メロディもシンプルでキャッチーですからね。楽曲も"飛べ!"、"動け!"、"歌え!"って区切りもわかりやすいから、初見でもノレる曲なのかなって。
-作った当時はそこまでライヴ感は意識してなかったんですか?
KSKN:全然っすね。普段は1曲できるまでに3ヶ月から半年ぐらいかかるんですけど、「CASCADE」は家で酔っぱらいながら、ノリで歌を乗せたらできた! って感じで。1日もかからずにできたんじゃないかな。今となってはキラーチューンになっているけど、作った当時はほかの曲の方がいいのになって思っていたぐらいですからね。ライヴでやってみたら"あっ、こんなにウケるんだ"って。
-そういう意味では、ライヴで成長した楽曲と言えますね。
KSKN:そうっすねぇ。ライヴで育った1曲ですね。
-今作にも収録されていますけど、去年11月に「Cascade - Tranquil Cascade」(※アコースティック・バージョン)のMVを公開していますね。アコースティックでやろうというアイディアはどこから出てきたものなんですか?
HAYAO:KSKNの家で曲を作ることが多いんですけど、アコギで作曲したりするんですよね。たまたまKSKNが「CASCADE」をアコギ1本で歌ったのを聴いたときに、"いいじゃん!"と思って。
KSKN:ノリっすね。インスタでいろんな曲をカバーして上げているんですけど、「CASCADE」もアコギで演奏してアップしたんです。そしたら反応も良かったんですよ。で、レーベルのボスからも"ちゃんとアレンジして音源化すれば?"と言われてやってみたら、いいものができたという。
-曲作りはアコギでやることが多いんですか?
KSKN:曲によってバラバラですね。リフや曲がばっちりできたうえで歌を乗せることもあるし、KENTが持ってきた骨格にメロディをハメることもあるし、風呂に入ってサビが思い浮かんで、そこから曲を作ることもありますからね。
-あるいは、アコギでポロポロ弾きながら曲ができることもあると?
KSKN:そうですね。もともと秦 基博、コブクロがめっちゃ好きだったんで。アコギで歌1本のスタイルも好きなんですけど、"歌の練習"っていうのがあんまり好きじゃないから、自分の曲や好きな曲を歌うことが練習みたいになってるんですよ。その流れで「CASCADE」をやってみたらいい感じに仕上がりました。
KENT:KSKNは"シャウトがすごい!"と言われることもあるんですけど、俺的にはクリーン推しだし、バンドでそれをやりたかったんです。
KSKN:おっ、言うねぇ(笑)!
KENT:クリーンでやるのもありだし、むしろその方が聴く人を掴めるかなって。
HAYAO:この界隈はシャウトが強い人たちはたくさんいるから。そこで差別化できるのはクリーンだと思うし、どこかで別のバンドとは違うところを見せないと評価されないと思う。
KSKN:最初はシャウト嫌いでしたからね。だから、こういうアレンジに回帰すると、歌ってて良かったなぁと。歪んだギターも嫌いだったから、高校生のころの自分からすると、今こんなことをやってるのは信じられないと思います。
-へぇ、そうなんですね!
KSKN:俺らのライヴはメロコア好きのお客さんが反応してくれることもあるんですよ。"ライヴ観てFOADも好きになりました"と言ってくれる人もいたから。それはクリーンの強みなのかなって。
-「Cascade - Tranquil Cascade」は原曲とは別モノと言えるような仕上がりですよね。
KSKN:すんなりできましたね。何も迷わなかったです。
HAYAO:カホンもなるべく目立たないようにして、ギターもしっかりハマってますからね。
-MVを公開してから、何かしら反応はありました?
KENT:"KSKNさん、歌上手い!"って(笑)。
KSKN:振り幅を見せられたと思うし、好きなバンドが作品を出すときに次はどんな感じだろうって想像するじゃないですか。"FOADはこんなこともできるんだ!"と思ってもらえたらいいなと。リリースのワクワク感がなくなったら、バンドとして終わりだと思うから。
-普段ラウド系を聴かない人でもスッと入れる曲ですよね。
KSKN:入口があればハマってくれるのかなと。メロディック、歌モノに比べたら、お客さんの分母は少ないけど、そういう入口を作れば引き込めるんじゃないかなって。