－このバンドで一歩引こうと思ったのは？

KOGA：TOMO-ZOのギターの本数がものすごく多いし、音色にもすごくこだわっていたので、ベースはそこまでやらなくていいのかなと。

TOMO-ZO：Gacharic Spinはシーケンスの音がいっぱい入ってるけど、ドル箱はバンドの音を主体にしたいから、ギターは結構重ねてますね。

－特にギターでこだわった曲は？

TOMO-ZO：「世界はきっと愛を知ってるんだ」は、いままでの自分にない音色やフレーズを入れてます。ワーミーっぽい音をソロだけじゃなく、随所に入れてますからね。ソロの音色も"Pitch Fork"というエフェクターで、シンセっぽい音を出してます。5年空いたので、みなさんの期待が高まっているから、それに応えたくて。

KOGA：デモで聴いたときもすごいなと思って、本当に弾けるの？ と聞いたら、全然難しくないと言っていて、同じメンバーながら圧倒されました。

－Fukiさんはどうですか？

Fuki：はなから、昔よりもポピュラリティが増したと言われて、自分でもそれを意識していたので、伝わっているんだなと思いました。曲によってロックな歌い方や、明るさを重視したりして、その中で手応えを感じたのは「HERO」ですね。ダウナーで切なくて、それを歌声でもうまく出せたなと。私とはなのツイン・ヴォーカルである意味を、歌詞を含めてちゃんと表現できました。

－今作の中でも物語性のある歌詞ですよね。

Fuki：はい。物語性のある歌詞は説明臭くなるけど、それを排除しつつ、状況が浮かぶ歌詞が書けました。メロディも切ないから、それも歌詞で表現できたかなと。

－KOGAさんの中で手応えのある曲は？

KOGA：「Shout Down」ですね。今回4弦から5弦ベースに替えたんですけど、3弦で弾くところを5弦を弾くことで聴こえ方も変わったりして、新しい発見がこの曲ではありましたね。あと、「Dragonet」は大人っぽいスラップなので、それも気に入ってます。

－音像とジャケもすごくマッチしてますよね。全ベクトルから攻撃してやる！ みたいなアートワークがいいなと。

KOGA：もともとGacharic Spinが好きで、ライヴに来てくださっていた武人画師のこうじょう雅之さんに、バンドのイメージを描いてもらいました。強くて覚悟があると言ってくれて、それを絵に表してくれました。

TOMO-ZO：普段は女性の絵を描かない方で、Gacharic Spinが初めてだったんですよ。そこからドル箱も描いていただけることになって。

KOGA：今回はバンドのロゴも描いてもらいました。

－この和的なバンド・ロゴもいいですね。

KOGA：DOLL$BOXXは海外も意識してて、前作のMVも海外の人がたくさん観てくれたんですよ。Gacharic Spinで海外公演に行くと、DOLL$BOXXは来ないのか！ と言われるんですよね。だから、海外に発信するときにも日本っぽいテイストがあるのはいいなと。

Fuki：衣装も着物と洋服の和洋折衷になってますからね。基本は着物の形なんですよ。海外は行きたいですね。

KOGA：行きたいし、Fukiが良ければ英語詞にしてね？

Fuki：いやいやいやいや！ 英語は発音がうまくできないし、逆に海外の方は日本語で歌うのが好きだったりするから。

KOGA：私は個人的にアメリカに行きたいですね。

TOMO-ZO：私はフランスが好きなので、ヨーロッパに行きたいです。

Fuki：去年初めてFuki Communeで海外のイベントに出たんですよ。マレーシアのクアラルンプールだったんですけど、そのときにドル箱が好きな人がいて、握手会で「fragrance」（2012年リリースのデビュー・アルバム『DOLLS APARTMENT』収録曲）が好きです！ と言われて、歌ってあげようと思ったら、全然思い出せなくて。それが悔しかったので、マレーシアでリベンジしたいですね。