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INTERVIEW

GOOD CHARLOTTE

2016.09.07UPDATE

2016年09月号掲載

GOOD CHARLOTTE

メンバー:Joel Madden(Vo)

-2011年に活動休止を発表してTHE MADDEN BROTHERSを結成。そして今回の復活は、今作収録のTrack.2「Makeshift Love」のMVみたいでしたか? ドーナツとコーヒーがあって、みんなでハグして。

まさにそうだね!

-ずっと連絡はとっていたんですか?

そう、メンバー同士みんな連絡をとってたよ。THE MADDEN BROTHERSのときはPaul Thomas(Ba)が何曲かでプレイしてくれた。もともと(活動休止したのは)軋轢とかそういう問題じゃなかったからね。みんなハッピーだったし自由を満喫していた。メンバー全員、まるで強制的に乗せられていた列車から解放された気分だった。でも、それはファンや音楽とはまったく関係ない部分だよ。すべては音楽業界のことだと思っている。あとは価値観かな。それらをかけ違ってしまったんだ。成長過程で自尊心が低いまま大人になると、常に自分の価値について不安がつきまとうものだ。"自分が地球上にいる意味はなんだろう?"とか。それがバンドのヴォーカルであることだと告げられて、実際にそれをやっているとそれ以外のことはどうでもよくなってきて。そんなときに"これをやらないとすべてを失うよ"という話が伝わってきたらどうなると思う? 若者にとって、というか僕らが苦労したのは、自尊心の低さだと思うんだ。それは僕らの音楽からもわかるんじゃないかな。願望というか、自分の価値や葛藤というものがね。有名になることやお金は、空虚な幸せをもたらしてくれただけだった。実際の幸せは、生身の人との繋がりを見つけることだ。僕の場合は奥さん(Nicole Richie)と結婚してもう10年になるんだけど、彼女は僕の親友だ。僕は彼女とふたりの子供に自分の意味と自尊心を日々見いだしているよ。

-ご自身の歴史を振り返ると、LAに来たのは16歳のときで、ギター2本とバックパックと50ドルだけを持っていたんですよね。

そう、家を出たとき基本的には何も持ってなかった。家もなくて、死体置き場の上に住んだこともあるし......住める場所ならどこでも住んでたよ。自分たちで家賃が払えるところならね。仕事もふたつ掛け持ちして、本当につらい時期だった。だからやっと成功したとき、"これが豊かな生活ってやつなんだ! やったぞ! このままみんなハッピーなんだ!"と思った。みんな僕らの事情を知っていると思っていた。子供だったし、世界のことを何もわかってなくて、教養も少し足りてなくて......。社交性も身につけないといけないのに実世界や人間関係を見極める力もアンバランスで、でもプロモーションなんかもやらなくちゃいけなくて......という環境に放り込まれてしまった。本当に、とにかくついていくのが精一杯だったんだ。その混乱した気持ちが一部、冷たいというか、なんていうか......。

-鎧のようなものですか?

そう、壁を作ってしまった。混乱したり、ちょっとついていけてない自分がいたから。不安に思う部分もあったし、ツアー中も"みんなの面倒見てあげるから任せて"と言ってくれるような大人はいなかった。とにかく僕らだけだったんだ。それでレコード会社の人たちを頼らざるを得なくて、でも"あいつは嘘ついてないような気がするけど、あっちの奴はどうだろう......"と疑心暗鬼になってしまう。でもとにかく彼らしかいないから、それで......わかるだろ? 混乱しちゃうんだ。自分たちの歴史を振り返ったとき"ヤク中や完全な廃人にならなかったのは奇跡だ"って思うくらいだよ。

-それはアルバムに入っている曲の歌詞にもなっていますね。生き延びたことや90年代の記憶、すべてが入っている......。

そう、このアルバムには全部入ってるよ。このアルバムは過去の振り返りでもあり、未来へ向けたものでもある。ストーリーを語っていると思うんだ。少し掘り下げると、そういう歌詞に行き当たると思うよ。たぶん僕もそういうことを言える時期になったんだと思うんだ、全体像が見えるようになったから。GOOD CHARLOTTEの本質は? 歌なのか、他のものなのか? "わぁ、それは良い話だ"と言えるようなものなのか? もしかしたら歌じゃないのかもしれない。いい曲はあるよ。ただ僕も兄貴(Benji Madden/Gt/Vo)も、別に才能溢れたソングライターや天才音楽家じゃない。どうしても諦められなかったからめちゃくちゃ頑張って、生き残るのに不可欠だったからプロデューサーに良い曲だって言われるまで書き続けただけだ。そうやって何百もの曲を書いたよ。だからこそ思うんだ、"GOOD CHARLOTTEの神髄は、音楽なのか?"って。音楽はもちろん重要な部分だ。でも実はGOOD CHARLOTTEについて知っていることやわかってくれていることと、実際の僕らが繋がっていない部分もあるように思う。GOOD CHARLOTTEはストーリーだ。生き残りたいと思って、その糸口を見つけた人間たちだ。その方法が音楽だった。僕らにとって音楽は生き残るためのものだったし希望だった。今、巡り巡って僕らはまたスタート地点にいるけれど、このバンドでの20年間を僕はとても誇りに思っていて、今が最も本来の姿をとらえていると思うんだ。タネも仕掛けもないし、"デカくてピカピカにさせて、みんなに買ってもらおう"とかでもない。本質を出して弱味も見せて"これが本当の僕たちだ。楽しい瞬間もあるしこんなときもある。変わらずポップな曲を作っているけど、"これがGOOD CHARLOTTEなんだよ"と伝えることができる。この数ヶ月で随時公開されていくものは、さらにリアルな内容になっているよ。弱味を見せたとしても"これが本当の自分たちなんだ"と言える。責めたいなら責めればいいさ。独立したバンドでいられるのは気分がいいよ、勝たなくてもいいからね。

-5 SECONDS OF SUMMERのアルバム(2015年リリースの2ndアルバム『Sounds Good Feels Good』)を手掛けるまでは、プロデュース活動で満足していたようでしたね。それがきっかけで、"またこれをやらなきゃいけない"と気づいたんですか?

彼らのアルバムができていく段階なのかな。アルバムを作ることになって、ぜひやりたいと思ったことがいくつかあって。"ヒット曲を見つけないと!"みたいなレコード会社的マインドを崩したかった。彼らは最高のアルバムを作ろうとしていたけれど、またしても"さぁ、大物マネージャーだぞ! 大手レコード会社だぞ! さっそく恐れの気持ちが染み込むようにわかりやすく手ほどきしようか。これでアルバムが売れないとどうなるか......"という状況だった。世界中でライヴのチケットが売れているバンドがいたら、大事なのはヒット曲よりもライヴを観に来てくれているファンなんだ。そのバンドはミュージシャンとしてすごいってことだからね。だから5 SECONDS OF SUMMERはすごいよ。最高のライヴ・バンドで音もすごくタイトだ。ドラマーは久々に見る若い才能だと思う。だから、どのバンドも通る道だと思うけど、そういうことで葛藤しているように僕には見えた。商業的成功が必須だとか、バンドをやってるなら当然アルバムを出す、とか。僕らのバンドが通った道を少し思い起こさせたんだ。