MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

MERRY

2017.11.09UPDATE

2017年11月号掲載

MERRY

Member:結生(Gt) 健一(Gt) テツ(Ba) ネロ(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

普段行っていない土地でやらないとわからないことはたくさんある


-MERRYは結成10周年のタイミングでアルバム再現ライヴをしていましたが、やはりそのときとは感覚が異なると。

結生:全然違いますね。あのときは演奏する楽曲が毎日全部違ったし、自分たちに定着しないまま次にいかないといけなかったから振り返る余裕がなくて、毎日初ライヴみたいな感覚でした。あのときの方が全然つらいっす(笑)。今回はじっくりやれるぶん、結構余裕があるんです。それはあくまで『エムオロギー』がメインだから、というのもあると思いますね。

ネロ:『エムオロギー』は"未来"もテーマになっているんですけど、アンコールの影響もあってメンバー全員自然と昔を振り返りながら、ファイナルの日本青年館に向かえている感覚がありますね。それも全部、いまに自信があるから、最新作がいい作品だからできることだと思います。

結生:長いツアーですからね。ずっと同じことをしていてもなぁと思うし。過去の曲をいまやることで"あっ、いまのMERRYはこういう曲をやるとこういう表現ができるんだ"と未来が見えるというか。『エムオロギー』の楽曲も、ライヴ・アレンジがちょっとずつ出てきていて。アレンジをちょこちょこ変えていったり、尺をいじったりしているので、"#2"でもまた変えて進化していけたらと。何度観ても楽しんでもらえるかなと思います。

-"システム エムオロギー"は47都道府県ツアーならではのことがたくさんあるということですね。

結生:"システム エムオロギー"では『エムオロギー』の盤を持ってきてくれた人にメンバーがサインをしているんですけど、やっぱりその土地に住んでいるファンの人がたくさん来てくれるんですよ。10年前にやった47都道府県ツアー以来、10年ぶりに行った場所も結構あって、"来てくれてありがとうございます"や"10年ぶりです"と言われることもありました。そういうことを直接言ってもらうと"10年間も待っててくれたんだ"と思うし、やっぱりぐっときますよね。気持ち的な面でその日のライヴにも多少影響してきます。次は10年も空けないようにしなきゃなと思うし。来て良かったなと思う瞬間はよくありますね。

テツ:ライヴ前にお客さんと直接対話することはいい刺激になっていますね。ツアーで主要都市だけ行くのもいいんですけど、普段行っていない土地でやらないとわからないことはたくさんあるなと思います。

結生:広島公演(※9月18日に開催)ではパソコンの機材トラブルが多発して、アドリブでどう対処できるか? トラブルをどうプラスにするか? というのを叩きつけられて......。毎回試されてるなと思います。修行してる感じですね。

ネロ:広島はいろいろあってヒヤッとしたけど、一致団結できた感じはあって。演奏中に目で打ち合わせするのは貴重な体験でした。......ライヴ・バンドはすべての土地を良き故郷にしていかないと次に行けないっすね。何本か回ってくれる奴もいれば、たまにしか来れない奴もいるし。トラブルがあったライヴに来てくれた子には"今日観られてレアだったな"と思ってもらえるものにしなきゃと思うし、来てくれた全員が"「システム エムオロギー」良かった"と言ってくれるようなライヴがしたいし、全部を故郷にしようと思ってます。あんまりMCをするバンドじゃないんですけど、地元ネタを話すとお客さんは喜んでくれるので、毎回必死に地元ネタ探しですね。寝てる場合じゃねぇなって(笑)。

健一:どういう場所でもライヴハウスの中に入っちゃえば同じなので。全部でいいライヴをするだけですね。

-前回の47都道府県ツアーとも違う感覚で回れている?

結生:前回の47都道府県ツアーは長いスパンでゆっくり回っていたので、前回とは全然違いますね。移動距離も長いし、スケジュールもぎゅっと詰まっているので、47都道府県回ってるなという実感も強いです。今回はなるべくその土地土地の観光をするようにしていて、朝5時くらいに起きちゃったときは、おじいちゃんみたいだけど(笑)、散歩に行ったりします。

ネロ:前回は自分がどこでライヴをしているのかわからなくなることがあって......MCで地名を間違えたこともあったんです。長いスパンで回っていたとはいえ、余裕がなかったんだと思います。10年でいろいろ経験を積んだこともあって、しっかり深呼吸したうえでライヴができている。スケジュールが詰まっているとはいえ、いまはMCに地元ネタを入れる余裕がありますね。いまのところ心身共々健康でいられているので、最後までケガなく完走できたらと思います。

健一:今回はスケジュールが詰まっているぶん、旅をしている感覚がありますね。全国を回っている感覚がすごくあるので、全部終わったときの達成感はかなり大きいと思います。

テツ:やっている曲が違うので、前回とは全然違う感覚ですね。過去にやったことがある会場であっても、今回は"『エムオロギー』を伝えに行くんだ"という趣旨でツアーを回っているので、すごく新鮮なんです。

結生:今回はアルバムに収録されている曲を全部ツアーで演奏しているんですよね。だから47都道府県ツアーというよりは、『エムオロギー』のツアーという感覚で回れているんだと思います。

ネロ:いい感じで回れているから、いま観ねぇともったいねぇぞと言えます。口コミで"いまMERRY観ておいた方がいいよ"とどんどん広まるような状態を作りたいですね。

-16年でライヴへの向き合い方が変わっているということですね。

テツ:前は"音を伝えたい、感覚で伝えたい"と思っていて。でもいまはMERRYの主張が核になっているので、それが響いたら――と思ってライヴをしていますね。MERRYの主張を伝えるためにライヴをしているし、MERRYの主張を伝えるための曲を作っている。

ネロ:MERRYとしてはライヴは扇動活動の場だけど、自分個人としては――バンドマンって結構ダメ野郎たちじゃないですか(笑)。勉強もダメで、スポーツも大したことなくて、行き着いたのがこのロック・バンドで。だからライヴだけは負けたくないという意地がありますね。そのうえで好きなことを表現する場所なので......意地やらプライドやら生き様やら、人生が詰まっている、すごい場所と時間だと思います。

結生:昔よりもいまの方が純粋に挑戦しているし、自分自身を曝け出せていると思います。曝け出し切れてないところもありますけど、今後そこも出せるようにしていきたいですね。

健一:写真とか文字とかは、飾ろうと思えばいくらでも飾れるじゃないですか。でもライヴは飾れないと思う。だから(結生が)さっき言ったように、曝け出す場所。バンドの真実が見られるのはライヴだけだなと思いますね。

-お話をうかがっていて、ファイナルの日本青年館(※2018年2月3日に開催)まで、いい状態で完走できるだろうなと思いました。

結生:そうですね。ファイナルはどーんと見せたいし、そういう意味でも日本青年館はぴったりの会場だと思います。MERRYにとっても思い出深い会場ですし。

テツ:新しくなることを聞いていたので(※2017年8月に3代目の日本青年館がグランド・オープンした)、もう一度あそこでやりたいなと思っていたんです。いいタイミングが重なりました。

ネロ:2003年ぶりの日本青年館ですね。またここでできるのも嬉しいし、扇動活動のファイナルにはかなりハマる会場だと思います。1本1本のライヴをちゃんとファイナルに繋げていけたらと思いますね。