MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

SONS OF APOLLO

2017.10.18UPDATE

2017年10月号掲載

SONS OF APOLLO

Member:Derek Sherinian(Key)

Interviewer:KAORU

-最初に完成したのはどの曲ですか? その曲が完成したときに、アルバムの全体像はどのくらい見えたのでしょうか?

「God Of The Sun」だね。俺が書いたやつだけど。スタジオでは、最初に書いたのはたしか「Coming Home」だったかな。......間違っているかもしれないけど。ちょっと順番が思い出せないんだ。少なくとも、俺がMikeに最初に聴かせたのは「God Of The Sun」だね。

-Mikeが"もう手を加えなくていい"と言った曲ですね。

音楽的にパーフェクトだと言ってくれたよ。あとは歌詞を作るだけだって。

-この曲が全体像や青写真を見せてくれたと思われますか?

全体像は曲作りを進めるなかで見えてきたけど、この曲が基準になったのは間違いないね。何が必要なのかを見極めさせてくれたんだ。この曲のレベルに達するにはもう少し手を加えようとか、そういう感じだった。この曲がトーンを決めてくれたんだ。

-曲が完成するまでのプロセスは、とてもスピーディーでスムーズだったそうですね。複雑な構成の曲なのでびっくりしてしまいます。

RonとMikeと俺が組んだとき、その構成に対するコンセンサスのようなものがあったんだ。とにかく3人のウマが合ったし、最高のものを作ろうという共通の目標があった。だからどの曲も作るのが早かったね。スタジオには10日間しかいられなかったし、そうなると曲作りも物事の決断もどんどんやっていかないといけない。みんなで頭を突き合わせて考えたよ。素晴らしい決断ができたと思うね。

-その10日間の中で最も時間をかけて完成させたのはどの曲ですか?

「Opus Maximus」は数日かかったよ。ものすごく長い曲だし、そもそも最初からスタジオの中で書いた曲だったから。あれはチャレンジだったな。Bumblefootが書いた真ん中のセクションがものすごくテクニカルで、スピードについていくのも大変だったんだ。

-「God Of The Sun」、「Labyrinth」、「Opus Maximus」は10分ほどの大曲ですが、あっという間に聴き終えてしまって、長い! という感じがしないのもさすがだなぁと感服しました。ソロ・パートの聴きどころが多いことも特徴ですが、中だるみさせずに一気に聴かせるということは、あなたたちにしかできないことだなと。

今、世界一の褒め言葉を貰った気がするよ! ドウモアリガトウ(※日本語で)。曲の最初から最後まで、眠くならないで神経を向けてもらうというのはものすごく大変なことで、ソングライティングに労力の多くを費やさないといけないんだ。素晴らしい映画にも同じことが言える。"なんてこった、2時間も経ったなんて信じられない。それくらい素晴らしい映画だった"と思えるような映画。そう言ってもらえるのはプロデューサーとして本当に嬉しいよ。ありがとう!

-いえいえ。でも本当に、あの3曲だけでアルバムの半分以上を占めるというのに、ずっと神経が向いていますよね。ソナタ形式(※複数の楽章から成り立つ交響曲)のアーキテクチャを最大限に活かしているように感じました。交響曲という形式に則る利点を、改めて見直したとか、考えてみた、というようなことはありました?

いや。ただ自分たちのやるべきことをやっているだけだから、それにラベルを付けるのは難しいんだ。たしかに交響曲的なオーケストレーションがあるとは思うけどね。

-「Coming Home」、「Alive」、は、ヘヴィでありながら、ブルースとカントリーのあたたかみ、懐かしさを感じる素敵な曲ですね。この2曲は、アルバムのテーマの中で、どういう役割を持つ曲なのでしょうか?

「Coming Home」は概ねストレートなクラシック・ロックだね。俺たちが受けてきた影響のひとつだ。最初にビデオを作ったのもこれなんだ。俺たち5人が一緒にやっているのを、みんなが初めて見ることになるビデオだね。あと、「Signs Of The Time」を最初に公開した。あの曲はミドル・セクションがプログレ的だけど、とても力強いコーラスがある。だから裾野が広いんだ。

-「Figaro's Whore」......すごいタイトル(※"フィガロの娼婦"という意味)ですね(笑)。

君の声でその言葉を聞くとなんだか変な感じがするよ(笑)!

-あの曲では1分の中にギター、ベース、キーボードによる凄まじい応酬が繰り広げられていますが、ジャム・セッションによって構築したんですか? それとも即興で?

俺がライヴ・ソロをどうしようかなんて考えながら、オルガンをぱらぱらと弾いていたときに生まれた曲なんだ。「Divine Addiction」でオルガンのいいイントロを作りたいと思っていてさ。Eddie Van Halenの「Eruption」みたいな感じのやつ。

-実際eruption(爆発)が起こってますよね、あの曲では。

だろう?

-『Psychotic Symphony』という作品は、プログレッシヴ・ロックの可能性を広げ、またその魅力を取り戻した、と感じます。ご自身も、その実感はありますか?

そうだね。俺たちに影響を与えてくれたすべてのジャンルの要素を、SONS OF APOLLOに投入したいと思ったんだ。その結果が『Psychotic Symphony』ってことだね。

-プログレッシヴ・ロックというジャンルは日本にも根強い固定ファン層がいますが、アメリカではどんな状況ですか? そもそもロック・バンド自体があまり増えてないということをよく聞きますが......。

うーん、俺は音楽シーンをあまりフォローしていないからね。だから何が流行っているかも知らないけど、自分たちはこういう音楽をやっているだけだから。でも、どの国でも、いつの時代も、いいロックにはオーディエンスがいてくれるものだと思う。だからこそ、自分たちが作り得る最高のロック・ミュージックを作っていきたいんだ。

-SONS OF APOLLOとして、これからどんな活動をしていきたいと思いますか? ティーザー映像でも"2018年はSONS OF APOLLOの年になる"と言っていましたが。

新しいマネージャーが来たんだ。いま彼は世界中でライヴをブッキングしてくれている。この話をしている今もね。TwitterやFacebook、あとオフィシャル・サイトがあるから、ツアー日程をチェックしてくれ。もうすぐアップされると思う。

-SONS OF APOLLOとしても来日してくれることを期待しています。最後に、ファンにメッセージをお願いします。

日本のファンのみんな、ドウモアリガトウ! 大好きだ! 俺たちみんな、SONS OF APOLLOを早く日本のみんなに届けたくてワクワクしているんだ。来年、2018年には会えるはず。もうすぐだからね! 10月25日発売の『Psychotic Symphony』をよろしく! みんなに会えるのを楽しみにしているよ。本当にありがとう!