INTERVIEW
ALL TIME LOW
2017.06.02UPDATE
2017年06月号掲載
Member:Alex Gaskarth(Vo/Gt)
Interviewer:鈴木 美穂
-3月初めにロンドンのショーでプレイしていた「Dirty Laundry」(Track.3)の映像をYouTubeで見ました。もともと素晴らしい曲ですけれど、ライヴになるとさらに良くて、最高のシンガロング曲になっていましたね。
うん、この曲はアルバムの中で、一番エキサイティングな曲だと思う。僕たちがこれまでにやった、どの曲とも違うサウンドで、ALL TIME LOWが新しいことをやっているのが見える曲だから。繰り返しになるけど、バンドとして新しいことに挑戦して、新しいサウンドをやるのは大事なことだからね。そしてこの曲は、ファンのおかげで新しい命を吹き込まれてる感じだよ。この曲をライヴでやるのは、あのロンドンのショーが初だったんだ。6,000人の観客の前で、あれほど盛り上がって、僕たちにとって驚異的ですごく嬉しい瞬間だったよ。一昨年から制作を始めて、去年は1年間、大量の時間をかけてアルバムを制作したから、今の僕たちはただリスナーにいい反応をもらえること、ファンに大好きになってもらえることを願ってるんだ。だから、僕たちにとって重大な瞬間だった。ステージ上で、自分たちの目であの盛り上がりを見ることができたんだから......最高だったよ。この曲が世の中に出たことが、すごく嬉しい。
-早くライヴで目撃したいです。歌詞についてもうかがいますが、"Dirty Laundry(=汚れた洗濯物)は君に似合う"とか、あなたの歌詞はシンプルだけど、言葉の選び方がスマートだと思います。"Dirty Laundry"は、"公表したくない秘密"のことですよね。
うん、そうだよ。"Dirty Laundry"はアメリカでは有名な言い回しなんだ。"Airing your dirty laundry(=汚れた洗濯物をさらす)"は秘密を明かすってことで、人に隠している秘密のことを、この曲では歌っている。ありのままの自分を受け入れて、隠している秘密を認めること。そういう秘密を持つことが、人を人らしくしているんだから、秘密を持っていてもいいんだよ、ってことなんだ。
-「Last Young Renegade」(Track.1)の歌詞も非常に心に残りますが、この曲は何にインスパイアされて書いたんですか?
これは、青春時代の恋愛についての曲なんだ。青春時代の恋愛は、ずっと続くものじゃないこともある。この曲は恋愛中の旅について歌っていて、終わりはないんだけど、恋愛の旅を楽しんで、最終的にどこに辿り着くのかは心配しない、ってことなんだ。それって、若いときはすごく実感があることだと思うんだよね。この曲ではそれを表現したかったんだ。僕にとっては、すごくイメージが目に浮かぶ曲なんだよ。リスナーが聴いたとき、頭の中にイメージを思い描けるように、その瞬間と場所を伝えることを意識しながら書いたんだ。だから、この曲を書くのは楽しかった。このアルバムの多くの曲が、そういうふうに書かれた気がする。映像が思い浮かぶ歌詞にして、リスナーをその場所に連れていく、っていうね。
-この曲をアルバム・タイトルにしたのは、特に気に入った曲になったから?
うん。それに、この曲はアルバムのストーリー、テーマを繋ぐ曲になっていると思ったからなんだ。「Last Young Renegade」の主人公に関して、アルバム全曲の主題を通して、どんな人物なのかを伝えるっていうね。それが、僕が歌詞を書くうえでの助けになったんだ。すごくパーソナルな歌詞を書いているんだけど、この主人公がいることで、僕自身のことを書くよりも、もっといろいろなことを曝け出せたような気がするんだ。
-このアルバムはあなたの私的な歌詞であると同時に、"Last Young Renegade"という主人公の視点を通した歌詞だということなんですね。
そうなんだ。物語を、僕以外の人に投影して語ることができたんだよ。
-ではミュージック・ビデオでも、あなたは多少このキャラクターを演じているってことですか?
うん、そういうことだね。でも少し幻覚的な面があって、これは僕なのか、視聴者なのか、ビデオの中の他の出演者なのか? 僕が思うに、それがちょっと曖昧なところがクールなんだよね。誰が"Last Young Renegade"なのか、はっきりしないんだ。それは、リスナーの判断に任せるって感じなんだよ。リスナーが彼らなりの意味を見つけられるようにね。曖昧な部分を作っておくことが、僕たちにとって大事だったんだ。