INTERVIEW
odd five
2017.10.11UPDATE
2017年10月号掲載
Member:中 拓史(Vo) 今来 淳平(Gt)
Interviewer:山本 真由
-ちなみに、今後カバーしてみたい曲やアーティストは考えていますか?
今来:カバーするならまたゴダイゴをやってみたいですね。僕がゴダイゴで一番大好きな曲は「リターン・トゥ・アフリカ」っていう曲で、今聴いても最高にカッコいいです。また機会があればぜひカバーさせていただきたいですね。
-「エキゾチックマイナー」はキーボードの澄んだ響きと、歪んだギターのコントラストが印象的な楽曲ですね。民族楽器を使わずとも、なんなくエキゾチックな雰囲気を感じさせる独特のメロディ・ラインも面白いですが、"エキゾチック"というワードをタイトルに入れながらあえてあからさまにエキゾチックにはしないアレンジをしたのはなぜですか?
中:この曲の歌詞はodd fiveのこれまでの楽曲を振り返る歌詞になっていて、今作から僕らのことを知ってくれた人が過去の作品にも興味を持ってくれるようにと思って作りました。そのため、誰もが聴きやすい比較的あっさりめのアレンジに仕上げました。アルバムの後半になるにつれ、曲のキャラが濃くなっていくので、いい意味で目立っているんじゃないかと思います。
-そして、「SKA SHARAKU」は一転してイントロからティン・ホイッスルが活躍するスカ・ナンバーですが、合いの手っぽい掛け声なんかも入っていて、ライヴで盛り上がりそうな、踊りやすい楽曲ですね。ヴォーカルの中さんはティン・ホイッスルも兼ねていますが、吹き終わってすぐ歌い出す楽曲だと、ライヴで息つく暇がなくて"苦しい!"とかってなることはないですか?
中:めちゃくちゃありますよ(笑)。ティン・ホイッスルを使い始めたときよりは上手く調整できるようになってきたと思いますが、まだまだ課題ありです。"吹き終わってすぐ歌い出す"よりも"歌い終わってすぐの笛1音目"の方が難しいですね。ティン・ホイッスルは息の量でずいぶん音が変わってしまうので気をつけないといけないんですが、ライヴになるとついつい動きすぎたりしてしまって......(笑)。もっと安定した演奏ができるようスタミナつけないといけませんね。頑張ります。
-また、「セイレーン」は、しっとりとした三拍子のナンバーで、今作の中でもちょっと異色ですね。演奏に関しては、他の曲と違って難しいポイントなどもあるのでしょうか?
今来:最近はグッと聴き込めるバラードを作っていなかったので、ミニ・アルバムに入れることを見越して作りました。この曲はあまりライヴで演奏することを考えず、ダラブッカ・マンドリンや多重コーラスなどを重ねていった曲なので、いざ5人で演奏するとなると手が足りないんですよね(笑)。でも逆に、レコーディングでは音を重ねないと表現できない厚みや世界観が、ライヴでは細かい指先の表現ひとつで伝わるので、そういうところにこだわって演奏していきたいです。
-「果テハテ」は、歌詞を読まないと日本語とはまったく思えないような言葉の発音の仕方や節回しで、無国籍な世界観を演出していますね。まるで勢いで歌った仮歌詞がそのまま歌詞になったかのような......。そういうところもあるんでしょうか?
今来:まさにそうです。odd fiveはいつも曲が先にできていて、デモの段階では僕が日本語なのか分からない"今来語"で歌っているのですが、だいたいの場合それに中がきれいに歌詞を当てはめてくれるんです。でも「果テハテ」の場合はこの"今来語"のニュアンスを崩したくない、ということで僕が作詞しました。以前には「仏前ニテ」(2015年会場限定リリースの1stシングル『韃靼人の憤り』収録曲)という曲もそういう作り方でした。
-ちなみに、今作も全体的に遊び心と独特のボキャブラ・センスが冴えわたる歌詞が並んでいますが、日頃から歌詞のためにネタ帳のようなものをつけていたりするのでしょうか? それとも、毎回曲のイメージからどんどん言葉が湧いてくるのでしょうか?
中:ネタ帳というほど大したものじゃないんですが、面白いなと思った言葉はメモに残すようにはしています。でも昔から、曲のイメージから言葉を吐き出す作り方なので、そのメモから実際引っ張ってくることはあんまり無いです。どうしても行き詰まったときなんかにぼーっと眺める使い方が多いですね。今回の『Road to the Temple』は歌詞作りに結構時間がかかってしまったので、スムーズに制作していくためにも今後はもっと有効活用していこうと思いました。