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INTERVIEW

ALL TIME LOW

2017.06.02UPDATE

2017年06月号掲載

ALL TIME LOW

Member:Alex Gaskarth(Vo/Gt)

Interviewer:鈴木 美穂

-なるほどね。突然ですが、あなたは今年30歳になるんですよね?

そうだよ(笑)。

-今年、20代の最後の年を過ごすことになるっていう事実は、あなたの歌詞になんらかの影響を与えましたか?

そう思うよ。このアルバムはすごく内省的な感じがあるんだ。今作の歌詞の多くは、ノスタルジックな感じで、昔を振り返ってる。20代を振り返って、自分がどれだけ成長して変化したかを見ているんだよ。20代から30代って、たくさんのことが変化するからね。いろいろな状態を経験して、本当の意味で自分が誰なのかを見つける。このアルバムにはそういったことがたくさん含まれていると思う。

-「Ground Control」(Track.9)はTEGAN AND SARAとのデュエット曲で、彼女たちとあなたのヴォーカルが絡み合うことで、とても新鮮なフィーリングの曲に仕上がっていますね。このコラボレーションはどうやって実現したんですか?

このコラボレーションは、本当に運良く実現したんだよ。この曲を書き上げた瞬間に、これはデュエットにする必要があるってわかってたんだ。僕と一緒に、誰かに歌ってもらいたかった。それで誰がこの曲にフィットするか、誰が素晴らしい選択になるかって考え始めて、ほぼすぐにTEGAN AND SARAが僕の頭に浮かんだんだ。彼女たちがやっている音楽の要素が、すでにこの曲の中に感じられたから。僕はTEGAN AND SARAの大ファンで、昔から大好きなんだよ。でも、彼女たちに会ったことはなくて、知り合いじゃなかった。だからスタジオで、"TEGAN AND SARAがこの曲で歌ってくれたら最高だけど、どうすれば連絡がとれるかな?"って話し合ってて。それで、いきなり彼女たちにメールして、曲を送ってみたんだ。"僕たちは、あなたたちのことが大好きなんだ! この曲で歌ってくれたら、最高に嬉しい。あなたたちのファンは予想しない組み合わせかもしれないけど、あなたたちにぴったりの曲だと思うし、すごく楽しいコラボレーションになると思う"って。そうしたら、彼女たちはすごく乗り気になってくれたんだよ。それで実現したんだ。彼女たちのおかげで、本当に新鮮で素晴らしい曲になった。彼女たちにぴったりの曲だから、彼女たちのヴォーカルが入った瞬間に、曲がレベルアップして、新しく生まれ変わったんだ。本当に嬉しかったよ。

-このアルバムを通してひとつのメッセージがあるとしたら、教えていただけますか?

成長して本当の自分になるまでの旅って、予想がつかなくて、道は曲がりくねっていて、山も谷もある。このアルバムで一番伝えたいことのひとつは、"人生のどん底にいても、そこから抜け出す道はある"ってことだと思う。それが一番大きなメッセージだと思うな。僕が成長するうえでの山と谷を歌詞にしていて気づいたのは、人生で最低のとき、あるいは最高のときが、本当の自分を作るんだってことだった。そのことに気づくのは大事だと思う。

"Billboard"のオンラインの記事を読んで知ったのですが、あなたはイギリス出身で、ずっとアメリカで育ったけれど、まだアメリカ市民ではないんですよね。そして、ギタリストのJack Barakatはレバノン出身です。そのこともあって、ALL TIME LOWは、ドナルド・トランプ大統領の移民政策に反対してTシャツの売上金をACLU(The American Civil Liberties Union)という非営利団体に寄付するキャンペーンを行いました。私はロサンゼルス在住なのですが、アメリカが過去最高に生きづらい状況になっているのを感じていたので、あなたたちのキャンペーンは尊敬しています。

うん、本当に大変な時期だと僕も思う。だから、ポジティヴになることの大切さをメッセージとして広めるのは大事だと思うんだ。そして、すべての人たちが歓迎されて、迎え入れられていると感じられるようにすることも、すごく大事だと僕は思ってる。

-大変な時期にあるということは、アルバムの制作中にも考えていましたか? この状況は去年から始まっていたわけですが。

そうだね、去年、起こっていることを見ていて、なんていうか、現実が信じられなかったよね。本当に、何が起こってるのか理解に苦しむっていうか。政治的にどういう意見を持っているかとは関係なく、最近起こっていることの多くが、僕が"基本的な人間の倫理"と呼んでいることに反してるんだよ。僕たちはすべて同じ人間なんだから、同じように適切に扱うのが倫理だよ。だから、こんな状況を見てるのは怖いことだけど、ポジティヴな面もあって、人々が過去最高にやる気になって、学んでいるんだ。ファンの中にも、僕たちより若い人たちも含めて、そういう新しい世代の若者たちがいて、こうした問題を本気で気にかけてる。そして、お互いのことも大事に思ってるから、社会が進化して、変化するのを見たいと思ってるんだよ。彼らは、人々がポジティヴな方法でひとつに団結するのを見たいと思ってるんだ。僕たちの現状にひとつ前向きな面があるとしたら、新世代の若者たちは、みんなで団結して、お互いを助け合っているってことだよ。

-同感です。さて、8月には"SUMMER SONIC 2017"(以下:サマソニ)に出演する予定になっていますね。

うん、サマソニの出演が決定して、すごく嬉しいんだ。サマソニには何度か出演していて、毎回素晴らしい経験になってるからね。僕たちにはすでにたくさんの素晴らしい日本のファンがいるけど、まだ知らない人たちもいる。サマソニの良い点は、僕たちを観たことがなかったり、曲を聴いたことがない人たちの前でパフォーマンスして、彼らのことも楽しませることなんだ。いつやっても、すごく楽しいんだよ。

-ライヴで披露したいと思っている曲はありますか?

「Life Of The Party」(Track.6)っていう曲があるんだけど、僕がすごく大好きな曲なんだ。ライヴでは、良い合唱曲になると思う。あの曲をやるのが楽しみだよ。

-あの曲も合唱したら、楽しいですね。ところで、レーベル・メイトになったONE OK ROCKとは、昨年1月、日本で一緒にツアーした仲でもあるんですよね?

うん、彼らと一緒にショーをやって、僕たちのステージに彼らが飛び入りしてくれたよ。彼らのことは大好きだよ。彼らの曲は素晴らしいし、すごいと思う。彼らがいま、アメリカで活動しているのもすごいことだと思う。他国のバンドがアメリカで活動して、名前を知られるようになるって、簡単なことじゃないからね。彼らは世界的なバンドとして、しっかり自分たちを成長させてると思う。それは、ALL TIME LOWがずっと目標にしてきたことでもあるんだよ。自分たちの国の中や、決まった都市でプレイすることで満足するアーティストもいるけど、ALL TIME LOWは、世界中のあらゆる場所に行きたい、世界中を見てみたいと思ってやってきた(笑)。ONE OK ROCKも同じことをやっていると僕は思う。彼らのやる気は素晴らしいと思うよ。

-最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。

ALL TIME LOWを応援し続けてくれてどうもありがとう! 僕たちは、日本のみんなが大好きだよ。夏にまた会いに行くよ!