INTERVIEW
LIV MOON
2015.06.16UPDATE
2015年06月号掲載
Member:AKANE LIV (Vo)
Interviewer:荒金 良介
-AKANE LIVさんは元タカラジェンヌで、ライヴ・デビューが"LOUD PARK 09"で、異色のキャリアを歩まれてますね。ものすごい人生の振れ幅だなと、ご自分で感じることはあります?
宝塚とシンフォニック・メタルということで、"畑が違うんじゃないですか?"とインタビューで訊かれることもあるんですけど。実際やってみると、シンフォニック・メタルはメタルの中でもシアトリカルな要素が強いし、いろんなキャラを演じながら歌うので、自分の中では宝塚とそんなに違いはなくて。舞台では1、2時間の間にひとつのキャラを演じ続けるけど、LIV MOONの場合は4、5分の間にひとつのキャラがどんどん変わっていく。みなさんが思うほど、そこまで対極にあるものじゃないんですよね。
-相違点はありますか?
私は舞台も平行して活動してるんですけど、大体1~3ヶ月にわたって、同じメンバーと舞台を作り上げるんですよ。だけど、ライヴは数回のリハーサルでポンとお客さんに提示する感じだから、集中力においては舞台との違いは感じますね。
-なるほど。
以前はもっと分けていたところもあったけど、今はどちらの良さも活かしたらいいんじゃないかと。去年もやって、今年再演が決まった"黒執事"のマダム・レッドという役もLIV MOONでダーク&ヘヴィな世界をやってなかったら、醸し出せなかったキャラですね。女性が持つ嫉妬、情念、愛情、いろんなものが詰まったキャラでしたから。
-音楽をやることで舞台にもフィードバックが?
そうですね。宝塚は清く正しく美しくの世界で、そういう品のあるキャラは学ばせてもらいましたが、外に出ると、もっとドロドロした感情もあるじゃないですか。ダークでヘヴィな楽曲が続いたあと、パッと女神みたいな感情をストレートに吐露する楽曲が来たときの対比とか、そのへんはシンフォニック・メタルならではだと思います。
-舞台も音楽も遠く離れた世界じゃないと。
舞台だと、ひとつかふたつの声質しか使わないけど、LIV MOONはあらゆる声質と音域を駆使して歌うので、それも楽しいですね。
-昔から演じることは好きでした?
小学生のころでも、子供なりに悲しかったり、苦しいことってあるじゃないですか? その中で初めて触れた生のエンターテインメントが宝塚で、観ている間はすべてを忘れて夢の世界に入れたんですよ。そこに魅了されましたね。だから、LIV MOONのライヴも非日常な空間を味わってもらいたくて。ライヴの幕開け、コンセプト、ライティングは自分が舞台で経験したことを取り入れてます。
-宝塚を知ったきっかけは?
もともと叔母が宝塚のファンで、小学生のときに初めて連れて行ってくれたんですよ。小学4年で宝塚を観たので、早い方かもしれませんね。
-小学4年のときに観た宝塚がその世界に入るきっかけですか?
そうですね。家に帰ってからも、ひとりで男役、女役を演じ分けて、ラヴ・シーンとかやってました(笑)。"君を愛してる!""私もよ!"みたいな。ちょっと怖いですけどね。
-LIVさんが思う宝塚の魅力とは?
ショーのスピード感は世界に誇れるものだし、歌舞伎の逆バージョンになりますけど、宝塚もひとつの性の中で老若男女を表すのが魅力だと思います。あと、座付きの作家さんもいて、そのキャラに合ったものを書いてくださるので、それも宝塚の強みかなと。衣装も煌びやかだし、主題歌も1度聴いたら忘れないメロディが出てくる。小学生の私でも覚えられるメロディだったから、それもいろんな層に愛される理由なのかなと。