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INTERVIEW

GOOD CHARLOTTE

2016.09.07UPDATE

2016年09月号掲載

GOOD CHARLOTTE

Member:Joel Madden(Vo)

-Track.3「40 Oz. Dream」は、MTVの黄金時代の影響力と当時放送されていたレパートリーを思い起こさせるような内容と、カリフォルニアへの移住と新天地での経験について歌っているのでしょうか? 自身が西海岸へ到着したころへのオマージュですか?

そうだね。とにかく魔法のような時間だったね......でも、それはその世界の中での時間の欠片のひとつだった。その後もそういうときが10回くらいあったし。世界が変わっていくのを何度も見てきて、目が覚めたんだ。わかるかな? 目が覚めても、地球は回り続けて人々は生き続ける、という現実に気づいたんだ。思い出に浸るのって、ちょっと不思議な感じだよね。思い出して、懐かしんで、でも今を生きてる。今は笑えたりもする。僕らはいつも、世の中を見てどう思うかを皮肉っぽく語ってきた。でも何に対しても、誰に対しても、怒りを引きずったりはしてないし、そんなことは関係なく人生は続くんだ。すべては変わるものだし、今でも変わり続けて、これからも変わっていく。10年後にはまた何かが起きていて、どこかの誰かが"ワーオ! 2016年を覚えてるか? 俺の時代だぞ?"って言ってるよ。まぁ、あのころが"自分の時代"だったかはわからないけど、今は幸せなんだ。あのころも幸せだったけど、今とは全然違う状況だった。当時僕は世界に魅了されていたし、初めて経験することばかりだったからね。そういう目新しさの感動みたいなものはもうないけれど、それでも今でも意味深いものだし、特別なことだったと思うよ。

-Track.1「Life Changes」がそういうことなんですよね?

まさにそう。"Life Changes(人生は変化するもの)"というタイトルがすべてを語っている。足を止めないように、前に進み続けなきゃって。楽観的に、希望を持ってね。なぜなら人生は常に変わるものだから。そしてそれはどうにも止められない。子供たちを見ていて、苦い経験をして学ばなきゃいけないことは、自分で経験しないといけないものなんだと思うよ。彼らの人生で起こる、"つらい経験"を阻止することはできない。彼らのそばにいてあげて"それは普通のことなんだよ"と伝えてあげるくらいしか僕にはできないんだ。人生は変化するもので、それでもみんな前に進んで、成長しなくちゃいけない。願わくば自分をより良くできる機会にして、ベッドの下に潜り込んでずっと隠れることはないようにね。

-Track.5「Keep Swingin'」に出てくる"裏切り者"のような中傷はどうやって立ち向かうのでしょう? 未だにあるんですか?

いや、これは今まで言えなかったことが曲になってるんだ。"Keep Swingin'(構わずやり続けよう)"は、若かったころ、自分に言えなかった言葉なんだと思う。つまり、全部おふざけだよって。自分が大好きなこの音楽シーンも数年経ったらすべてが変わってしまう。そのときその瞬間にいると現実のように感じるけど、一歩離れてみて、例えば9,100メートル上空から全体像が見えるようになると、あの23歳の若者に"大丈夫だよ。他の人の中傷なんか気に病むな。たいていは、意味のない戯言ばかり抜かしてるような奴が出どころだからさ。どうせ奴らにとっては大して重要なことじゃない。そいつらが深く考えずに言ったことを、まるで意味があるみたいに信じて、まるで判決が下ったみたいに感じているだけだよ"と言ってあげたいよ。若かったころの自分に言ってあげたいのは"とにかく、構わずバットを振り続けろ。雑音なんか気にせずに前に進むんだ"ということかな。今だからこそ考えられる、あのころ言えたらよかったと思うこと。「Keep Swingin'」はそういうことを言いたいんだと思う。でも、当時は自信も経験もなくて、知る由もなかったことだね。

-Track.6「Reason To Stay」で共演しているBIFFY CLYROのSimon Neil(Vo/Gt)には、どうやってアプローチしたんですか?

Simonとは友人の紹介で出会ったんだ。最初は誰か他の人の曲を書くのはどうだろう、という話から始まったんだ。実際に会ってみて、すぐに彼を大好きになった。才能があってめちゃくちゃいい人だ。ファンだったから会うことになって嬉しかったんだけど、会ってみたら"そうだ、だからファンだったんだよな!"って納得したよ。僕らにとって、本当に特別な1曲であり大好きな曲だ。いつもと違うからレパートリーにあっても面白い曲だと思うし、アルバムに入れたいと強く思った。もともとは"GOOD CHARLOTTEの曲を作るために会おう"という話ではなかった。アルバムは作り始めていたんだけど、曲の仕上がりに僕はイマイチ納得がいってなくて......で、彼と会ってみるのはどうかと連絡をもらって"ずっと会いたかった! いい話だ、やろう!"と思ったんだ。当時は外部の人と一緒に曲を書いたりセッションをしたりすることもなかったから、とても良かったね。"やった! Simon Neilと仲良くなれるかも。もしかしたら一緒に曲を書くかもしれない"と思えて。それで結果的にあの曲ができて、自分のキャリアの中でも"他のバンドのいちファンになる"という楽しい経験のひとつになったよ。

-あとは、人間関係についての曲も多くあるようですね。Track.7「Stray Dogs」の"I'm just a dog without you(君がいなければ僕はただの野良犬だよ)"っていう一節とか。

それはBenjiが書いたんだ。その1行は簡潔に彼を語っている。彼は目的に目覚めたというか、やっと居場所を見つけたんだと思う。結婚して、本当に素敵な奥さんがいるっていうことだよね。世界中の人は彼女を"Cameron Diaz"として知っているから。僕らのCameronでもあるんだけど、僕らが知ってるCameronは、最高に素晴らしい女性だよ。兄貴は彼女と一緒にいることで、人間としてより良くいられるんだ。一緒にいて幸せで、お互いにとって良い関係に恵まれたふたりを見られるのは、本当に嬉しいものだよ。だから、あの曲は彼本人のインスピレーションで書いたんだ。自分にとっての伴侶について"その人がいなかったら、彷徨ってるんだろうな。野良犬みたいになってるんだろうな"という気持ちになるのは誰もが同じだと思う。