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INTERVIEW

OF MICE & MEN

2015.11.17UPDATE

2015年11月号掲載

OF MICE & MEN

Member:Austin Carlile(Vo)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-今作のプロデューサーであるDavid Bendethとの作業はいかがでしたか? また過去2作のプロデューサーであるJoey Sturgisと比較していかがでしたか?

えっ......(苦笑)("スター・ウォーズ"の)ジェダイ・パダワンにでもなって仕事しているような感じだったよ(笑)。ふたりはまったく違うタイプだね。David Bendethはこの業界の大ベテランで歳もずっと上だし、何よりプロデューサーなんだよね。人の指示に従ってレコーディングするエンジニアとは違うんだ。普通は"なるほど、この曲に対する君のアイディアはそれか。一度にレコーディングするかい? よし、いいね!""いや、2回レコーディングしたいんだけど"......それが18回になったり19回になったりする程度だけど、David Bendethは90回だってやらせるんだ。納得するまでね。アメフトや野球のコーチみたいだったよ! 俺たちをプッシュし続けて、怒鳴りつけてくる。時には彼が好きになれないこともあるし、時には大嫌いになってしまうこともある(笑)。でも彼は必要なことを教えてくれるんだ。音楽へのリスペクト、フック(サビ)へのリスペクト、様々なテンポを試してみること、拍子......レコーディングのプロセスについて多くの人たちが理解していないことをたくさん教えてくれた。まったく新しいもの、新しい世界に俺たちの目を開かせてくれたね。だから『Restoring Force』はああいう作品にすることができて、『Full Circle』もあとに続くことができたんだ。

-ブート・キャンプみたいなセッションだったんですね(笑)。努力が実って良かったです。

(笑)

-前作でエッセンスとして取り入れていたニューメタル・サウンドは、今作ではさらに重要度が増してOF MICE & MENサウンドの根幹として位置しているように感じたのですがいかがでしょうか?

ぁ、カテゴライズするのは好きじゃないけどね。音楽のカテゴリーは3つしか要らない。"グッド"、"バッド"、"もう1度聴いたら好きになるかも"だ(笑)。アルバムを初めて出したころは俺たちもまだ若くて、ミュージシャンとしても人間としても発展途上だったから、あのサウンドを自分たちの思い通りに掴むのが難しかったんだよね。『The Flood』のリイシュー盤を聴いてもらえれば、追加された4曲がヘヴィになっているのがわかると思う。あれにもニューメタルの影響が色濃く出ているからね。今は自分たちが聴きたい音楽をプレイできるバンドになれたんだと思う。だから人に"○○は××っぽく聴こえる"とか言われると、"そりゃそうだろう、俺の青春のバンドなんだから!"と言いたくなるよ(笑)。だからSNOTやSLIPKNOTみたいに聴こえる部分があってもおかしくないし、それだってOF MICE & MENなんだ。俺たちの音楽は、そういう音楽からの影響や、そういうバンドのファンでいることからきているんだから。それに彼らだって上の世代のバンドを尊敬してきたはずだ。例えばMETALLICAはAC/DCを尊敬していただろうし......と、どんどん遡ることができるんだ。アートってそういうものだよね。他人にインスピレーションや影響を与えて、与えられた側はそれを自分のものにしていくんだ。だから今俺たちは、レコード会社にリリースしろと言われたからガラクタを寄せ集めてるんじゃなくて、いいアートを作ろうとしている。初期の作品はたしかに言いなりの面があったけど......(苦笑)。

-以前は、ロック・シーンやメディアからは、ニューメタルはマイナスのイメージとして捉えられることが多々ありましたが、最近評価を取り戻してきているように感じます。あなた方にとってニューメタルは魅力的な音楽ですか?

おかしな話だけど、ニューメタルのバンドはネガティヴなイメージがあったころも何千万枚ものアルバムを売ってたんだよね。文字通り数千万枚単位のアルバムを売っているバンドを毛嫌いしていたんだ。今は評価を取り戻しているのかも知れないけど、売り上げはその足元にも及ばない。近づいたバンドすらいないんだ。俺には理解できないね。全然売れなくなったのに、一体どうして今は幅広く受け入れられているんだろう? 音楽業界全体の仕組みはわかるけど、この手の音楽や一般としてのロックについてはわからない。CAGE THE ELEPHANTやMUMFORD & SONSがどうと言っているわけじゃないよ。俺も大好きだしクールなバンドだって思ってる。でも15~20年前は何百万枚も売っていたバンドが今は全然売れてないって聞くと、ジャンルの人気とものすごい乖離があるように感じる。大陸によっても違うのかも知れないけどね。俺たちOF MICE & MENがやっている音楽は、多くの人が聴かないものだったり存在を知りもしないものだったりするけど、ゴミではないってことを示したいね。世の中にはクズみたいな音楽が溢れているけど、俺たちはそうじゃないってこと。