INTERVIEW
odd five
2017.10.11UPDATE
2017年10月号掲載
Member:中 拓史(Vo) 今来 淳平(Gt)
Interviewer:山本 真由
-さらに、「FACES」は単純な長調や短調ではなく、アラビア音階も用いたりしているようですが、こういうアイディアは何かにインスパイアされているのでしょうか?
今来:この曲に関してはただ何も考えず、ギターの手癖でできたフレーズを組み合わせていった覚えがあります。ただ普段から長調か短調かわからないような不思議な音階の曲は大好きで、僕は音楽理論はあまりわからない方なのですが、エチオピアン・ジャズやFrank ZappaとかSteve Vaiを聴いたり、名前もよくわからないような難しい音階の感覚を吸収したりしています。
-ティン・ホイッスルや、ダラブッカ以外に使ってみたい楽器はありますか?
今来:サポート・ドラムの塚川がスティールパンに興味があると言っているので、使ってみたいなぁと思ってます。また、ディジュリドゥを使った曲も作りたいです。配信曲の「狼煙」(2017年3月リリース)という曲ですでにディジュリドゥを使っているんですが、ディジュリドゥには音程は無く、いろんな動物の鳴き声などを表現する吹き方がたくさんあるので、ディジュリドゥを使った違うアプローチの曲をもう1曲書いてみたいです。
-最近だと、津軽三味線を取り入れたバンド ROAなんかもいますが、三味線など和楽器への興味はありますか?
中:日本人の性なのか、和楽器の造形や独特の響きには不思議なくらい心惹かれるので興味はものすごくあります。ただ、なんとなく扱いが難しいイメージがあって今はまだ手を出してないです。実際バンドに取り入れるとしても、まだ少し先の話になると思います。
-最近気になっているバンドやアーティストはいますか?
中:先ほどのROA然り、横浜のIRIE BOYSなど民族楽器を使うバンドの名前を最近よく耳にするのですごいワクワクしてます。IRIE BOYSは一度対バンしたことがあるのですが、めちゃくちゃカッコよかったです。
-ワールド・ミュージックなど、今後取り入れていきたいジャンルはありますか?
今来:今は"本格的なラテンの感じを取り入れた曲を作ってみたいなー"と思っているところです。あとはそれとは真逆の方向性で、エレクトロの方で今海外でもカッコいい人達がたくさんいるので、取り入れてみたいですね。そういう相反するものを混ぜ合わせていきたいです。
-リリース後は、特別なライヴ企画など予定されているのでしょうか?
中:今回もTOWER RECORDS梅田NU茶屋町店でのインストア・ライヴと全国ツアーを考えています。前作『奇奇奇奇』のツアーは1ヶ月にぎゅっと詰まっていたんですが、今回はより長いスパンで前回は回れなかった場所も含めじっくりと全国を回る予定です。前作からだいぶ時間が空いてしまったので、改めて自己紹介して回るような気持ちで臨みます。今感じている各曲へのイメージがツアーを経てどう変化するのか、とても楽しみにしています。
-今後、出演してみたいイベントやフェスなどはありますか?
中:大型フェスやサーキット、地域密着の小さなイベントなどどんなところにもどんどん出演して行きたいですが、今回"JAPAN EXPO THAILAND 2017"に出演して、よりワールドワイドなイベントに興味を持つようになりました。昔から"odd fiveはアジア・ツアーとか似合うよね"と言われることもあって、僕ら自身ずっと意識していたのですが、今回実際に経験できて、その想いが明確になりました。国内外問わず、様々なジャンルの音楽と共演して行きたいです。
-前回のインタビュー(※2016年7月号掲載)で"フェスの似合うバンドになりたい"とおっしゃっていましたが、その目標に近づけたと思いますか?
中:そうですね、実際フェスへの出演はまだまだ少ないものの、着実に"ライヴがいいね!"と言われることが増えてきたと感じてます。今作の楽曲もより個性的なものになって、他のバンドにはない部分をしっかり伸ばせている1枚になっていると思います。全国ツアーで、新曲のライヴ・パフォーマンスにも磨きを掛けていきたいです。
-今後の活動における目標や、将来的な野望など教えてください。
中:僕らは常々、いろんな人がもっと自由に自分の好きなことに胸を張って生きられる世の中になって、街中に多種多様の民族音楽が溢れていることが、みんなのスタンダードになってほしいと思っていて、そのためにはまず自分たちのイベントでシーン全体を動かしていくしかないと年々強く感じるようになってきました。最近ではポップスとロック、パンクにレゲエと、いろんなジャンルが垣根を越えて共演するフェスは珍しくないので、次のステップはもうひとつ先のワールドワイドな思考が必要になってくると思います。ジャンルも人種も演者もお客さんも入り混じるような自由奔放なイベントを来年あたりからできる範囲の規模で育てていきたいと考えています。いつかは野外で何万人という規模で、ウッドストック("Woodstock Music and Art Festival")の再来なんて言われるほどになれば最高ですね。
今来:僕も、自分のやりたいことを自分のやり方で突き進んでいる人が大好きです。でも今の時代、無理に自分らしさを出すことを強要されて悩む人も多いと思います。僕自身、音楽や絵画、映画、いろんなジャンルのものを見て"表現の仕方はなんでもいいんだ"と思えるようになったので、そういう人たちの心を照らして、"なんでもいいんだよ"と言ってあげられるような音楽を作りたいです。この先いろんなクリエイターと出会って、いろんな人がいろんなアイディアをodd fiveという場所に持ち寄って作品を作っていって、それで歴史に名を残せたら、最高だと思います。
-最後に、激ロック読者へのメッセージをお願いします。
中:10月11日に3rdミニ・アルバム『Road to the Temple』がリリースされます。1年ぶりの今作はodd five史上最も激しく、最も優しい自信作に仕上がりました。どんな音楽が好きな人にもオススメできる、ジャンルレス、ボーダーレスな1枚なので、ぜひ手に取って聴いてみてください。また今作を引っ提げて全国ツアーも回りますので、気軽に遊びに来てください。ライヴハウスで待ってます!
今来:最後まで読んでくださったみなさまに感謝です! 少しでも興味が湧いたら、『Road to the Temple』を聴いていただけると嬉しいです!