INTERVIEW
MERRY
2017.11.09UPDATE
2017年11月号掲載
Member:結生(Gt) 健一(Gt) テツ(Ba) ネロ(Dr)
Interviewer:沖 さやこ
MERRYの11種類の思想を詰め込んだ最新作『エムオロギー』。MERRYのイデオロギー="エムオロギー"という名のとおり、ライヴで映える扇動力の強いロックが凝縮されたフル・アルバムである。現在彼らは2018年2月まで続く47都道府県ツアー"システム エムオロギー"の真っ最中。取材は"AGITATE #1「妄想」"を終え、"AGITATE #2「嗜好」"のスタートを控える10月18日に行われた。プレイヤー陣とともに『エムオロギー』の基本理念をさらいつつ、"AGITATE #1「妄想」"を振り返りながら現在の彼らのライヴの実態に迫る。
-47都道府県ツアー"システム エムオロギー"を決めたのはいつごろだったのでしょうか?
結生:『エムオロギー』のコンセプトを決めるのと同時期でしたね。シングルで出した「Happy life」と「平日の女」と「傘と雨」が"メロディがしっかりしたMERRYの歌モノ"だったので、アルバムの曲は47都道府県ツアーを見据えて、ライヴ感のある楽曲やライヴハウスで映える楽曲を意識して曲作りをしていきました。
ネロ:僕たちがやっていることはMERRYの11個の思想を全国に広める扇動活動――"MERRYのイデオロギー"で"エムオロギー"。それを伝えるために全国を回っているという感覚が大きいですね。2016年はアコースティック的なアプローチが多かったので、ロックに戻したいなという話になりました。
-MERRYの考える"ライヴで映える曲"とは?
結生:常にイメージしているのは"お客さんの目線"ですね。お客さんの感覚になって、お客さんはどういうものを求めてるかな? いまのMERRYがライヴで必要なものはなんだろうな? と考えていく。今回は歌詞と楽曲を同時進行で進めていったので、歌詞のイメージを意識しながら曲を広げて、ガラ(Vo)も曲のイメージを意識しながら歌詞を書いていきました。
ネロ:うるさい曲だろうと、メロディアスな曲だろうと、歌詞が刺さらなければなんも意味がねぇなと思っていて。そこは大事にしましたね。僕の曲(※「MASS CONTROL」と「F.J.P」)はメロと歌詞がガチッとハマったなという印象があって。でも結生君の曲は毎日のように歌詞が変わっていったので、それに合わせて曲も変わっていった。
結生:うん。歌詞が変われば曲も変わるというのは、歌詞を大事にしたいからでしたね。
-"MERRYに必要なものはなんだろう?"というと、足りないものを補完していくと言うよりは、持っているものを強化していくというニュアンスでしょうか。
結生:その2択で言うと後者かもしれないですね。余計なことは考えずに、いまのMERRYが世に出せるものはなんだろう? 自然に出てくるものをさらに伝えるためにはどうしたらいいだろう? と考えていきました。
テツ:聴かせる曲があるのもMERRYの強みだけど、遊び心がある楽曲もMERRYだと思うので、アルバムにはそういうものも入れたいなという意識がありましたね。
健一:ロックな雰囲気というテーマがあったので、無意識に、シンプルに作りました。複雑な楽曲にしてしまうと、ライヴで演奏しづらくなることもあって。自分の好きなものをバンドに持っていって、それをバンドの形にできたらいいなと思いました。
-『エムオロギー』は"MERRYのイデオロギー"というだけでなく、楽曲ごとにサブ・タイトルがついていたりとコンセプチュアルな面が表立っているけれど、中身は実はかなり衝動的であると。
結生:そうですね。まず楽曲にテーマを設けてそのイメージから広げていったんですけど、それはただのきっかけのようなもので、曲や歌詞がそのテーマに左右されたり、縛られていたりするわけではないんです。中身はすごくシンプルで自由......というか感覚でできあがった部分がデカいですね。テーマは頭のどこかにちょっとある、くらいのもので。
ネロ:テーマがあったから、曲作りにおいてイメージが掴みやすかったりもしましたね。
結生:ちょっとリズムが似た曲が多いかなとも思うけど(笑)、ライヴのためのアルバムとして考えたらこれで良かったなと思ってます。ツアーをしていくうちに曲も変わっていくだろうなと思っていたんですけど、47都道府県ツアーの初日のHEAVEN'S ROCK 熊谷 VJ-1(※9月3日に開催)は初日感が出ないようなライヴにしたくて、いい感じにライヴができました。いまはそのうえでさらに進化してると思いますね。